【感想】チェーン・ピープル

三崎亜記 / 幻冬舎文庫
(6件のレビュー)

総合評価:

平均 4.8
3
1
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ブクログレビュー

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  • にこ

    にこ

    このレビューはネタバレを含みます

    ⚫︎受け取ったなメッセージ
    物事は一面だけ見ると美徳だったり醜悪だったりする。

    ⚫︎あらすじ(感想)

    「いつでも、誰でも人格者になれます」。名前 も年齢も異なるのに、同じ性格をもち同じ行 動をする人達がいる。彼らは、チェーン店な らぬ「チェーン・ピープル」と呼ばれ、品行 方正な「平田昌三」という人格になるべくマ ニュアルに則り暮らしていた。そんな時、4 29人目の平田昌三が、殺人事件を起こす。 温和なはずの彼は、なぜ人を殺めたのか――。

    ⚫︎感想
    善と悪、真実と嘘、
    時代の潮流、角度の当て方によって
    それらは簡単に180度回転する。

    それぞれ、とてもおもしろく読了感も良かった。
    「一見、〜だが実は…」という読みやすい短編集。


    「正義の味方」
    日本人を救う正義の味方と最初こそもてはやされたものの疎んじられていく巨大生物

    「似叙伝」
    依頼者の夢を叶える「似叙伝」(じじょでん)を書き続けた男

    「チェーン・ピープル」
    平均的に良いチェーン店のような「平田昌三」なる人物を演じる人々(歴代300名以上いる)を描く

    「ナナツコク」
    心の中にしか存在しない理想の地図を描く

    「ぬまっチ」
    ぬまっチという生身のおじさんが歯に衣着せぬ「ゆるキャラ」として認知されているその裏で実は…

    「応援」
    応援という名の「おいつめ」

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    投稿日:2024.02.20

  • ikezawa

    ikezawa

    比較的最近の短編集
    いつの作品なのか知らず、いつもの感じかと舐めてました(謝罪)今まで読んできた短編集の中ではベストです。

    「正義の味方」
    突然現れ街を破壊する「敵」とそれを退治する謎の存在「正義の味方」人々は初めは快く迎え入れたのだが、巻き込んで街を破壊するため、徐々に群衆心理が変化してくる。

    「似叙伝」
    当人がたどりたかった偽の人生を自叙伝として作成する業者の話
    残るものが本だけだとしたら、その理想は何なのか?

    「チェーンピープル」
    人格のチェーン展開化、マニュアルや大会まで開かれて、ひとつの理想の人格者を持って生きる人々の話

    「ナナツコク」
    記憶の中だけに存在する地図、その地図を受け継ぐ女性の話
    三崎作品の異世界文化要素濃いめ作品

    「ぬまっチ」
    ゆるキャラとして活動する、着ぐるみを着ないおっさんの話

    「応援」
    応援する側、される側加熱する応援のの反転、ネットで起きてるリンチや炎上する現象

    理想を胸に、それを目指しながら生きるのはチェーンピープルではなくともあること
    ぬまっチは船橋のヤツに近い。
    幻影のように、消えてなくなるものや道化のような力関係を破壊するモチーフがありつつ、どちらかというとこれまでの作品よりも現実の元テーマが強い印象でした。解説にもあるように「世にも」をこの一冊で丸々一回分やり切るのはアリだと思います。
    他の短編集だと、ややモヤモヤしてわからないままの作品がひとつくらいあったのだけれど今回はどれも満足。
    続きを読む

    投稿日:2022.01.06

  • Bookrium

    Bookrium

    現実から少しだけずらした微妙な世界観が特徴の三崎作品ですが、今回は実際にあった事柄をベースにした内容も多く、いつもと若干趣向が違う気がしました。特に気に入ったのは表題作ではなく「ぬまっチ」です。
    ぬまっチの造形はとてもユニークで風刺が効いていました。続きを読む

    投稿日:2021.10.19

  • Yurico

    Yurico

    「いつでも、誰でも人格者になれます」。名前も年齢も異なるのに、同じ性格をもち同じ行動をする人達がいる。彼らは、チェーン店ならぬ「チェーン・ピープル」と呼ばれ、品行方正な「平田昌三」という人格になるべくマニュアルに則り暮らしていた。そんな時、429人目の平田昌三が、殺人事件を起こす。温和なはずの彼は、なぜ人を殺めたのか―。続きを読む

    投稿日:2021.01.30

  • なかむ

    なかむ

    6つの短編。それぞれのテーマに寄り添いあるライターがインタビューするようなかたち。
    どの作品もどこかで聞いたような話から
    いつのまにか何処にもない、少しゾワっともするような展開へ。
    定まることなく動き続ける小説、、それも予想の出来なさ。
    大満足。
    続きを読む

    投稿日:2019.10.24

  • toca

    toca

    2017年刊行の単行本を文庫化。
    表題作にもなっている『チェーン・ピープル』と『応援』が面白かった。『ナナツコク』の、ちょっとファンタジーっぽい内容もいい。

    投稿日:2019.10.12

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