【感想】シャドウ・サーガI ‐選定の剣と呪いの黒剣‐

西村西, パセリ / 電撃文庫
(1件のレビュー)

総合評価:

平均 3.0
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ブクログレビュー

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  • タカツテム

    タカツテム

    このレビューはネタバレを含みます

    アーサー王伝説をベースとした異世界物
    ただ、現存しているアーサー王伝説を基にしているせいか、単純な異世界転移モノというよりタイムスリップとか物語世界に入ってしまったみたいなイメージの方が近い気がする

    そんな背景もあってか主人公の来人が転移前に抱いていた願いが随分と特徴的だね。アーサー王物語が好きで好きで仕方なくてアーサー王の物語が悲劇で終わらない作品を望んでいた来人。
    だからこそそれを理由としてマーリンやアーサーに導かれ異世界転移することになるのだけど。ただ、一方で本作は来人の想いに乗っかる形でおいそれと進行しない点は好印象。
    来人は確かにアーサー王の悲劇が回避される物語を望んでいるが、だからといってそれを理由にすぐさま異世界に身を置きアーサーの助けになりたいとまでは思わない。そこには別の理由が必要になる

    ここでアーサーの人となりが活きてくるわけだね。
    本作に登場するアーサーは王になる未来を約束された英雄と言うよりも普通の少女といった印象が強い。それで居ながら村人や弱い立場の民に対して慈しみの心を持っている。また、敵として登場する怪物サクソニアンにも騎士として毅然と立ち向かう強さも持っている
    このアーサーの在り方は一時は武術を習っていた来人の心を刺激し、更にはサクソニアンに蹂躙される民を守れなかった悔やむ心がリンクしていく
    全く別の生き方をして少し前まで他人でしか無かった来人とアーサーが協力する流れとしてはこれ以上無いものになる

    この巻で描かれるのはアーサー王の戴冠式まで。そして未来を知っている為にこの先に起きる悲劇も知っている来人はその戴冠式で起きる反乱を回避するために様々な策を打つのだけれど……
    この辺は歴史の修正力の如く来人の邪魔が入るものだからその策も結局水の泡になり反乱は起こってしまう残酷な展開。ただ、そこで生じた新たな殺戮が来人により平和な世界を築きたいという想いを確かにさせるわけで
    今後はアーサー王伝説の世界を自分の望む混沌にしたいモルガンとその世界を平和にしたい来人による物語修正バトルの様相となっていくのかな?
    また、演説シーンなどを中心にしてアーサーよりもアーサー王らしい姿を見せる来人の今後の立場も気になるところ

    ただ、アーサー王伝説には数多くの人物が登場するのだから仕方ないのだけど、本作も第一巻にしてはかなり多くのキャラクターが登場する。
    アーサー王伝説を知っている人なら問題ないかもしれないけど、アーサー王伝説を読んだのがかなり昔な自分にとっては厳しい場面も多々有ったのがちょっと難点だったかも

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    投稿日:2019.09.16

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