【感想】失われた世界

アーサー・コナン・ドイル, 中原尚哉 / 創元SF文庫
(11件のレビュー)

総合評価:

平均 4.5
7
1
2
0
0
  • 巨匠の作品

    コナン・ドイル氏の物語は、シャーロック・ホームズ物しか読んでなかったのだが、冒険物もこんなに生き生きとして作っていたとは、素晴らしくて楽しくてワクワクして、一気に読んでしまいました。
    シャーロック・ホームズ物より明るい感じがしますが、しっかりコナン・ドイル節はあって楽しかったです。
    あらすじは読んでのお楽しみで。
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    投稿日:2023.05.08

ブクログレビュー

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  • Mar

    Mar

    シャーロック・ホームズの著作で有名な著者の「ロスト・ワールド」もの。冒険に至るまでに全体の1/3もページ数を割いており、はじめは少し焦ったく感じます。その分、冒険に参加する四人の性格が丁寧に書かれているので、物語が進むほどにキャラの発言や行動が際立っていき、気が付けば夢中になって読んでいました。

    内容としては、恐竜以外の展開が多かった気がするので、もう少し恐竜の話しが充実していたらなという思いは残りました。しかし、恐竜の生息域にいた猿人の存在とその終局を思う時、現代にホモ属がホモ・サピエンスしか残っていない理由を垣間見た気がして興味深かったです。

    ところで、意外に思ったのが「地図上に大きな空白地帯が皆無の現代において冒険譚が、生まれる余地はないのだよ」という語り手の新聞記者の上司の言葉。この作品が発表された1912年当時、すでにこのような認識が持たれていたことに驚きを感じました。

    ちなみに、この作品の40年前に、ジュール・ヴェルヌが『八十日間世界一周』を発表しています。少なくとも、明治維新の頃には自由に世界を行き来できていたので、本作発表当時の人々にとって「人跡未踏の地など無い」という考え方が一般的だったのでしょう。そういう考えを伏線として利用してこの冒険譚が書かれており、最後にはきちんと回収されているのがいいですね。
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    投稿日:2024.01.01

  • ユキエ

    ユキエ

    このレビューはネタバレを含みます

    小学生の時読んで夢中になりすぎて運動会に遅刻した作品。タイトルと作者を忘れてしまい、
    「恐竜の世界に迷い込む」
    「葡萄のようなダニに刺される描写」
    これらたった二つの手掛かりを示してブクログの質問コーナーで問い合わせ。
    返信に示されてた「コナンドイルのロストワールド」
    メジャーすぎて疑心暗鬼のまま、手に取りました。

    冒頭はマーロン青年が愛しのクラヴィス嬢に言い寄る場面。
    記憶には無い展開。
    え?こんな??と訝しみながらも読み進めると、
    血を吸ったダニの描写はそのまま!
    登場人物のキャラクターは生き生きしてきて、途中笑える場面も。
    後半は相変わらず吸い込まれ、一気読みしました。

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    投稿日:2022.11.02

  • らいら

    らいら

    南米大陸に実は恐竜が生息していた、というロストワールド的なお話。
    昔の時代の装備で、ロストワールドまでたどり着き、そこを探検する様が、時代を感じると共に、楽しく読める作品。

    ただ正直、今読むと、すげーという程ではない。が、時代を考えると、SF作品の走りとして凄かったんだろうなぁという印象。続きを読む

    投稿日:2022.09.09

  • Halu

    Halu

    このレビューはネタバレを含みます

    小学生の頃に子ども向けの作品は読んだことがあったものの、どんな話だったのかを忘れていたのと『新訳版』だったために購入。
    作品が書かれた当時、種として認定された恐竜は少なかったためか、登場する恐竜は少なめ(イグアノドン、ステゴサウルス、謎の肉食恐竜)で、のろまなトカゲであると書かれているのが、当時の認識であることが分かり、面白い。
    (イグアノドンに至っては家畜扱いもされていた。)
    物語は読んでいて子ども心を思い起こさせるワクワクするものであった。
    SF小説の始まりとも言える作品であり、これからもたくさんの人を魅了し続ける作品にもなると感じた。

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    投稿日:2022.06.18

  • ただ

    ただ

    8、9ページのような遊び心を見るだけで、いやが上にも期待は高まる。個人的には、どうでもいいように思われる部分(失礼)に力を入れることで臨場感を高め、「さあ、思う存分、楽しんでくれよ!」と言われている気分だ。

    ちなみに、「チャレンジャー教授」が調査隊を率いてと、あらすじには書いてあるが、実際のところは、正気の沙汰ではないと、「サマリー教授」に疑われたチャレンジャー教授が、一緒に行って証明してやるとばかりに、他2名を証人代わりに加えたというだけのことであり、一名は頼れる冒険家、「ジョン・ロクストン卿」、もう一名は、すでにチャレンジャー教授と拳で語り済みの新聞記者、「エドワード・D・マローン」で、ついでに書くと、マローンの動機は女である。

    また、チャレンジャー教授の性格が、傍若無人、傲岸不遜、厚顔無恥、更に暴力的と、手に負えない個性の持ち主で、並の人間では到底太刀打ちできず、彼と一緒に長い間、同行することができた他の3人は、ある意味、調査隊のメンバーとしては、うってつけだったのだろう。

    そう、実際に彼らの冒険はすごかったのだ。1912年の作品とか関係なく、読んでいてワクワクしたし、「ストランド・マガジン」の挿絵に浪漫を感じられた。何かこういうタッチの絵は、幼い頃読んだ海外ファンタジーものを思い出して、懐かしさもこみ上げてくる。

    「シャーロック・ホームズ」でお馴染みの、「アーサー・コナン・ドイル」が書いたSF冒険ものは、チャレンジャー教授という、ホームズと相反するように見えて、実は頭脳明晰(最後の置き土産はある意味、彼の性格をよく表している)、かつ、行動派でマイペース、ごくたまに情を見せる、等々、共通点もある、印象的な主人公に、物語全体に漂う上品なユーモアが加わることで、ジャンルは違えど、ドイルの変わらぬ人となりを感じることができたのが、私にとっての収穫でした。

    ただ、ユーモア度に関しては、こちらの方が上だと思う。共感できる男のしょうもなさと哀愁感がたまらなくて・・エンディングは絶品だったねって、えっ、これって続編あるんだ。
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    投稿日:2021.12.02

  • 香具師山啖呵堂

    香具師山啖呵堂

    南米大陸に周囲の環境から隔絶された秘境が存在していた!それは文字通り正真正銘の“陸の孤島”だったのである!そしてそこには絶滅したはずの前世紀の恐竜が生息していたんだよ!な……、なんだってえ~~~!探検隊を組織して調査に向かうチャレンジャー教授一行!その前途に待ち受ける数々の試練!人類と類人猿の間をつなぐミッシングリンクの猿人がせめてきたぞ~っ!おおっとサマリー教授ピーンチ!猿人と長年に渡って抗争を繰り広げてきたインディオ達はついに最終決戦を決意するのだった!!天下分け目の関ケ原!チャレンジャー一行はこの最終戦争に否応なく巻き込まれていくのであった!果たして探検隊員は生きて帰ってくることができるのか!?

    20世紀少年少女SFクラブ
     S・ホームズの良きライバルであるかの教授が大活躍!『失われた世界』
      https://sfklubo.net/the_lost_world/

    編集後記&参照リンク集&コメントコーナーなど
      https://sfkid.seesaa.net/article/482093349.html
    続きを読む

    投稿日:2021.06.21

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