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渡部淳 / 岩波新書 (16件のレビュー)
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アクティブ・ラーニングとは何か 著:渡部 淳 岩波新書 1823 欧米の影響で、文部省は、黒板とチョークの一方的な授業から、ロールプレーイングやディベートを含めた双方の授業へ、「アクティブ・ラーニン…グ」へと学び方改革を進めていく方法を述べています。 知識注入型授業の比重が高いのは、東アジアの特徴である。 日本をはじめ、韓国、中国、ベトナム、シンガポールなどの国々に見られる傾向である 欧米では、個性尊重、経験主義、自学主義が生まれ、大正時代の日本にも影響があった。 戦後、まもなく、文部省は、教育の目標、内容、方法について、全国一律の教育の手引きとして、学習指導要領を作成した。 1947 学習指導要領策定 1977 おちこぼれ対応にて、ゆとり教育導入 1989 新しい学力観 1998 教育内容3割減⇒ゆとり教育本格導入+総合的な学習の時間 2012 中教審 質的転換答申 能動的学修(=アクティブ・ラーニング)への必要性を提言 2016 中教審 主体的・対話的で深い学びをアクティブ・ラーニングとして定義 2018 学びの地図、カリキュラム・マネジメント⇒アクティブ・ラーニングを含めた学習指導要領改訂 本書でいう、アクティブ・ラーニングとは、官製の指導方法の転換なのである。 気になったのは、以下です。 ・なぜ、アクティブ・ラーニングなのか? ⇒21世紀が知識基盤社会であり、新しい知識・情報・技術の重要性が高まっているから ⇒国際的動向に合わせた変革なのである ・コンテンツ(内容)⇒コンピテンシー(資質・能力)へ ・ティーチング(教え)⇒ラーニング(学び)へ やりかたは ①道具を相互作用的にもちいる ②異質な人々からなる集団で相互に関わり合う ③自律的に行動する 一方的授業 ⇒ 参加型授業 試行授業 ①ロールプレイの導入 ②フリーズ・フレームの活用 場面(静止画) ③ホット・シーティング(質問コーナー) ④プレゼンテーション ⑤スカイプ ⑥ディベート 獲得型学習モデル ①リサーチワーク ②ディスカション・ディベート ③ドラマワーク ④プレゼンテーション +⑤ウォーミングアップ 教育プレゼンテーション30の技法 最初の一歩 ①世界一短いスピーチ ②1分間スピーチ ③即興スピーチ ④ショー&テル ⑤なりきりスピーチ ことばモード ⑥準備したスピーチ ⑦半即興スピーチ ⑧暗唱 ⑨朗読 ⑩群読・コール ⑪公開インタビュー ⑫クイズ・ショー ⑬架空シンポジウム ⑭ニュースショー ものモード ⑮ポスター・セッション ⑯フォト・スライド・ショー ⑰PCでのプレゼン ⑱ビデオ作品 ⑲ガイド・ツアー ⑳紙芝居 ㉑人形劇 ㉒ものづくり 身体モード ㉓フリーズ・フレーム ㉔なりきりプレゼンテーション ㉕CM発表 ㉖再現ドラマ ㉗ホット・シーティング ㉘ディベード・ドラマ ㉙ダンス ㉚パフォーマンス ・アクティビティ定着の4つのフェーズ ①個々のアクティビティの働きや効果について教師が十分にしること ②アクティビティを組み合わせて、1時間なり1学期間なりの授業をデザインできること ③実際の授業でアクティビティを効果的に運用できる ④教育内容、教室環境、生徒の状況など諸条件に合わせて、教師がオリジナルなアクティビティを創造すること ・アクティビティ・ラーニングを定着させるためには、教師を支援しつづけなければならない ①物理的な環境の整備 ②教師の多忙化 ・移行ステップ ①現状の把握と分析 ②目標の明確化 ③教師研修プログラム ・自立的学習者 ①プロジェクトの運営に参画する経験 ②チームの活動に何らかの貢献をする経験 ③自分の視野が広がる経験 ④コミュニケーションの大切に気づく経験 ⑤自己の特質に気づく経験 ・自立的学習者 ⇒ 新しい教養人 の育成 が最終目標 目次 はじめに―学び方改革に向けて 第1章 授業改革からアクティブ・ラーニングへ 第2章 アクティブ・ラーニングへの移行 第3章 学びを全身化、共同化するアクティブ・ラーニングの実践 第4章 共有財産としての参加型アクティビティ 第5章 アクティブ・ラーニングが定着する条件 おわりに―異文化接触の最前線で あとがき 引用・参考文献 ISBN:9784004318231 出版社:岩波書店 判型:新書 ページ数:222ページ 定価:880円(本体) 発売日:2020年01月21日 第1刷続きを読む
投稿日:2024.02.09
otabechan
大人の学びについて関心を持って自分で実践しながら思考しているうちに、子供たちの現在の学びの様子にも興味を持ち出して読んでみた1冊。 2022年から高校社会科の教科が大きく変わって、横断的に見る目を養っ…ていくような方向に舵をきられたことや、アクティブラーニングのいろんな手法を組み合わせて使いながら、学習の定着と実践的なスキルを身につける方向性はとても良いと思った!一方で、日本の国家予算の中で教育に占める割合が先進国でも最下位位レベルであることや、現場の花教員が本来の教えるという仕事以外に割かれる時間が膨大であることなど、課題もたくさん。 ビジネスサイド(民間)から何か支援できることを模索したいと感じた。続きを読む
投稿日:2022.03.10
麺とパン
教育分野の者ではないが、アクティブラーニングの背景を知りたくて読んでみた。目的の日本の教育の歴史がわかった。ディベートが教育現場で流行っていたことは知らなかった。
投稿日:2021.01.11
Hi-chan57
文科省がどれだけ本気になってアクティブラーニングに取り組もうとしているのか、さらには教員がどれだけ腹を据えて取り組もうとするのか…。 その大切さや面白さは十二分に伝わってきた。 ただやはり、最終的な大…学入試制度自体が大きく変わらなければ、結局、従来の知識注入中心の形に戻ってしまうのではないかと懸念してしまう…。続きを読む
投稿日:2020.12.15
すいびょう
それぞれの時代の主要な授業スタイルが、その時代を生きる教師や子どもたちだけでなく、社会のあり方にまで影響を及ぼす。 アクティブラーニングの定着は、学習技法の定着とセット。 生徒が心に残るのは、「大変…だったけど面白かった」授業。 総合的な学習の時間…アクティブ・ラーニングの前身。学習者自身が課題を設定し、リサーチワークを行い、その成果を報告書や作品にまとめ上げる学習法 アクティブ・ラーニング…何を学ぶかではなく、どのように学ぶかを重視した学習。これからの時代に求められる資質・能力を身に着け、生涯にわたって能動的に学び続けられる学習。 「これからの時代に求められる資質・能力」は? →生きて働く「知識・技能」 未知の状況にも対応できる「思考力・判断力・表現力」 学びを人生や社会に活かそうとする「学びに向かう力、人間性」 アクティブ・ラーニングが成立するためには、一人ひとりの生徒が個別にその意義を理解しているだけでなく、教室の中に発表・表現することを励ますような雰囲気が醸成されていく必要がある。 一方、教師としては、特定の技法の活用にとどまらず、いろいろな種類のアクティビティを使いこなすことが期待されるようになる。 教育は「目標―内容―方法―評価」が一体となっており、アクティブ・ラーニングによって方法が変われば、必然的に他の要素の改革にもつながっていく。しかし、たった一つの学習技法であっても、定着までにいくつもの条件をクリアする必要がある。 ディベートは、ディベートした「答え」を重視していのではなく、そこに至るリサーチ、効果的なスピーチの仕方、自分で意見を考える自発性といった「物事を相対化する」過程を重視している。 そのため、究極的には、アクティブ・ラーニングの形式をディベートやプレゼンテーションといった型にとらわれる必要はない。大切なのは、劇、ニュースショーといったように、生徒が意欲的に学べる環境と、教師が生徒とともにワクワクできる環境の創出である。 アクティビティの主要なカテゴリ リサーチワーク(すべての根幹) プレゼンテーション、ディスカッション、ディベート、ドラマワーク ポイントは、これらのそれぞれが独立しているわけではなく、相互に絡み合っていることだ。 これに対する教師の立場としては、「演出家」のようなものである。 学びあう場、探求する場を整えたり、生徒に学ぶものとしての自信、誇り、達成感を獲得してもらうことを目的とする。 まずは通常授業に5〜10分のアクティビティを組み合わせたり、一時間のワークショップ型授業をデザインしたりと、軽いとこから始め、リサーチワーク→発表→報告書作りといったプロジェクト型学習に挑戦することも可能だ。 【アクティブ・ラーニング定着への制度づくり】 慢性的な人手不足、教師の自主性や当事者性を最大限に活かす体制づくりが必要だ。 教師が自主性を持てば、学校自体を「学びの専門家集団」としてのコミュニティとして活用することができる。 教師同士の談話のコミュニティから発展し、実践研究のコミュニティにまで昇華できる可能性が生まれる。 【われわれ市民も自立的学習者になるために】 プロジェクトの運用に参画する経験 →マネジメントの知 チームの活動に何らかの貢献をする経験 →自分の出したアイデアが取り入れられる 自分の視野が広がる経験 →探求がもたらす発見 コミュニケーションの大切さに気づく経験 →自分が分かることとそれが人に伝わることのギャップを認識し、表現方法を工夫すること 自己の特性に気づく経験 →自分の現状を自覚するとともに、他者の価値観を認めること また、行政側としては、「生徒が参加や意見表明の機会を忌憚無く持てる学校文化」を育むことが大切。 情報化社会の拡大によって、学校で教えられる知識の陳腐化は、今後ますます早いスピードで進んでいくことになる。だとすれば、学びの場としての学校の機能は、人と人とが行う直接的コミュニケーションであり、「自立的学習者=自立的市民」の育成である。 アクティブ・ラーニングとは何か を読んで ①教室の中に発表・表現することを励ますような雰囲気が醸成されていく必要がある アクティブラーニングとは、何を学ぶかではなく「どのように学ぶか」を重視する学問である。 そのためには、生徒に手法や意義を理解してもらうだけではなく、教室を「自分の意見を言える」環境にする必要がある。 「失敗してもいい」「表現しても笑われない」という雰囲気のもと、生徒が前のめりに授業を行える体制づくりがキモになる。 ②特定の形式にとらわれずに、いろいろな種類のアクティビティを使いこなす必要がある アクティブラーニングの根幹には「リサーチワーク」がある。これは主張の裏付けとなるデータを調べ、それをまとめる作業であり、 あらゆる主体型学習の根底を成すものだ。 そうした主体型学習は、大きく分けて4つの形式がある。ディベート、プレゼンテーション、劇、ディスカッションだ。 ただし、究極的には一つの型にとらわれる必要はない。 なぜならば、アクティブ・ラーニングの目的は、生徒が意欲的に学べる環境と、教師が生徒とともにワクワクできる環境の創出だからだ。 ディベートやプレゼンという「表現方法」を身に着けることを主目的とせず、リサーチ、効果的なスピーチの仕方、自分で意見を考える自発性といった、「物事を相対化する」過程を重視する。 そうした過程の中で、目標―内容―方法―評価のサイクルによる継続的な学習を行うことが、アクティブラーニングの目的地である。 ③教師や市民が、自主性や当事者性を最大限に活かす体制づくりを心掛ける アクティブラーニングを普及させるためには、教師の自主性や当事者性を最大限に活かす体制づくりが必要になる。 教師が自主性を持てば、学校自体を「学びの専門家集団」としてのコミュニティとして活用することができるからだ。 しかし、教師が己の意志だけでやりたい授業を行うことは難しい。学習指導要領、時間割、保護者対応、成績付けといった 様々な業務の中で、創意工夫を生む授業研究の時間を確保することは限られるからだ。 その手助けを、行政が担う。アクティブ・ラーニングの手法の開発と同様に、それが授業に取り入れられる仕組みづくりを進める。 具体的には、生徒が参加や意見表明の機会を忌憚無く持てる学校文化を醸成していくことである。 また、そうした学校の意識の改革のためには、我々市民も役割を担わなければならない。 仕事やプライベートを通じて積極的な学びをし、「自立的学習者」になる必要があるのだ。続きを読む
投稿日:2020.09.22
1402823番目の読書家
身体的技法としてのアクティブ・ラーニングについて書かれている。新学習指導要領の「アクティブ・ラーニングの視点」の話とは少しズレるので注意。 対話的な学びの例として、参考にするくらいなら良いのでは。
投稿日:2020.09.15
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