ティファニーで朝食を(新潮文庫)

トルーマン・カポーティ, 村上春樹 / 新潮文庫
(269件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
64
89
72
6
2

ブクログレビュー

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  • みるく

    みるく

     ホリーが、自分にとってのティファニーを、心のオアシスを求め続けている姿が物悲しかった。「ティファニーで朝食を」以外の短編でも、オアシスの渇望、叶えられない希望、諦め、それらがとても印象的だった。
     幸せや心の拠り所を探して生き続けるけど、求めてるものはなかなか見つからない。手に入っても、満たされるかは分からないし、いつまで続くか分からない。それでも生き続ける人間の物悲しさが、生き生きと明るく、でもどこか寂しく表現されていて素敵な世界観だったな。
     自分の居場所を見つけたホリーの猫、ホリーの幸せを願う僕。ラストの描写は心に迫るものがあるけれど、どこか寂しい。

     感覚的で鋭利なタイプの本とは逆で、一つ一つが与える効果を考えて構成された本な気がした。だから、心にまざまざとした印象や、傷跡を残していくタイプの本ではなかった。直接的な描写が積み重ねられているけれど、どこかふわふわしていて、柔らかに何かを心に残していってくれた。個人的にずっと冷血が気になっているけど、彼の他の作品とはタイプが違うだろうから、冷血を読む前にこの本を読めてよかったと思う。これ以前の本も機会があれば読んでみたい。

     あとがきの村上春樹の言葉には納得する部分が多々あって、彼の洞察力や表現力は流石だなと思った。カポーティにしか表現できない美しくも悲しい世界観、イノセンスの表現、彼と執筆についてなど。

     「ティファニーで朝食を」はとても映画向きな小説だと思うからこそ、小説の世界観が全面に出ている映画が創られたら観てみたいなと思う。
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    投稿日:2020.08.24

  • 湊川晴斗

    湊川晴斗

    ホリーという女性は自分に正直に生きているんですね。好き勝手、自由気ままにも見えるけど、自分が求めるものは分かっているように思いました。浮ついているようでも実は地に足がついてるといいますか。でも安住はできないかなぁ。見つけたと思っても、しばらくするとまた捜しに出てしまうように思います。
    「~男たちとセックスをして、金を搾り取っておいて、それでいて相手のことを好きにならないなんて、少なくとも好きだと思おうともしないなんて、道に外れた話だってことよ……」
    この言葉、彼女自身を表すのにぴったりじゃないかなぁ。
    後の三編も表題作に劣らず主要人物は立ってるのですが、短かすぎて掘り下げるところまでいってないように思いました。
    四編とも印象に残るし、人には一読をすすめると思います。でも自分が再読するかと言われたらたぶんしない。僕にはそういう本です。
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    投稿日:2020.08.16

  • すがたにかたち

    すがたにかたち

    人物描写はめちゃくちゃ良いと思う。けど村上春樹が絶賛するほどの良さは感じられなかった。翻訳小説が苦手なのかも。出来ればまたもう一度読んでみたい。

    投稿日:2020.08.14

  • ナサ

    ナサ

    ホリーがとても魅力的で、またティファニーの描かれ方も好きではあったけど全体の内容としてはそこまで惹きつけられなかった。表題以外の3つの短編の方が間延びせず読みやすくて面白かった。

    投稿日:2020.08.05

  • でんでん

    でんでん

    最初読み進めているうちに思ったのは、いつティファニーで朝食を食べるのだろうかということだった。
    ホリーは人生のアカを落とすための方法としてティファニーに行って美しいアクセサリーを眺めるということを挙げた。誰にでも突然不安になることはあるだろうが、それを解消する方法は人それぞれなのだということを改めて確認した。
    読み始めた時には、本書の映画が存在する事を知らなかった。本を読む際には主要な登場人物を親しみのある俳優、女優に当てはめて読み進めていくのだが、ホリーを特定の女優に当てはめるのは難題だった。結局、長い髪が虹のように輝いていてセクシーで美しい女性という抽象的なイメージで読み進めていった。しかし、40ページくらいまで読んだところで、本書の映画にてオードリーヘプバーンがホリーを演じていると知ってからは、気づかぬうちにホリーをヘプバーンに当てはめて読んでいた。その結果、それまで想像していたホリーの妖艶な色気はヘプバーンの持つ可愛らしい色気へと変換された。読んでいて違和感があったが、逆にそれがホリーの特異さを際立たせ、ホリーの行動に目が離せなくなっていたと思う。映画は大ヒットしたらしいが、そういう浮世離れを感じさせる違和感も大ヒットの一因なのではないかと思った。
    結局、最後までティファニーで朝食を食べるシーンがなくて残念だった。本書の題名は、現在所在不明のホリーが「ティファニーで朝食を食べるような、優雅で、常識外れで、また、ホリーにとって幸せなことをしていて欲しい」というフレッドの想いを表したものなのではないかと思った。
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    投稿日:2020.07.18

  • bestbook1

    bestbook1

    他の短編小説も読んで、どれも心に残るお話であった。
    どのお話も想像が広がる。そんなお話であった。2020.7.17

    投稿日:2020.07.17

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