【感想】エンド・オブ・ライフ

佐々涼子 / 集英社インターナショナル
(180件のレビュー)

総合評価:

平均 4.4
84
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ブクログレビュー

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  • ここ花

    ここ花

    読みながら参考になる箇所にふせんを貼っていたら30程にもなってしまいました。いつか自分が死に至る病になった時に参考にしたいと思います。

    在宅医療での“命の閉じ方”を、著者の笹さんが7年の歳月取材してまとめたものです。

    プロローグは、訪問看護師の森山文則さん(40代)の身体の異変に気付くところから始まります。彼は京都の西賀茂診療所で在宅医療に携わっていて、真夜中でも早朝でも電話したらいつでも患者さんのお宅にすぐに来てくれる頼もしい看護師でした。しかしCT診断の結果、すい臓がんステージⅣであることがわかります。

    この 森山さんのことを主軸に、数人の方々の在宅医療での看取りまでを追いかけていきます。

    時に、思わず嗚咽してしまうほど感動的な死に方の患者さんがいらっしゃったり、激しい痛みを伴いながら苦悶の死に様を迎える患者さんがいらっしゃったり、怯えてページを捲る手が止まってしまうこともありましたが、いつか自分にも、大切な人にもやってくる「死に際」を予行演習 させてくれるような内容に、しっかり胸に刻みつけておきたいと心してページを進めました。

    死期が迫った人の在宅医療という重い内容であるにもかかわらず、スルスルと胸に染み入るような筆致がいいです。

    特に、著者である笹さんのお母様を、献身的に介護したお父様の究極の介護の描写は、神々しいとすら感じました。

    読み終わって強く思ったのは、在宅であれ、病院であれ、病状が悪化して最後を迎える時、激しい痛みに苦しみながら死を迎えるのは辛い、ということです。

    「医師は助からないとわかると興味を失う」ので「苦痛を取り除くことに関心がない」という言葉が心に突き刺さります。

    緩和ケアの専門医、蓮池史画先生の痛みを抑える末期医療、京都の西賀茂診療所のように患者の側に寄り添う訪問医療、これらは朗報として心に深く残りました。

    ※2020年 Yahoo!ニュース/本屋さん大賞 ノンフィクション大賞 受賞

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    投稿日:2024.03.14

  • トリコナ

    トリコナ

    人の死に立ち会うとはどんなに過酷なんだろうと思っていました。病気で余命宣告されている人たちに寄り添うということは辛く自分を擦り減らすことだと思っていました。
    そういった部分も書かれていますが、この本を読んで、亡くなって行く人は遺される人たちの人生に影響を与える、という所が心に残りました。
    亡くなっても関わった人たちにプレゼントをくれることがある。人は亡くなっても生きている人に影響を与え続けているのだな。それなら今生きている自分の生き方を考えなくちゃなと思いました。
    佐々さんを通して私もそんなプレゼントを頂きました。
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    投稿日:2024.03.08

  • mono__qro

    mono__qro

    鋭い悲しみではなく、もっと肌触りの柔らかいお別れ。樹々から自然と実が落ちて離れるようなさよならの方法があるのだと、私は教えられていた。

    投稿日:2024.03.02

  • norita

    norita

    京都の在宅介護で看護師をされていた森山さんの患者に向き合う姿勢、自身ががん患者となったのちの心持ち、どちらにも学びを感じた。人は病気になってはじめて生と死を意識する。どう生きるか、どう死を迎えるか、私も考えながら生活したい。著者のお母さんの介護に真摯に向き合っていたお父さんの献身ぶりにも心揺さぶられるものがあり、その他の実話にも涙した。続きを読む

    投稿日:2024.02.25

  • なな

    なな

    死は遠いもののような気がしているけど、生きているということは死と隣り合わせなんだと気づかせてくれる本。本に出てくるどの人の生き方、死に方も、とても心に残る。人生は長さじゃないなと思う。死生観を揺さぶられる。続きを読む

    投稿日:2024.02.16

  • tokosan

    tokosan

    「人生会議」の必要性は自分自身が「ふつう」ではなくなって初めてわかることなのかもしれないなどと思ったりもする。それもまた、常日頃、自分自身が「ふつうとは?」についてもどう考えているのかが問われる堂々巡りでもあり‥。
    タイトルから連想する結末と訪問医療の現場が舞台ということで、読み始めるまでに少し勇気がいる本だったけど、想像とは全然違った。
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    投稿日:2024.01.21

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