【感想】ポイズンドーター・ホーリーマザー

湊かなえ / 光文社文庫
(264件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
37
117
76
15
0

ブクログレビュー

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  • ぴこ

    ぴこ

    湊かなえさんが、得意?とする毒親シリーズの最高峰。
    こんな親が世の中たくさんいるんだと思うとゾッとするし、読み終えた後のなんとも言えない虚しさというか、モヤモヤ感に襲われる。それが湊かなえ作品の特徴とも言える。続きを読む

    投稿日:2024.04.09

  • N

    このレビューはネタバレを含みます

     マイディアレスト
    刑事さんと話をしている回想の話。母親には妹と明らかに違う育て方をされた。唯一のともだち、猫のスカーレット。刑事には事件があった時間、スカーレットの蚤取りをしていたと話した。妹とは仲が良くはなかったし、母親が好きではないのも、幼少のころからなのだと思う。

     ベストフレンド
    脚本家を目指す涼香。授賞式にいた涼香を負かした相手は田舎から出てきたピンクスーツのダサい女。プロットの書き方も知らず、のこのことやってきた。映像化されたドラマも酷い。でも最後に涼香のブログにあるように、そんな人がいなくちゃ頑張れない。ライバルがいなきゃ。負かしたい相手がいなきゃ。

     罪深き女
    アパートに二人暮らしの幸奈。そこに正幸くん親子が引っ越してきた。いちご坊や。お互い親に問題があり、幸奈は正幸くんを弟のように思っていた。こどもにとっては親が全てなのに、親に縛られてる。まともな判断なんてできるわけがない。火事はタバコの不始末が原因なのか。

     優しい人
    親から他人に優しくすることを強制されていた。別に好きではないし、嫌いでもない。ただ優しくする。ティッシュを貸す、ブログの手伝いをする、それだけ。なのに相手はいつも勘違いをする。だから殺した。

     ポイズンドーター
    女優の弓香。幼い頃から親に縛られて育った。女優になったあとも、キスシーンでも出てくれば親から電話がかかってくる。満足に活動できない。親友からの同窓会の誘いも親に会いたくない一心で断った。「人生オセロ」の出演依頼。テーマは「毒親」。果たして出るべきなのか。

     ホーリーマザー
     親友の理穂にどうしても会いたいと弓香がたのむ。一度は断ったが、明らかに様子がおかしく、結局会うことにした。そこで理穂は弓香に突きつけた。佳香さんは毒親なんかじゃない。あんたが毒娘なんだ。


     六作中五作が親と娘についての話。親が悪いのか、娘、こどもが悪いのか。毒親か毒娘か。
     

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    投稿日:2024.04.03

  • sami0518

    sami0518

    同じ事柄も視点が変わると全く違って思える。
    友達、母と娘。
    人間なんて主観で生きてるもんなー。

    自分が母になった今は、娘の気持ちだけじゃなく母の気持ちもわかるし、どっちかというと母に感情移入してしまう場面も多くて。

    娘と共依存みたいになってしまうのは違うと思うし、管理や支配するのも違うと思う。
    でも放任すればいいってわけでもなく。

    さじ加減が本当に難しいよなーと。

    息子とだったらこうはならないのか。
    同性だからこうなってしまうのか。

    永遠の課題な気がするな。

    湊先生は本当にこういうの書くのが絶妙に上手いと思う。
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    投稿日:2024.03.17

  • こうだい

    こうだい

    母と娘の話を中心に描いた短編集。
    後半の『ポイズンドーター』と『ホーリーマザー』は、最初は毒親に苦しめられる娘の話として描かれているが、次の話でその裏側を知れる仕組みとなっており、親子関係のあり方について考えさせられた。続きを読む

    投稿日:2024.03.13

  • pekori-ta

    pekori-ta

    このレビューはネタバレを含みます

    どの話も容赦なく痛い話だった。
    女性ならどこかひとつは投影してしまう部分があるのではないか。
    最初のマイディアリストからスタートでどんと気分を落とされ。主人公に共感してしまう私は危ないのかな…
    仕事をしていなくて実家にお世話になってるから負目を感じるし自己肯定感も低くなってる時に、
    妹のあのバカにしたイヤな感じ、母親と妹が自分のことを影で噂してるのを目撃した時の気持ち、入ってほしくない領域にズカズカ入り込んでくる感じ、もうほんと湊かなえ上手いなぁと。
    優しい人もみにつまされる。ポインズントーターは主人公に感情移入して一気に読んだ。そこからのホーリーマザーで色々考えさせられたけど。
    私はドーター側しかしらないが弓香が気の毒だと思った。
    極論のマリアの例を出されたら何も言えない。
    マリアの母親は毒親というか人として最低。毒親以前の問題。やっかいなのは、愛情を免罪符に子供を支配すること。弓香の母親は言葉が足りなかったのもあるが、なんでも一方的すぎる。母親のがっかりした顔を見たくなくて今まで言う通りにしてきた弓香にとってやっぱり母親と縁を切ることはできない。どこかでわかって欲しいっていう気持ちがあったと思う。
    友人も正義を振り翳してるように思う。彼女は客観的に母親と自分の関係に気づいて自分で今の状況を選んでるが、それはそれ。弓香とは状況も違う。
    親になるのが怖くなるような本でした。

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    投稿日:2024.03.09

  • もりもりサラダ

    もりもりサラダ

    このレビューはネタバレを含みます

    良かれと思った事も子供にはこんな風に伝わるんだなぁと重い気持ちになった。綺麗ごとだけど、子供が親にされた事をネガティブに受け取ってしまうのは仕方ないかなと。幼い時の記憶なんてそんなものでは。
    一方的な意見を鵜呑みにしないのが大事だなと思う話だった。
    サクッと嫌な気持ちが味わえて良かったです。さすが湊かなえさんです。

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    投稿日:2024.03.06

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