【感想】桜の森の満開の下(乙女の本棚)

坂口 安吾, しきみ / 立東舎
(28件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
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7
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ブクログレビュー

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  • 歌菜

    歌菜

    山賊と、妖しく美しい残酷な女の物語。昔読んだ時は「怖い」「気味が悪い」が先に立ってしまったけれど、改めて読むと幻想的なお話だと思った。満開の桜は綺麗だけれど、この物語の影響か、なぜだか死も連想してしまう不思議な存在。イラストも素敵で、物語を彩っていた。続きを読む

    投稿日:2024.03.26

  • ゆうこ

    ゆうこ

    『今昔奈良物語』の『桜の森の満開の下』のパロディー短編を読んだときにわからない部分があったので、今回読んでみました。挿絵とレイアウトのおかげでとても読みやすくなって、文豪作品の敷居がぐっと低くなりました。

    鈴鹿峠にある桜の森の花の下では花の季節になると、旅人は気が変になってしまう。この山に住む山賊は情容赦なく着物をはぎ人の命を絶つが、やはりこの花の下に来ると怖くなってしまうのだ。山賊がいつものように街道で男の着物と一緒に妻をさらう。山賊にはすでに7人の妻がおり、その女は他の妻たちを次々と殺すよう山賊に言う…

    現代では絶対に出版できない内容。とても残酷なのですが、この山賊がそうであるように、この女から目が離せません。冒頭から描かれる花の美しさが、妻の無邪気な残酷さを打ち消しています。

    なんででしょう。なぜだか感動する。文豪おそるべし。
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    投稿日:2024.03.15

  • 白いヤギと黒いヤギ

    白いヤギと黒いヤギ

    再読。
    高校時代に初読した時はちょうど手塚治虫の「火の鳥」を読んだ頃だった。山賊のイメージが『鳳凰編』大和の我王にダブる。

    鈴鹿峠に一人の山賊がいました。桜の季節、花の下では誰もが気が変になるのでした。山賊は街道で八人目の女房にする女を攫います。女が美しすぎたので夫を殺します。家に帰り着くと、女の言うままに七人いた女房たちを次々に殺します。女の言うままに都に住み始めます。女の言うままに殺した男女の首を持ち帰ります。女はその首を使って"首遊び"をするのでした。やがて山賊は都に住むことに飽き飽きして…。

    突然気になって再読したのは、たぶん、「鬼滅の刃」を見ていたからだと思います。桜の咲く季節がやってきました。
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    投稿日:2024.03.09

  • ポプラ並木

    ポプラ並木

    このレビューはネタバレを含みます

    山賊は盗みに入った家の女房の美しさに一目惚れし連れて帰るが、わがままな性格。山賊は女の言いなりで、盗みや人殺しを繰り返す。やがて山賊とその女、ビッコの女は都に移住する。さらに女はエスカレーとし、櫛や着物だけではなく、人間の生首を欲しがるようになる。山賊は女の欲望に辟易し山に帰るが、女も付いてくる。道中、満開の桜の中を通った時に女が老婆の鬼に変わり、女の首を絞めて殺してしまう。そこには鬼ではなく美し女であり、女の顔におちた花びらを払おうとすると女の姿は消え、山賊も消え去った。桜の花は怖い!感想会楽しみ!⑤

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    投稿日:2024.03.05

  • おびのり

    おびのり

    坂口安吾 安吾忌
    久しぶりに読みました、1947「桜の森の満開の下」

    ぞっとする程美しい。
    幻想的でもあり、人智を超えた美しさ。
    美しいが為に 恐ろしさは増す。

    桜の下では、気が狂う。
    鈴鹿峠に住み着いた山賊。
    旅人から 美女を手に入れる。
    その美女を手に入れてから 山賊の生活は 一変する。
    エゴイストが更なるエゴイストに従属していく。
    美女と桜に共通する恐ろしさに気づく。

    何回か読んでますが、これも自分の体調?などで受け取り方が変わるんですよね。
    今回は、しきみさんの美しい絵の数々ですが、
    最も凄まじい女の“人の首の雛人形遊び”を もうちょい挑戦して欲しかったかも。



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    投稿日:2024.02.17

  • mie.

    mie.

    このレビューはネタバレを含みます

    女はいつから男自身だったか。旧い女房を一人殺したときからか、首を集めはじめた頃からか、そんな日々に倦んだ頃からか。あるいは、はじめからか。どんなに残酷であっても自分の内なる鬼を殺してはいけなかったとしたら、どうやって鬼と生きていけばよいか。どうしたら桜の森の満開の下を怯えずに居られるか。

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    投稿日:2024.02.04

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