【感想】世界が赫(あか)に染まる日に

櫛木理宇 / 光文社文庫
(24件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
5
8
9
1
1
  • 歪んだ友情と復讐劇…

    従弟の祥太を凄惨なイジメに
    より、片目を失い昏睡状態に
    陥れられた上、祥太の妹までも
    凌辱された緒方櫂。

    自殺願望のある目立たない
    クラスメート高橋文稀。

    2人の出会いが加害者であ
    長谷部兄弟への壮絶なる
    復讐制裁劇へと発展していく。

    うぅむ、ゾッとする表紙絵に
    つられて読み始めたが、
    なかなか興味深かった。

    長谷部兄弟への制裁前に、
    無関係な罪深き罪人たちに
    予行演習をする場面は、
    経験者は語る的な怖さがあった。

    ハムラビ法典の
    「目には目を歯には歯を」の
    解釈場面には頷けました。

    なかなか心中複雑な内容だった
    が、目が離せなく面白かった。
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    投稿日:2020.03.08

ブクログレビュー

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  • オダサイ

    オダサイ

    このレビューはネタバレを含みます

    復讐譚であり勧善懲悪のお話。
    いたって物語はシンプルで悪い奴を探して、痛めつけるというもの。
    正直ストーリーに捻りはないので途中離脱しかけた。

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    投稿日:2024.03.12

  • r1n

    r1n

    このレビューはネタバレを含みます

    櫂と文稀の二人で行う「罰」
    少年法によって守られた同じ人間とは思えない犯罪を犯した奴らを最終的に行う従兄弟の土橋祥太の復讐の練習台としていく。
    だが昏睡状態だった祥太が覚め、本当に復讐するべきなのか迷っているうちに文稀は一人で中学校に乗り込み復讐を行ったあと自殺を図る。
    しかし、死にきれずどうでもいいと考えていたはずの文稀の親が延命措置を行い、昏睡状態となる。
    そんな文稀を櫂はお見舞いに行き祥太にしてあげていたように体を動かしてあげるのだった。

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    投稿日:2024.01.15

  • LUCKY

    LUCKY

    緒方櫂15才は体格の良い普通の中学生である。幼い頃から仲が良かった従弟の土橋祥太がイジメにより片眼を失い昏睡状態にあることから犯人や学校、そしてマスコミの対応に対して鬱屈した感情を昇華できないでいた。
    そんな彼が夜の泉第二公園で出会ったのは同級生の高橋文稀だった。クラスでも目立たない文稀の口から出たのは「15才の誕生日に自殺する」だった。櫂はその言葉に驚くわけでもなく、自殺を手伝う代わりに従弟の復讐を手伝ってもらう事を提案する。
    櫂と文稀は期限である文稀の誕生日までに祥太の仇である長谷部兄弟に復讐することを計画し、復讐の予行演習として少年法に守られる極悪な少年少女をターゲットとし次々に襲っていった。
    法で裁けない少年の犯罪者、犯罪と認められない学校内でのイジメ、上っ面しか報じない安っぽい報道と世間の感心、複雑な家庭に育った文稀はそれら社会の理不尽さに対する復讐を着々と進めてゆく。
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    投稿日:2023.12.04

  • yukimisake

    yukimisake

    「神様って、いねぇんだな」
    主人公の櫂のこの台詞が非常に印象的です。

    未成年保護法については度々議論されている問題ですが、櫂と文稀、学校では全く接点の無かった2人が復讐劇を通じて友情を育んでいく姿に、苦しい、というか悲しいというか、とにかく全編を通して胸が締め付けられます。

    実際にあった事件も例に挙がっているので、大切な人間を傷つけられた櫂の怒りも手に取るように伝わって来ます。
    非常に友達思いで気持ちの良い性格をしているので、余計に彼の苦しむ姿に感情移入してしまい、また文稀も友情という感情すら理解出来ないまま中学生になってしまったのに、櫂に対して徐々に初めての気持ちを抱いて行く様子に、どうか2人とも幸せになってくれ!!と本を持つ手に力が入りました。

    文稀の書き連ねる日記が明らかになって行くにつれて、何度も天を仰ぎました。(私は悲しかったり感動すると天を仰ぐ癖があるようです)

    クライマックスではどうか、どうか!と祈り続けながらページを捲り、そしてやはり天を仰ぎました。

    これからも永遠に続く議論でしょうけれど、実際に本書のような事件が起こり、苦しみが生まれてしまうかもしれないという、櫛木さんの警鐘かも知れません。

    ところで、先日友人に「毎回そんなに感情移入しながら読んでいて疲れないのか?」と問われましたが、非常に疲れます。(良い意味で)
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    投稿日:2023.08.01

  • あんこ

    あんこ

    このレビューはネタバレを含みます

    カイとフミキの鮮やかなアオハル復讐譚。
    ブログの意図が分かった時「やめろ、立ち止まれ」って願ったけど、カイも止められなかったんだから蚊帳の外にいる自分が止められるはずもない。少しずつわかっていくフミキの邪眼やお兄ちゃん、お祖父ちゃんの話は悲しくなった。
    最後の最後、ハッピーエンドじゃなくても二人にとって少しでも良いことがありますようにと願ってしまう。
    後久しぶりにアルバート・フィッシュの名前見て変な気分になっちゃった。

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    投稿日:2023.02.12

  • eriko310

    eriko310

    緒方櫂と高橋文稀の復讐劇。

    文稀のブログの意味に気付いた時、櫂のことを友達だと信じている文稀がいたんだって知って泣きそうになってしまった。

    二人がやっていることは正義を振りかざしたとしたって暴力だし、犯罪だし、良いことではないんだけど、その間に二人の絆が確立していったんだなって実感した。

    文稀が報われないなぁ。
    母親がクズすぎて。
    でも、こういう母親も実際いるんだろうなって思えてしまう世の中が怖い。

    文稀が今後幸せになれるといい。
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    投稿日:2023.01.12

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