【感想】憲政の本義、その有終の美

吉野作造, 山田博雄 / 光文社古典新訳文庫
(2件のレビュー)

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  • コウ

    コウ

     大正デモクラシーで名をはせた著者が書いた政治理論の本。現代人からすると、議会制民主主義は当たり前の体制として享受しているが、大正時代、藩閥政治が依然として存続しており、民衆の意見があまり反映されていなかった。その状況下で、著者吉野作造は「民本主義」を唱える。民主主義ではなく、あえて民本主義という言葉を用いたのは、周囲からの誤解を招かぬためである。苦労の末に、言語化させた。立憲政治として運営する以上、憲法をないがしろにしないように進めるべき、という理念は今日においても当てはまる。続きを読む

    投稿日:2023.10.26

  • 重度積読症

    重度積読症

     本評論は原文でも読んでいるが、この新訳(現代語訳)では、一文一文を簡潔にしており、また訳者による小見出しが付けられているので、吉野の論旨が明確に理解できるようになっている。
     
     "民本主義"という言葉を用いたことについて、かつては誤魔化しのように思っていたときもあったが、君主主権が明文化されていた大日本帝国憲法下では、無用の批判を避ける作戦だったのかと、今では理解できてきた。大事なことは現憲法下での運用なのだから。

     度々叫ばれるデモクラシーの危機は、その時代時代で異なるものの、デモクラシーの重要性やその拠って立つべき意義を諄々と問いた本編は、何度でも立ち返るべき原点と評価できるだろう。
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    投稿日:2021.05.03

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