【感想】炎上 1974年富士・史上最大のレース事故

中部博 / 文春e-book
(6件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • yajjj

    yajjj

    74年に起きた2名の死亡者を出したレース事故を関係者の取材と当時のメディアから掘り起こすドキュメント。全体を通して自動車レースを純粋なスポーツのように扱う感覚は著者の価値観なのだろうが事故の歴史的評価という意味では歪めてしまっているように感じる。本音と建前が入り混じる本書はしかし当時の自動車レースを取り巻く空気を伝える良書。モータリゼーションの真っ只中を過ごした年代に対する嫉妬心がこみあげる。続きを読む

    投稿日:2018.10.09

  • jitsu

    jitsu

    帯にある「封印された真相が、38年目に明らかになる!」という観点からは期待外れですが、当時のレース事故を知るには良い本かと思いました。

    投稿日:2015.03.29

  • blackkitty

    blackkitty

    グダグダな構成、初心者向けとする中途半端な解説が気にならなければ。昔のFISCOをこのつたない説明で思い浮かべられるかどうか。ドライバーの救護がどうのこうの言う前に、運営(オフィシャル)やグラベル、タイヤバリアといったコースレイアウトはスルーというのはどうかと。コースをスピンしながら横断するなんて、インディは頻繁にありますし。焼死となっていますが、法医学的にそうなのか、雰囲気なのかもはっきりして欲しかったです。続きを読む

    投稿日:2012.09.02

  • kamelife

    kamelife

    生まれるちょっと前、育った街のサーキットで起こった多重クラッシュの話。世界で今まで記録されたことのないひとつのレースで2人の死者を出した事故だ。
    実際バンクに忍び込んで何度も歩き、事故が発生して15年ほど経過していた時点でも現場に花が手向けられていたのを目撃していただけに、キチンとまとまった記録を読んでみたかった。
    わずか数秒の間で、あるきっかけを契機としてあっという間に運命が別れたとしか言いようがない出来事だ。要因のひとつとして当時のレース事情がかなり影響していると思った。現在の基準では考えられない。いま、亡くなった2人が存命ならどんなモータースポーツ事情が展開されていただろう。
    最終章、当事者が語る言葉が非常に重く、この事故を象徴的に語っていた思う。
    続きを読む

    投稿日:2012.07.29

  • unicorn-1

    unicorn-1

    1974年6月2日富士スピードウェイ。富士グランチャンピオンシリーズ第二戦・富士グラン300キロレース。
    第二ヒートスタート直後1コーナーへの先陣争い、二台のマシンの接触に端を発し、マルチクラッシュが発生。4台のマシンの炎上大破を含む計7台のクラッシュ、2名のドライバーが焼死。カメラマン1名重傷、観客4名が軽傷。
    日本のモータースポーツ史上最悪の事故の発生だった・・・。

    もともとはモータースポーツ専門誌に連載されていたノンフィクションを
    一冊の本として纏められたものです。
    事故が起きた当時の社会状況と、未だに判然としない事故原因。
    当時を知る人物や書物、スナップ、音声、映像など丹念な取材から得られた情報をもとに、今改めてこの一瞬を見つめなおしています。

    今を語るうえで知っておかなければいけない過去として。
    そして、時代を駆け抜けて往った者達を忘れない為に・・・。
    続きを読む

    投稿日:2012.07.24

  • sasha89

    sasha89

    専門学校に通っていた頃だったか。一時期、オートバイ・レースの観戦
    に夢中になったことがあった。

    私自身は二輪車も四輪車も免許を持っていないので、マシンのことなんて
    何も分からない。でも、あのスピード感と緊張感に魅了された。

    最速の者が勝利を飾る。それは二輪のレースでも四輪のレースでも
    変わらない。そしてスピードを求めれば、自ずとすぐ隣には危険が
    存在する。

    「音速の貴公子」と呼ばれたF1レーサー、アイルトン・セナのレース中の
    事故死はレース・ファンでなくとも少なからぬ衝撃を受けた。

    起こらないに越したことはない。しかし、哀しいかなレースには事故が
    つきもである。日本で開催される自動車レースでも、幾多の事故が
    起こり人命が失われている。

    その中でも史上稀に見る事故とされるのが、本書で取り上げれられ
    ている1974年の富士グラン・チャンピオンシリーズ第2戦での多重
    クラッシュ事故である。

    マシン4台が炎上し、ふたりのドライバーがマシンもろとも焼死。事故の
    きっかけとなった最初の接触事故の当事者のうちひとりが業務上過失
    致傷罪で書類送検された(のちに不起訴)。

    この悲惨な事故は何故起こったのか。起訴こそ免れたものの、レース中
    の事故で何故ドライバーが書類送検されたのか。

    著者は当時の専門誌や新聞記事を調べ、レースに関わっていた人々、
    出場していたドライバーたちにインタビューをしている。その過程は
    非常に興味深いのだが、結局は事故当時に報道された以上の答えは
    出ていないし、結論は読み手に任せているような印象を受けた。

    当時のレースの安全基準は現在とは違うということを繰り返し述べて
    いるのだが、それは事故が起きても仕方ないことの免罪符にはならぬ。

    悲惨な多重クラッシュの原因となった最初の接触事故のふたりの
    ドライバーにも話を聞いているのだが、肝心の点はぼやけたまま。

    ただ、コースアウトし一歩間違えば自分が落命していたかもしれない
    ドライバーが重い口を開いて亡くなったふたりのドライバーのことを
    語った部分は切ない。

    長年、事故に対して沈黙を守り続けて来たドライバーの苦しく切ない想い
    にこの本が報いているかは大いなる疑問が残るけど。
    続きを読む

    投稿日:2012.06.10

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