【感想】異世界黙示録マイノグーラ 01　～破滅の文明で始める世界征服～

個性的で良いね

死んだらMMORPGが具現化した(と思わしき)異世界に転生、というわりと典型的なタイプの異世界転生物。

これだけならありきたりな異世界転生物だが、本作の個性的で斬新な点は、主人公だけでなくMM…ORPG側のキャラクターも異世界に転生しており、かつ主人公と同様に「ゲームキャラクター時代の記憶を持っている」事。この設定は他異世界物では殆ど見た事がなく、本作の強い個性になっている。

ストーリーは、端的に言えば「転生者二人でMMORPG時代と同じく国を興す」というもので、これもありきたりと言えばありきたり。しかしこちらも個性的な要素・設定が多く、意外にもありきたりっぽさは感じられない。
内容や表現的に恐らくダークファンタジーにカテゴライズされる作品だが、そのわりにはコミカルな描写が数多く、真面目な描写との緩急・メリハリになっていて楽しく読める。勿論エグくて残酷な描写もがっつりあるが、平和的でのほほんとした展開も数多く、どっちの描写も面白い。

その他、画力や構成、演出等も良く、漫画としての完成度は高い。特にキャラクターは魅力的かつ個性的で、表情がコロコロ変わって面白く、粗製乱造の異世界物によくある雑さ・浅さは感じられない。本作の主な要素の一つである「邪悪さ」の表現も上手で、なかなかゾクゾクさせてくれる。
この手の作品に多い、多数の女性キャラクター・エ□やサービスシーン・萌え等のあざとい描写等が一切ないのも個人的な評価点。

試し読みして気になったから何となく買ってみた読んでみたけど、相当な良作だった、大当たり。興味がある人は是非。
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