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葉室麟 / 文春文庫 (12件のレビュー)
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honno-遊民
活花の名手と評される大覚寺の少年僧胤舜が、華道の修業を通じて成長していく時代小説。 10篇からなり、それぞれに様々な花が生けられる。 白椿、蝋梅、山桜、山梔、萩、朝顔、酔芙蓉等々。 しかし、請われて活…花を行ったがその人の命を救えず、師の広甫に「生きることに、たんと苦しめ。苦しんだことが心の滋養となって、心の花が咲く。自らの心に花を咲かせずして、ひとの心を打つ花は活けられぬ」と、未熟さを諭され、さらに精進する。 静かに活花の話が続くと思いきや、彼が老中水野忠邦の隠し子であることから、一転不穏な動きが蠢き始める。 史実とフィクションが融合されたこの小説は、著者が京都に居を移したその時期に書かれたとのことで、随所に京の四季折々の風景が挿入され、風雅な小説となっている。続きを読む
投稿日:2023.02.09
kinoko
なんという凛とした物語でしょう。花本来の美しさが目の前に映像として現れるようでした 胤舜だけでなく全ての人に物語があり人生があるのです 表現こそ違えど皆人を思いやる心を持っていることに気付かされました… 胤舜がこれから歳を重ねどんな人の想いをどんな風に生けるのかもっと見てみたいと思った続きを読む
投稿日:2023.02.02
とらはち
読了後、爽やかとかではなく清らかな心持ちになった、という印象を受けた。派手さはないが坦々と訴えられるものがあった。
投稿日:2022.10.10
はいなん
言葉の美しい本でした。僧であり活け花で人の生き方や人生を表す胤舜の感性が伝わるような作品でした。活け花の深さを知る作品と同時にこの時代の人の心のありようが分かるような気がした。また、母である萩野と父で…ある水野忠邦と難しい時代の家族のあり方のように思うと現代はどれほど自由な時代かを感じた。続きを読む
投稿日:2022.08.11
akigasumi
恥ずかしながら葉室麟さんの著作は今作が初めて。 どこかの書評がよかったので読んでみた。 史実とフィクションの裂け目が見えないうまさ。 活け花の奥深さを教えられた感じがした。 もう少し母子関係と父子関係…を踏み込んで描かれていれば親切だったろう。 葉室さんの他の本も読んでみたくなった。続きを読む
投稿日:2022.07.27
1692747番目の読書家
大覚寺花務職の若い僧侶が成長していく様が綺麗。和歌と活花が話を展開する軸になっているので、しっとりとした雰囲気で読み進めやすい。
投稿日:2022.07.26
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