短篇小説講義  増補版

筒井康隆 / 岩波新書
(4件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • 瑠璃色

    瑠璃色

    本来小説は何を書いても良い最も自由な形式の文学であったが、近年(これが出版されたのは1990年)短篇小説が「お稽古事」とかし、決まりやルールを守ることが重要視されいる。では決まり事も何もなかったはずの短篇小説が生まれた当時の短編はどうやって生み出されたのか。それを探るため、岩波文庫の短編集を虚心に読み返し、自分の鑑賞眼のみで小説を批評し、その作品が何もルールのないところから生み出されたのか、それとも既存の詩や戯曲の影響を受けていたのかを探る本である。

    それぞれ短編を上げて、テーマや技法について論じるが、テーマはそれを語る作家の数だけあるわけで自然と話は技法に向く。
    紹介された短編で既読なのは「アウルクリーク橋の一事件」のみ。他の本は知らないが、この本を短篇小説の紹介本の視点で読むと、いづれも興味深い作品で読みたいと思わせる。

    短篇小説講義の表題にもっともかなっていたのはエンタメの技法を解説したローソン「爆弾犬」だろう。ギャグの解説はともすれば寒くなりがちだがこの爆弾犬は解説越しでも面白い。

    今回の増補版で追加された筒井康隆自身の手による短編「繁栄の昭和」は、この解説がなければ自分の経験からでは十分に読み取れなかっただろう。戦後数十年の高度経済成長期も、江戸川乱歩に親しんでいたわけでもないからだ。この一篇はたしかに解説に足る新しさと現在的かつ普遍のテーマを扱っていて面白い。解説のおかげで知識不足でも楽しめた。
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    投稿日:2019.12.04

  • kawaakami

    kawaakami

    スラップスティックのところ、すごい面白かった。ということは、増補版以外のところは一回読んでるのかもね。いやしかし文章がいいよね。何様ってコメントですが。

    投稿日:2019.11.30

  • Norio Sasada

    Norio Sasada

     私が中学生のころ、最初に手にした「短編小説」といえば「星新一」さんか「筒井康隆」さんの文庫本でした。その後はお二人の作品はほとんど手に取らなくなってしまいましたが・・・。
     この本も、図書館の新着本のコーナーにあったものです。正直なところ、大宗を占める外国作家の作品を材料にした講義内容はほとんどピンときませんでしたが、最後の筒井さんご本人の作品の解説に至ってようやく少しは頭の回路がつながってきたような気がしました。はるか昔、触れたことのある展開やエンディングだったからかもしれません。続きを読む

    投稿日:2019.11.21

  • okayamania

    okayamania

    インパク知6・3
    かかった時間70分

    筆者が岩波の短編小説集から、小説の本質?である「(当時としての)新しさ」をもつすぐれた作品6本を選んで、そのよさを説明したものプラスアルファ。
    軽い筆致だけど本格的なのは「唯野教授」と同じだし、自覚的に小説作法を用いて、しかも売れるものが書けるというのは説得力があるなあ。いっぽうで、小説をそこまで知的活動として読んでいる人はどれくらいいるんだろう?自分はどちらかといえばもともと内容を楽しむ派で、技巧を意識することはなかったなあ、と思った。続きを読む

    投稿日:2019.10.28

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