どこから行っても遠い町(新潮文庫)

川上弘美 / 新潮文庫
(138件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
20
50
46
5
2

ブクログレビュー

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  • りっか

    りっか

    どこにでもある、なんてことない町の風景。それを織りなす人々の、ひとつひとつの人生に歴史があり物語がある。その価値というものは持ち主にしかわかりえないけれど、人生は必ずしもその持ち主だけのものではない。そんなことを客観的に垣間見せてくれるような短編集だった。さして特別な事件は起きないけれど、何気ない言動が波紋のように静かに広がり周囲に影響を与えていく様がリアルだった。続きを読む

    投稿日:2021.02.22

  • チンガランカ

    チンガランカ

    このレビューはネタバレを含みます

    ある商店街の魚屋、そこに少し関わる人たちと、更にその人たちにちょびっと関わる人たちのそれぞれの物語11編。
    こういう、ある場所でのさまざまな人のあれこれ的な連作短編が好きだ。
    電車で長距離移動すると、見える家々のほぼすべてに人が暮らし、それぞれにそれぞれの時間があることに、うわーって気持ちになるけど、それの規模小さく高解像度で見ている感じ。

    商店街で少しだけ関係している人たちにも、当たり前だけどそれぞれに色々なことがあり、他の人が思いもよらないことを経験し、自分が1度も気にしたこともないことを考えながら生きている。
    それらを俯瞰的にみることは、通常ない。それぞれ色々なことは事実としてわかっているし、幾つかのエピソードを知っていても、そのときの心情とか細かいところまで考えが及ばない。
    しかし、事実として、すべての人にそれぞれ違う色々があり、考えていることはわからない。

    川上弘美さんの小説の多くで感じることだけど、この人の本に出てくる人(人以外も)の言葉にドキっとさせられることが多い。
    日常の中ではすぐ消えてしまう、そう思ったり感じたことすら忘れてしまうふわふわと曖昧な気分を言葉にしてくれる。
    そういう言葉に触れるたびに、言葉にならなかった感触に言葉を与えられた気持ちよさを感じる反面、自分も感じていたそういう感覚を忘れてしまっていて、そのちょっとしたひっかかりとか気づきについて考えたり言葉にしたりすることをやめていることに気づかされ、さぼっているのがばれたみたいな気持ちにもなる。

    毎日同じようなことをして、同じようなことを考えているようで、実は微妙にちがうことを感じたり思ったりしている。毎日同じ、とすることで楽になる部分もあるのだろうけど、毎日微妙に違ったり、言葉で分けられない感情や感触を実は毎日味わっている、というか、分けられないその場かぎり、しか実はない。
    雑に言葉を当てることで、毎日が同じになってしまう。
    そんなようなことを思ったり。

    あと、女性の名前がなんだか味わい深い。
    佐羽 時江 あけみ 衿子(えりこ) 央子(なかこ)など。

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    投稿日:2021.01.10

  • hoshisato3

    hoshisato3

    東京のとある小さな町に住む人々の日常が11人の視点から語られる短編連作。語られる人が語り手になったり、複数の話の中に登場してくる人がいたり、普通の人々の人生が浮き彫りになってくるようで面白かった。しかし平凡とは何だろう?良い事ばかりではなく悲しいこともあったけれど、不幸ではなかった、そんな人生。たとえ死んでも、誰かの記憶の中に残っていてたまに思い返されるゆえに存在する、そんな人生。切なさと暖かさが混在してしんみりじわり…となりました。続きを読む

    投稿日:2020.11.24

  • hito-koto

    hito-koto

    川上弘美 著「どこから行っても遠い町」、2011.9発行。連作短編11話。登場人物が多くて、連作かどうかわからなくなりそうでしたw。メモ取りながら読んだのですが(^-^) テーマは難しかったです。私は、「人は二度死ぬ」がテーマかなと思いました。死んでも、自分を知ってる人、自分を想う人が生きてる限り、自分はまだ生きていると。続きを読む

    投稿日:2020.11.13

  • アマネ

    アマネ

    連作短編集とのことで一つの街を舞台に別の視点から語られる11の物語。とても良かった、なんだろうこの哀愁とも似る様で似つかない感覚は。5年前に読んでも響かなかっただろうなあ

    投稿日:2020.10.04

  • もち

    もち

    どこから行っても遠い、決して近づけない、人と人との絶妙な距離感を、一つの町における人間模様をベースにして描いている。
    はじめから終わりまで読んでまたはじめから読みたくなる、解説にあったこの言葉がまさにこの本の、この町をぐるぐるとめぐる味わい深さを表しているように思う。続きを読む

    投稿日:2020.08.26

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