【感想】ファン・ゴッホ 日本の夢に懸けた画家

圀府寺司 / 角川ソフィア文庫
(7件のレビュー)

総合評価:

平均 4.6
4
3
0
0
0

ブクログレビュー

"powered by"

  • watashino-honndana

    watashino-honndana

    このレビューはネタバレを含みます

    序章の出生から第一章のオランダ時代から第5章のオーヴェル=シュル=オワーズ、そして終わりに...という構成になっている。
    著者はゴッホの書簡を翻訳しておりゴッホ研究の第一人者!

    各章ごとにキーとなる絵画が載っており、その解説?ともいうべき内容がゴッホ自身がテオに送った手紙などを参考にして解説される内容である。さらにゴッホの宗教家としての背景や家族、時代などの背景も盛り込まれており、とてもわかりやすく、興味深く読み進むことができる。

    ゴッホが絵画に込めた思い。モチーフの意味なども含め
    細やかな解説があるのはゴッホが筆まめであったこと、手紙を送る相手いたこと(弟のテオ)そしてその手紙大切に保管し、編纂して世に出したテオの妻ヨーの存在があったことが
    いかに重要であったかがわかる。

    ゴッホは狂気の人のような印象であったが語学に長け神学の道に進もうとしたこともあることから(父親は牧師)宗教的なことや意味をより深く感じていたのではないか...本書から読み解ける。
    日本への憧れと絵画への影響など...

    各章に分かれ時系列されている事で読みやすい。

    膨大な書簡、手紙が残されこそゴッホの人となり、そしてその胸の内が理解できる(ほんの少しだけれど...)のは
    素晴らしい翻訳のなせる技でもあると感じる。

    著者の翻訳した『ファン・ゴッホの手紙』という著書もあるようなので読んで見たいと思う。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.01.21

  • maLon_coLon

    maLon_coLon

    ゴッホの若い時からの生い立ち、考えがまとめられた本。

    ゴッホが情緒不安定で耳を切ったりしてたのは知っていたが、若い時から激しい性格で女性に対しても執拗であったりなど、よりリアルなゴッホを知ることができた。そしてゴッホの絵の価値を高めているものに、膨大な量の手紙があるというのもまた面白い。

    絵というのは単にそのものだけではなく、その背景や画家自体、時代など様々な要素が絡み合って評価されるものなのだと改めて感じた。
    作者のゴッホへの愛が感じられるとても面白い本だった。
    続きを読む

    投稿日:2023.11.26

  • おびのり

    おびのり

    ファン・ゴッホー僕には世界がこう見えるー360°体感型デジタル劇場、第二弾。ようやく体感してきました。平日午前予約だったからか、余裕があって、場所を変えて3回見ることが出来ました。ゴッホの作品の中に身を置く、感性が新しいなあ、若いなあと思いながらゆったりした時間でした。
    で、せっかくなのでショップで一冊。角川ミュージアムアムなので“KADOKAWA ”しか売ってません。
    日本人が大好きな画家と言われていますが、ゴッホの日本への憧憬も想像以上でした。ゴッホの生涯は、教科程度の知識しかありませんが、彼の苦難の生涯に寄り添った、弟ティオとその妻の存在は、大きなものでした。今、ゴッホの作品が世の中にこれだけ残されているのは、弟の経済的精神的援助に寄る所だと思います。また、膨大な手紙、ティオ家の家計簿等、ティオの妻の保管力の優秀さなるもの。確か樋口一葉の自筆原稿等は妹がきっちり保管して残してあったと思う。秀でた才能を支えてくれる兄弟の存在に感動しました。
    アルルのはね橋が好きですが、レプリカは、夜のカフェテラスを購入。
    続きを読む

    投稿日:2022.12.04

  • あんず

    あんず

    ゴッホ展に行くので予習のために読んだ。

    わたしはゴッホについて何も知らない。なんか耳を切った変な人、ひまわりを描いた人、くらいしか知らない。本書を読んだ直後は悲しい気持ちになってしまった。

    本書はゴッホの人生について、手紙と絵画、そしてゴッホを取り巻く環境をベースに語られている。ゴッホの生きづらさというか他人とうまく距離感を保てない感じが読んでいて辛い。
    一方で絵画がどういう背景を持ってどんな意図で描かれたのか、当時のゴッホの状況や手紙から読み取れる。著者の「おわりに」にも記載されているが、ゴッホが特別なのは書簡が膨大に残っているからだ。
    ゴッホの絵画は宗教的意味と結びつくものが多い。私はキリスト教ではないので宗教的観点からの解説があるのは非常にありがたい。ゴッホは牧師であった父から離れることが出来なかったのかな、、と感じた。
    その後の苦悩や精神的な苦痛を見ていると、ゴッホは人に愛され必要とされたかったのではないかなと感じてしまう。
    続きを読む

    投稿日:2021.11.22

  • aoi-sora

    aoi-sora

    ゴッホ展のミュージアムショップでこの本を見つけました。
    とても丁寧にゴッホの生涯が描かれ、代表作はカラーで掲載されているので、分かりやすいです。
    弟テオとの関係、ゴッホ自身の生きづらさ、日本への憧れ。とても興味深いです。続きを読む

    投稿日:2019.12.15

  • さけといわし

    さけといわし

    正直期待していなかったのだが、しっかりとしたゴッホの人生を辿る一冊だった。
    彼の画家になるまでと、画家になってからの10年の要点をまとめ、手紙や彼の絵から、画家本人の感情や宗教、家族や人間関係という彼自身の人生を垣間見ることができる。
    書簡集も読んでみたい…
    続きを読む

    投稿日:2019.11.25

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。