【感想】二月の勝者 ー絶対合格の教室ー(9)

高瀬志帆 / ビッグスピリッツ
(5件のレビュー)

総合評価:

平均 5.0
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ブクログレビュー

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  • ホン・ヨンドル

    ホン・ヨンドル

    このレビューはネタバレを含みます

    【あらすじ】
    「子どもの人生はその子のもんだ。親のもんでも俺たちのでもない」
    家庭の事情で中学受験断念を決めた島津家。「3年間も積み重ねてきた本人に諦める気はない。彼を“船”に乗せたのはあなた方だ。」黒木の言葉の真意は?奨学金制度狙いで確実に中堅校の特待をおさえる戦略、上位校を目指している生徒は記述対策ができているので国公立も視野に――?桜花を辞め勉強から離れた島津君の本心は?そして彼の受験継続のため黒木が提示する衝撃の秘策とは――?ゆれる黒木の心。白柳の叱咤の言葉とは。
    中学受験の隠された裏側、合格への戦略を圧倒的なリアリティーでえぐりだす話題作、第9集!

    ・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

    感想は最終巻にまとめて記載予定です。

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    投稿日:2023.01.01

  • よっぴー

    よっぴー

    このレビューはネタバレを含みます

    この巻はとにかく最初から最後まで凄かった。
    島津家の順くん。
    親の狂気、子の想い。
    受験という船に乗せたのは誰か。親の責任とは。
    「家庭」と「塾」、そして「学校」はどこまでこどもたちのことに介入してもよいのか。それは本当にその子のためなのか。愛か狂気か。

    そして、ついに黒木の過去が明らかに。
    その壮絶なストーリーに惹き込まれました。
    すべての言葉が胸に刺さる傑作。
    この巻じゃ必見です。

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    投稿日:2022.08.14

  • hanemitsuru

    hanemitsuru

    中学受験を舞台に、受験生たちと彼らを取り巻く人々の小5の二月から試験本番の二月まで(おそらく)の1年間を描いた漫画です。

    綿密な取材に基づいて、有形無形の膨大なノウハウとともに今どきの中学受験事情を生々しく読者の前に提示しており、未経験の親子がこれから直面する中学受験をシミュレートするような読み方も可能です。
    中学受験を取り扱う出版物やネット上の記事では「中学受験をしようと思ったら読む」漫画として絶賛する声が多く聞こえます。
    さらに、地上波でのテレビドラマ化が発表されて勢いは止まりません(10月期土曜ドラマとして放送(土曜22時〜)(https://www.ntv.co.jp/2gatsu/))。本作同様、漫画原作でドラマ化された「コウノドリ」はドラマもいい出来だったので、今回も楽しみに待つことにします。「コウノドリ」はTBS、今回は日テレなのがちょっと気になるところですけれど…。

    なお、最初のドラマ化発表のときはこの9巻の発売が放送開始直後となるよう2ヶ月早められて8月になっていました。
    今回は12巻が8月11日に発売され、その後の13巻が通常どおり4ヶ月毎のスケジュールで12月になるのか、それともドラマ放送開始に合わせて2ヶ月早い10月に読めるのか、とても気になっていたのですが、発売されたばかりの12巻の巻末にあった13巻の広告に「10月発売予定」のキャッチを見つけました。今のペースだと13巻でようやく12月に行われる最後の模試を受けるかどうかといったところですが、先が気になって仕方がないエピソードがたくさんあります。楽しみに待つことにします。

    ちなみに、ペースについてですが、

    1巻
    二月の挑戦
    二月の初陣
    二月の決断
    二月の事情
    三月の共感者
    三月の撤退
    三月の進退

    2巻
    三月の転機
    三月の集合
    三月のリセット
    三月のリスタート
    三月の邂逅
    三月の相違
    三月の不協和音
    三月の不一致
    三月の慟哭
    三月の変化

    3巻
    三月の作戦
    四月の成果
    五月の夢
    五月の回顧
    五月の嘘
    五月の出会い
    五月の回答
    六月の成長
    七月の衝突
    七月の問答

    4巻
    七月の事件
    七月の挑発
    七月の崩壊
    七月の号泣
    七月の反駁
    七月の先輩
    七月の憧れ
    七月の勧誘
    七月の秘密

    5巻
    七月の本期
    七月の孤立
    七月の現実
    八月の解答
    八月の暴露
    八月の期限
    八月の相談
    八月の昇格
    八月の伏兵
    八月のバトル

    6巻
    八月の内幕
    八月の新人
    九月の結果
    九月の解答
    九月の発心
    九月の蒼白
    九月の懐柔
    九月の訪校
    九月の三人

    7巻
    九月の疑念
    九月の内紛
    九月の計略
    九月の不安
    九月の胎動
    九月の落着
    十月の紛糾
    十月の岐路

    8巻
    十月の操縦
    十月の玩弄
    十月の千差
    十月の暗雲
    十月の闘志
    十月の凶兆
    十月の決壊
    十月の奮起

    9巻
    十月の責務
    十月の介入
    十月の発破
    十月の越権
    十月の本心
    十月の告白
    十月の傷痕
    十月の矜持
    十月の気概

    ※10巻第一話から十一月

    ですので、一ヶ月当たりの話数は…

     2月  3話
     3月 14話
     4月  1話
     5月  5話
     6月  1話
     7月 14話
     8月  9話
     9月 13話
    10月 19話

    となります。
    本番が近づくにつれ、柴田まるみや島津順のエピソードが詳細に描写されるようになり、比例してコミックス1冊当たりの時間経過がゆっくりになりました。
    直近十月の一月当たり19話、1冊当たり9話が続くと仮定すると、1月末までで57話、6.3冊必要なので、2月1日の本番は16巻という計算になります。1冊当たり4ヶ月のペースなら来年の12月ですね…。何となく12巻くらいで完結かと思っていたのですが、堂々たる大連載になりましたw。


    「全員を第一志望に合格させる」と豪語する露悪的な凄腕塾講師黒木とその部下で熱意ばかりで空回りしている新人講師佐倉、そして各人各様の理由で中学受験を目指す小学生とその家族が受験に巻き込まれ、翻弄されながらも高い壁に立ち向かう姿が描かれます。
    さまざまな理由で中学受験に参入した受験生たちとその家族を描いた物語は、彼らが挫折と成長を繰り返す群像劇であり、彼らのビルドゥングスロマンでもあります。
    物語の舞台になっている「桜花ゼミナール」吉祥寺校在籍の32名には、偏差値70に迫る校舎トップの生徒から40を切る最下位の生徒まで一人ひとりに塾通いをする理由があり、受験をしようと決意した動機があり、乗り越えるべき壁があります。物語はこれを丁寧に取り上げてゆきます。
    最近になって全員の氏名がわかりましたが、どうやらこれまで登場していなかった生徒についても家庭の状況や受験を志した理由、最近までの成績などがきちんと設定されていそうで、物語世界の作りこみに思わず胴震いが出ました。まさに神が細部に宿っています。

    また、「最強最悪」の塾講師黒木についても、露悪的な言動の背景が徐々に明かされつつあります。そもそも、「全員を第一志望に合格させる」との台詞についても、「全員」には桜花ゼミナール最上位Ωクラスから最下位Rクラスに止まらず、集団塾である桜花からドロップアウトして個別指導塾に通う石田王羅が含まれており、さらに黒木の考える「第一志望」の意義もここ数巻で徐々に明かされてきていて、このセリフが単なる大言壮語ではなく、実は黒木が目指している理想の中学受験であろうことが見えてきました。
    同じ一つの台詞が、最初は大風呂敷に聞こえ、後には真の目標であることがわかるのは、黒木というキャラクターの持つ二面性によっています。黒木が「最悪」で「最強」でもあることが、ストーリーの面白さに大きく貢献していると思うのです。

    9巻は、島津家を巡る物語の続きと黒木の過去が語られます。
    ちなみに表紙には何と何と、桂先生が起用されています。モブだと思っていたら大出世です。


    DV父の呪縛から離れた島津順と母は「父親の経済力」と「母親の狂気」いずれをも失いました。このまま受験を続けることができるのか。そして黒木が「塾講師」の領分を大きく踏み出して島津家に介入をしたのはどうしてか。

    父の教育虐待に初めて昂然と反抗した順。母優子に手を引かれ家を飛び出した二人が向かった先は桜花ゼミナールでした。
    順と母、それぞれ別々に黒木と話をします。

    順は解けなかった開成の問題のヒントを黒木にもらいます。

    そして母は黒木に受験を止める、経済的に私立校受験は続けられない、と吐露します。
    黒木は「既に開成に挑んでいる順の気持ちはどうする?その気にさせたのは父母だったのではないか、それを燃料が尽きたからと言って彼を船から降ろすのか」と順本人の気持ちを気遣ったうえ、受験を続けられるプランを3つ用意しました。まず使ったのはそのうち2つ。

    ・奨学金制度のある学校を受験
    ・都立/国立の中高一貫校を受検

    そして、なぜか最後のプラン3は説明しなかったのです。

    順と母優子は、いったん母優子の実家に身を寄せます。事情が落ち着くまでは塾も休むことにして、優子の母と姉明子の二人が暮らす家で、二人は久しぶりにゆったりとした時間を過ごします。

    ゆっくり夕食を食べ、テレビを見て寛いで、よく寝て睡眠十分の生活を取り戻した順は祖母や叔母と言葉を交わしながら何かを考えている様子です。開成合格に向け走り続けてきた彼が初めて得た自分を見つめなおす時間だったに違いありません。
    一方、母優子は離婚を視野に入れ、まず家計の自立を目指すため、持っている薬剤師の資格を活かしてパートを始めることに。
    黒木は自分の「介入」が果たして正しかったのか悩みながら、欠席が続く順の帰りを待ち続けます。

    黒木の提案したプラン1、プラン2は「トップ」でない学校を目指すことになるとモチベーションが掻き立てられないなか、母が求職していることを聞いた順は、経済的な事情を察します。心中何かを期して久しぶりに桜花ゼミナールへ向かいました。

    黒木と向かい合って開口一番、「僕は、受験止めます」と順。黒木が説明したプラン1、プラン2は「正直ピンとこない」「トップ目指し続けないくらいならやめるよ!」ときっぱり。順に受験を諦めさせたくなかった黒木は返す言葉がありません。
    「…それで先生。受験やめるって言ってるくせに…なんだけど。」と1冊のノートを取り出す順。表紙には「算数 過去問」とあります。

    父に無理矢理取り組まされた開成の過去問、歯が立たなくて「超イラった」はずの問題だったのですが、「ヒントもらったら3分で解けました!」
    黒木は破顔一笑、ノートに花丸を付けて「鮮やか!!」と一言。
    「ハハッ! 花マル―!! 久々もらえたわ!やったー!」と子供らしく笑う順ですが「ハハハ… あー… 先生… 俺さ…最近、ずっと寝不足だったから、頭がぼんやりしてて…でも、ここんとこぐっすり寝て、ちょっと休んで久々に問題解いたら…」「わかった!」ってひらめいてからめっちゃゾクゾクした!」「俺、勉強自体が嫌いになったんじゃなかったんだって……それがわかって嬉しかった…!」「俺… ママを守りたいんだ…だから、やめるって決めた気持ちはうそじゃない。でも先生、俺、やっぱり、こんな楽しい問題出す学校、チャレンジしたかったなあ。」と涙を零すのでした。

    順の正直な気持ちを確認した黒木は、桜花ゼミナールに駆けつけてきた母優子に、とうとう前回使わなかった「プラン3」をやりすぎを承知で提示します。

    「プラン3」は開成の奨学金制度。しかし、その制度は成績で決まるものではなく「年間所得が218万円以下、または給与収入400万円以下の世帯の子弟」を対象とするものでした。
    母優子は黒木が「プラン3」を最後まで示さなかった意味にすぐ気付きます。「…先生、それって…「離婚」ありきのご提案…ですね?」

    突然のことに気持ちが整理できない母優子。
    「離婚…は、するつもりです、でも、だからと言ってそれを利用してってのは、」「受験を止めるのは経済的な理由というより、そもそも父親が無理矢理目指させてただけなので」

    「父親が無理矢理」の言葉を聞いた黒木は、順に気持ちを話すよう促します。
    「ママ…俺は、前に解けなかった開成の過去問を、どうしても攻略したくて一生懸命考えて、解いたんだよ、なるべく速く合理的な方法で!」「解けたんだよ!自力で素早く溶けたんだ、だから嬉しくて、これが最良なのかくろっきーに見てほしくて!」「開成受けられないならもうやめようかって、これ解けたしもういいかなって。」「でも…俺、やっぱり…」
    「ママ… 俺… 開成受験したい」

    12歳の子供の真っ直ぐな気持ちを聞き「自分の気持ちを正直に言うことができて… 私、先生を信頼してこの子を預けます。よろしくお願いします。」と黒木との固い信頼関係が成立し、順の開成受験続行が決まったのでした。

    順と母優子が安全で安心できる居場所に落ち着き、順の気持ちを最大限尊重して受験続行も決まり、一安心と言うところではありますが、自分的には、普通はあまり顧みられないであろう順の父の気持ちが少し心配です。
    自分の大学受験の時の成功体験を持ち込み、12歳の小学生に同じことをさせようとした父。順と母優子を大声で威嚇し支配しようとした父。
    それでも、自分の中にもその振舞いのかけらが見つかるのではないかと思うのです。

    いみじくも桂先生が言うように、受験指導のプロであるはずの塾講師は、生徒の人生に、あまつさえ受験の合否にすら責任を負いません。結果に全くコミットしない、できないのです。
    では責任を負わなければならないのは誰か。
    まず本人であるのは言を俟たないところではありますが、まだ12歳の子供に自分の行動の責任をとらせることはできません。「本人が嫌がるから」と歯を磨かないこと、学校の宿題をやらないことを黙認して、その後口腔崩壊を招いたり、落ちこぼれりしたのを「自分の行動の結果だから自分で責任を取りなさい」と突き放すのはネグレクト以外の何物でもないでしょう。
    嫌がる子供を押さえつけても歯磨きをさせ、なだめすかして宿題をさせるのは、やっぱり親の責任です。
    生徒の人生の、受験の合否の結果に責任を負わなければならないのは親なのです。

    順の父の行動原理の一部には「強制してでも子供を導かなければならないのは親だけ」という気持ちがあったのでしょう。塾任せにはできないと自分の経験のない中学受験を調べて行き当たったのが受験ブログだったのでしょう。その時「二月の勝者」を手に取る機会があったなら、もしかしてもっとうまく指導できたのではないかと残念に思ったりしますw。

    おそらく気が小さいのであろう父は、指導がいつの間にか支配にすり替わり、支配が抑圧を招き、そこから抜け出そうとした順の行動に狼狽します。
    前田花恋の母麗子くらい鷹揚に構えていれば「トップ」大好きな順は勝手に伸びていったのではないかと思いますが、これはまあ第三者の意見、傍目八目ってやつですね。渦中にいると見えないことが多いということは覚えておこうと思います。

    今はまだ自分がしたことがどういうことなのか、はっきりわかっていないだろう順の父は、母優子と順が手元から去った時どうなるのか、今から心配でなりません。


    一件落着ではありますが、黒木の島津家の事情への介入ぶりに疑問の声を上げ続けていた桂先生。
    塾講師と3年生の二月から3年間という長い時間を一緒に過ごした教え子たちとは、受験が終わってしまえば顔を合わせることも会話を交わすこともありません。
    受験生たちの人生に、そして受験のプロでありながら受験の合否にさえ責任を負わない、負えない塾講師たちは家庭の事情に介入してはならない、桂先生のそんな指弾に応えて、黒木は過去、介入で教え子を潰した時のことについて初めて重い口を開くのでした。

    ということで、黒木の抱えているものの一端が初めて明らかになります。
    黒木については、
    ・ サッカー経験者らしい。途中で諦めたようだ。
    ・ 視力が極端に悪い、サッカーをやめたのと関係あるかも。
    ・ 何か思い入れがあるミサンガを手首に巻いていて、事あるごとに触れている。
    ・ 眉間に傷があって、偶さかに「ズキン」と疼く。
    ・ おばあちゃんのいるどこかにいる生徒?の許に通っている。生徒?は荒れている様子。
    ・ フェニックスでは「生徒を裏切った」らしい。
    ・ 白柳社長、ショーマ、碧川皐月らと歓楽街で何かをやっている。
    ・ フェニックスを辞めて、何かやりたいことのために桜花ゼミナールに来たようで、白柳社長も承知している。

    と伏線が山盛りです。
    このうち、今回は
    ・ 眉間に傷があって、偶さかに「ズキン」と疼く。
    ・ おばあちゃんのいるどこかにいる生徒?の許に通っている。生徒?は荒れている様子。
    ・ フェニックスでは「生徒を裏切った」らしい。
    あたりが回収されました。

    難関校を目指すなら他に選択肢がない「フェニックス」、その頂上クラス「サミットワン」専任講師だった黒木は、ふとしたことから生徒「晶」が教育虐待されていることに気づきます。虐待から救おうと深入りした結果、晶は見事、第一志望の難関校に合格しますが、実力以上の学校に押し込まれた晶は入学後すぐ「深海魚(最底辺の成績から這い上がれない生徒のこと)」となってしまい、高校進学は難しいと告げられます。
    晶からSOSのサインは出ていましたが、黒木は忙しさにかまけて見逃してしまいました。
    公立中への転校を余儀なくされた晶。「世間体」を考えた両親は、転校先には家を出て祖母の家から通うことを求め、これに激高した晶はバットを振り回して家の中をめちゃめちゃにします。
    黒木の額の傷はこの時に負ったもの。
    その後黒木は、祖母の家の晶のもとにしばしば足を運び、プリントを通して登校拒否の彼の勉強の支援をしているのでした。

    生徒のことがわからない、生徒の家庭がわからないと自覚した黒木は家庭教師として家庭に入り込み、家庭の様子を観察します。これが灰谷の言う「裏切り」の真相です。

    まだわからないことが多いので、自分が気付かないタイプのトラブルに気付くことがある佐倉の手も借りたい、と過去編はいったんはおしまい。

    てか、黒木先生過去にいろいろありすぎでしょ…。
    まだサッカーとミサンガ関係も、ショーマや碧川とやっている課外活動の件も真相は明かされていません。ちゃんと伏線回収するようお願いしておきます。


    9巻ラストは保護者面談。
    過去問の取扱い方のレクチャー、そして「どんなに温厚で冷静な方でも必ず、親御さんのメンタルに3回のクライシスが来ます!」
    「3回の「危機」!? それは、一体…?」というオニの引きで10巻に続きます。



    最後に登場人物一覧を更新しておきます。
    この巻で新たに判明したのは順の母の名前くらいですが…。

    【登場人物一覧、9巻末現在、偏差値、志望校はわかる範囲で最新のもの】
    【R(最下位)クラス10名→9名】
    〇(退塾)石田王羅 偏差値38 38→37 志望校(偏差値)武蔵(64)
     カードゲーム好きの問題児。1話からちらほら顔を出している。選択問題は鉛筆を転がして答えを決めている。
     自習室でのトラブルから桜花ゼミナールを退塾して系列の個別指導塾ノビ~ルへ。
     父:死別
     母:三枝子(43)鍼灸師
     祖母

    〇武田勇人 帝都圏模試44 日照大第二(首都圏53)
     スマホゲー好き。ほとんど宿題をやらない。
     父:正人(まさくん)(40)会社員
     母:香織(40)会社員
     面倒くさそうな問題は答えを写していたのを、夏期合宿を機に反省し、母に答えの本を預ける。

    〇伊藤章太郎 3巻より 東英大附属白金、日照大附属杉並
     魚、水族館好き、両親医者?
     志望校は適正校や安全校を視野に入れ、親子で希望が一致。

    〇今川理衣沙 帝都圏模試42 吉祥寺女子(吉祥女子)(67)、昌川女子(品川女子)(61)、帝都女学館(61)、光花女子(59)
     昌川女子(品川女子)のキャメルのブレザーに憧れる。
     女子の派閥リーダーでトラブルも。
     「キャラクターもののノートを買ってもらいウキウキと眺めている」
     志望校を決めて本気で受験に取り組み始めた山本佳苗、浅井紫と距離ができ、山本佳苗のシャーペンを隠す、意図的にマルつけを間違えるなどの嫌がらせを繰り返す一方、大内礼央に接近を図る。
    母:紹子(42)
     世間に対する見栄で志望校を決め、「これ以下の学校なんて行かせない」と息巻いている。適正校を勧める塾に不信感を抱く。

    〇浅井紫(ゆかり) 偏差値 44→46 光花女子(光塩女子 カトリック校)志望も、佐倉提案の湧泉女学院中学が刺さる。
     文具大好き、将来の夢(一応)花屋さん
     今川理衣沙とのトラブルでは山本佳苗寄り。黒木の打った手「席替え」で今川理衣沙と席が離れて「何となくホッ」としている。
    母:千秋(47)

    〇山本佳苗 帝都圏模試47、鈴蘭女子(48)
     学園祭で訪れた鈴蘭女子で先輩から優しく接してもらい、志望を固める。未だエンジンのかからない今川理衣沙からちょっかいを掛けられるも「「自習ダサイ」とか言ってるのに付き合ってたらさすがに受かんないよ」とメンタルの強いところを見せる。「いつの間にかすっかり受験生」
    母:織江(41)
    学園祭で訪れた鈴蘭女子学園で詳しい話を聞き、子供のほうを見て同校への併願を考え始める。

    〇大内礼央 AからR落ち、渋谷模試46、帝都圏模試52 法陽大附属(渋谷56、帝都64)
     志望校に対する本人の明確な希望がいまだ見えない。
     山本佳苗、浅井紫と距離ができた今川理衣沙にすり寄られ、口論していたところを橘先生に見られて6年生の自習室を出入り禁止に。今川理衣沙に迷惑をかけられたうえ、自分の言い分を全く効かない橘先生や母に不信感を覚え、「小学生女子は人間関係のトラブルで簡単に成績が落ちる。特に計算問題。」の典型例に。
     母:成美(42) 橘先生に不信感を覚えるも、「女子のごたごたに気を取られているからRクラスに落ちたんじゃないの?」とデリカシーのない声掛けで礼央を傷つける。

    〇福島圭 AからR落ち 渋谷模試46、帝都模試52
     母:友美(39) 残り時間に焦り、圭に伝えているのにバトルにしかならない。塾の面談で泣き崩れる。

    〇明智? 7巻座席表にて登場
    〇渡辺? 7巻座席表にて登場

    座席表
    大内礼央 福島圭  山本佳苗
    浅井紫  武田勇人 伊東章太郎
    明智?  渡辺?  今川理衣沙



    【Aクラス13→11名】
    〇伊達智弘 渋谷偏差値50、帝都圏模試57 米田実業(早稲田実業) 渋谷偏差値64
     「米実行って野球やる」
     面談にて「ホントに米実行きたいならテラ本気出せって」言われたらしい
     米実を回避して他の野球の強豪校へ向かうか
    母:乃里香(38)

    〇加藤匠 Rクラス→Aクラス 渋谷模試55 東央(渋谷60)、千駄ヶ谷学園(渋谷55)、園学園(49)、光栄学園(44)
     鉄っちゃん。目標を見つけ、気分一新して取り組む。RよりA入り。ジャイアントキリング候補。
     母:涼香(41)
     褒める、労うなどで受験をバックアップ。

    〇三浦佑星 Rクラス→Aクラス 渋谷大崎43 園学院大中学(50)、日照大第二中
     サッカー少年。1話でスポットライトが当たる。受験勉強を始めたばかりで偏差値40はすごいらしい。志望校が固まっており、Ωクラス選抜テストは受験しなかった。
    園学院の文化祭でモチベーションが上がった様子。
     父:少年サッカーコーチ
     母:一葉(47)

    〇大友真千音 渋谷模試50 志望校:父:ミッション系の女子高(香梅女学校、成明学園)、本人共学志望
     「いつもの夏休みよろしく旅行の計画を立てている」
    去年同程度の偏差値から実際に成明に逆転合格した生徒の過激な自宅学習メニューを示して、婉曲に軌道修正を示唆する
     父:秀樹(47)

    〇田中利休 渋谷偏差値55 2/1午前は本人第一志望の柴又(60)、午後確実な併願校(青翔)、中盤から後半に父希望の有栖川学園(62)で説得される
     父:利一(43)、IT企業勤務
     母:多香子(42)

    〇原秀道 渋谷模試54 明知大附属明知(61)、中庸大附属、法陽大附属、成?大附属
    指示待ち、素直、本人の明確な希望が見えない
    海外大学推薦制度利用?
     父:大和(49)
     母:さとね(49)

    〇三好? 7巻座席表にて登場
    〇丹羽? 7巻座席表にて登場
    〇根津? 7巻座席表にて登場
    〇真田? 7巻座席表にて登場
    〇北条? 7巻座席表にて登場

    座席表
    原秀道  加藤匠  田中利休
    伊達智弘 三好?  三浦佑星
    丹羽?  根津?  大友真千音
         真田?  北条?



    【Ωクラス(最上位クラス)9→11名】
    〇島津順 渋谷模試64、フェニ模試55 開成(渋谷71、フェニ66)
     吉祥寺桜花トップ。日本史ヲタ。
     父は公立校から難関大の「父能研」で教育虐待、DV気味。父の無理な指導で9月模試の偏差値が△3ポイント
     父のDVに自宅を飛び出し、桜花に向かう。
     母は「受験、やめます」。
     一方の順は、開成の過去問が解けなかったことに「超イラった」と黒木に解法のヒントを求める。
    母:優子 薬剤師資格持ち、専業主婦
    母の姉:明子 薬剤師資格持ち、独身?



    〇前田花恋 渋谷模試68、フェニックスオープン模試58 桜蔭(渋谷70、新新海浜、宵の星)
     負けず嫌いでトラブルも。直江樹里と仲良し。「落ちこぼれのレベルに合わせるのなんか学校だけで十分だよ」
     母:麗子(46)おそらく医師、受験を揶揄する同小のママを「ガチの天然」で鎧袖一触

    〇直江樹里 偏差値60 59 女子学園70
     両親美容師でファッション大好き、制服のない学校志望、前田花恋と仲良し、外向的で柴田まるみに積極的に声を掛ける。
     Ωクラスの席が隣同士になったのをきっかけにまるみと仲良くなり、家に招いて一緒に勉強する。
     実は柴田まるみの几帳面さ、真面目さを尊敬している。
     父:翔太(35)美容師
     母:杏里(36)美容師

    〇上杉海斗 渋谷模試55、フェニックス模試46
     フェニックスS1(最上位クラス)に一卵性双生児の弟陸斗が在籍。本人はフェニックスA(最下位)だったが桜花ゼミナールへ転塾。島津順とトラブルになるが、関係修復。黒木に「いずれ島津さんと机を並べるようになる」と耳打ちされた、ジャイアントキリング候補。
    夏期合宿よりΩ入り。
    父:東央大附属出身。生物部。
    母:麻沙子(46)
    弟:陸斗 フェニックスS1クラス所属、S1名物「神7」の一角、9月フェニックスオープン偏差値66.6 志望校麻布

    〇柴田まるみ 偏差値50 50、+4.3→54.5 女子学院(女子学園)70
     不登校で「偏差値を物差しとしない」学校志望から、先輩から校風を聞きJG(女子学園)に心惹かれるようになる。ジャイアントキリング候補。
    夏期講習からΩ入り。直江樹里と仲良くなりつつある。
     天才肌の直江樹里に劣等感を覚えるも、心の底をさらけ出して見せた樹里の「伸びしろしかないじゃん」「そっくりそのまま返すよ」に感銘。気持ちを改めてJGを目指す。
     母:美佐子(39)
     樹里に対する劣等感やJGのハードルの高さに押しつぶされそうになっているまるみを見かねて、JG志望からの撤退とAクラスへの降格を希望して黒木と面談するも、ガス抜きされて引き下がる。

    ○藤原昴
    ○本多華鈴
    ○馬場亜蘭
    ○毛利光 渋谷偏差値62 志望校OK普通部(64)
    一族全てOK幼稚舎出身の中、本人は小学校受験失敗、リベンジのためOK附属3校を併願
     母:秀美(38)



    ○黒田翼
    〇村上一真

    座席表
    村上一真 前田花恋  島津順
    黒田翼  藤原昴   本田華鈴
    毛利光  柴田まるみ 直江樹里
         上杉海斗  馬場亜蘭


    不明(A/Rクラス)
    〇(苗字不明)歩夢 S川女子(品川女子学園・57)

    お茶の水校
    ○織田未来 渋谷偏差値74 年間平均偏差値72、算数オリンピック出場

    【講師】
    〇白柳徳道(60)
     桜花ゼミナール社長。おそらく黒木とは個人的な知り合いで、彼のやっていること、やろうとしていることを承知している。
    〇黒木蔵人
     桜花ゼミナール吉祥寺校校長。元フェニックストップ講師。サッカー経験者で中途挫折したか?露悪的に振舞うものの、いろいろありそう。
    〇佐倉麻衣(算数)
     GMARCH卒。桜花ゼミナール新人講師。空手有段者。空手を指導した子供を「勝たせてあげられなかった」経験あり。
    山梨に祖母。小学校の先生だった祖母に、学校の先生になったと話している
    いとこ修治
    いとこの子拳太、翔太 まだバンボ


    〇桂先生
     1巻からレギュラー。佐倉の相談相手。よく中学受験事情を佐倉に(そして読者に)解説してくれる。将来の夢「社長」。
    〇橘勇作先生(算数・理科)(32)
     1巻からレギュラー。「ただ野球やってた」。子供好き。黒木のやり方に反感を持つ。小6女子の表裏のある人間関係に無頓着で、大内礼央や山本佳苗から敬遠される。
    〇木村大志先生(社会)(27)
     1巻からレギュラー。だけど出番らしい出番はなく、ほぼモブ扱い。こち亀読んで警察官になりたかった。
    〇朽木伸明先生(算数・理科)(42)
    〇平松(旧姓森)あおい先生(国語)(32) 新婚。
    〇平松創(はじめ)先生(社会)33歳 新婚。
    〇梅原拓(たく)先生(国語)(39)
    〇桐谷尚也(なおや)先生(理科)(29)
    〇栗田頼子先生(算数)(46)

    〇碧川皐月(22) 新人講師。桜花ゼミナール社長の白柳と懇意である様子。「一応」東大卒。
    〇柿原肇(39)自由が丘校社会講師。
    〇木原直人(31)池袋校国語講師。
    〇小松崎賢人(29)立川校理科講師。
    〇木根育江(40)成城校算数講師。

    ○林原安寿(29)社長秘書

    ○牧野 桜花札幌校校長
    ○桧木 桜花系列虎勝セミナー校長

    ○木田 個別指導塾ノビール(桜花ゼミナール系列)教室長

    〇灰谷純 イケメンフェニックス講師

    〇アキラ フェニックス時代の黒木が「潰した」生徒

    【歓楽街の人々】
    〇ショーマ 黒木先生と一緒に何かをやっている人。
    〇せいら 歓楽街で働く女性。マイムのママ。ヒモ?である「京ちゃん」の手から離れて未来を模索する。
    〇京ちゃん せいらのかつての男。黒木を間男と罵り殴り掛かるが、佐倉に追い払われる。
    〇ガイア 小学生くらい?歓楽街で働く女性の子供。百ます計算のドリルを手にしている。
    〇 ティアラ ツインテールに女子高の制服を纏った歓楽街で働く女性。
    続きを読む

    投稿日:2021.08.26

  • dai-4

    dai-4

    親の方こそ、大変なことになってしまうっていうの、何となく分かる気がする。自分も中学受験をしたクチなんだけど、望んでやったことだったし、田舎ののんびりした雰囲気の中、殆どストレスも感じなかったしで、ここで書かれているようなイメージは、正直全くぴんとこない。どちらかというと、むしろ大学受験の経験に近い感じ。でもそれ、小学生が経験しないといかんかね?ってのが実感。あと、時代が違うから、とも言い切れなくて、自分の頃でも、灘志望生が本作みたく頑張っているのを、テレビ越しに見ていた記憶はある。続きを読む

    投稿日:2021.03.15

  • taka_2

    taka_2

    中学受験の暗部を描いた回。前巻の終わりに家庭崩壊の予感はありましたが、そこからさらに超展開が待っているとは、、、
    塾講師は家庭に介入すべきでないのかどうか、中学受験で合格した後にある過酷な現実、中学受験がきっかけで家庭崩壊する話(もともと壊れてるのが、中学受験がきっかけで明るみに出るだけという説も)とか、とにかく重いことばかりです。
    受験まであと3ヶ月というところ、ここからどうなるか楽しみです。
    続きを読む

    投稿日:2020.08.08

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