【感想】もっとさいはての中国(小学館新書)

安田峰俊 / 小学館新書
(2件のレビュー)

総合評価:

平均 4.5
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ブクログレビュー

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  • parupito

    parupito

    だいぶ前に読んで登録忘れ。恐竜オタクが博士になる話と、最後の国際的指名手配富豪のインタビューが面白かった。定点観測して欲しい。

    投稿日:2019.12.22

  • seisman

    seisman

    中華圏の周縁を生きる人へのルポルタージュをまとめた一冊。同著者の書いた「さいはての中国」の続編的な一冊。

    内容的には濃くなっていて。中国本土の村同士の抗争が起こった地域に踏み込んだり、恐竜オタクから研究者になった人に話を聞いたり。中国の深淵をさらに覗き込んだ一冊になっている。

    なんだけど…前作とはなんか味わいが違う感じがしていて。
    それが何によるのかがわからずモヤっとしていて、レビューも書けずにいたんだけど、それが「読み手(聞き手)が書き手(話し手)に期待するもの」によるものの変化だとわかって、やっとレビューを書く気になった。

    それを端的に感じさせるのが、本著の最後にある郭文貴という人物へのインタビュー記事。
    「昔は中国政府の要人とも付き合いのあったビジネスマンだったが、今はアメリカに亡命して中国政府要人の暴露をネタにユーチューバーをしている」という人物。実際、その「ネタを暴露された政府要人(王岐山)」が先々月も訪日して日本首相と会ってたりする、そんな人物。

    別にこの「暴露ユーチューバー」の記事がどうこう、ということではないのです。
    ただ、この人物はお金を持ち政治力も持つ(あるいは持っていた)「声の大きな人物」。だからこそ、本人は本人の言いたいことを話して影響を与えようとするし、周りもそれを理解して自分自身の主張をこの人物が語ってくれることをどこか期待している。

    前作の「さいはての中国」で取り扱っていた人物には、例えば中国のネットカフェでくすぶっている人のような「声の小さな人物」が結構いて。そんな声をすくい上げているのが魅力であった反面、それが今の中華圏を代表・左右しているのか、と言われると疑問だった。

    今作の「もっとさいはての中国」でも扱っているのが中華圏の周縁であることは間違いがない。ただ、より「中華圏を左右しうる人物」にもアプローチをしていて。
    だからこそ、読者も発言力のあるそんな登場人物(や著者)が自分にとって都合のいいことを話してくれることを期待してしまっている。それが自ずと味わいに変化を与えているんだろう、と。

    そういう無意識の先入観を排してみれば、前作同様、中華圏を非常に興味深い観点から見ている良著。
    著者のライターとしての成長と、読者の未熟(それを自覚するのに一か月以上かかることも含め)を実感した一冊でした。
    続きを読む

    投稿日:2019.12.06

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