熱源

川越宗一 / 文春e-book
(56件のレビュー)

総合評価:

平均 4.3
26
15
9
0
0

ブクログレビュー

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  • 真島アキ

    真島アキ

    「熱源」 川越宗一(著)

    2019 8/30 第1刷 (株)文藝春秋
    2020 1/25 第5刷

    2020 2/11 読了

    素晴らしいです作品です!

    ノンフィクションのみが持ち得る
    「熱」が存分に感じられます。

    今、この瞬間
    こんな素晴らしい文学を手にし
    味わい、感動出来る幸福を享受出来るのは

    過去に「熱」を持って生と向き合ってきてくださった人々のおかげだと
    思わずにはいられません。

    時代を越え国境を越え人種を越えて
    「熱」を伝えてくださって

    本当に本当にありがとう!

    第162回直木賞受賞作品。
    続きを読む

    投稿日:2020.02.11

  • mokubro

    mokubro

    日露戦争前後の史実をもとにしたフィクションで、白瀬大尉など実在した人物が出てくる。歴史小説なので多少難しいところがあるが、壮大なスケールで描かれている。
    アイヌについてもっと知りたいと思った。

    投稿日:2020.02.11

  • Akiko

    Akiko

    このレビューはネタバレを含みます

    直木賞受賞。書評を見て、これは読まねば!と即購入。
    壮大な物語で感動しました。
    日露戦争以前の樺太(サハリン)で暮らすアイヌの子どもは、和人が入植してきて北海道に移り住み、そこでコレラなど伝染病の発生という災難に遭い、大切な一族を失う。失意の中、苦労して樺太に戻れば、そこはもう元の故郷ではない。和人たちは、アイヌを「文明化」しようとする。親友は日本人の父とアイヌの母を持つ混血だが、自分はアイヌだと思っている。彼らは成長し、アイヌの自立のためには、学校を作り、適応せねばならないと奮闘する。
    また遠くポーランドでは、ロシアから祖国を奪われた青年が、政治犯としてサハリンに送られ、入植囚の仕事に駆り出される。単調な日々の中、樺太(サハリン)の少数民族・ギリヤークの人々と出会い、その生き方に心を打たれ、生きるエネルギーをもらう。そして刑期を終えた元・入植囚がギリヤーク人の村を奪おうとしたり、境界でトラブルが起こったりしたとき、仲裁に入り、感謝される。またロシア帝国からも、サハリンの少数民族に精通する民俗学者として評価され、刑期を短縮され研究者としての地位を得る。
    樺太でなんとか暮らすアイヌたちは、日露戦争で板挟みになる。ロシア人からも、和人からも「道案内」を頼まれる。自分たちが生きてきた故郷は、ロシアの物でも日本の物でもないのに、奪い合いだ。自分たちはどうすれば良い?目の前で戦闘が繰り広げられる…。
    一方ポーランドの独立を願う青年は、日露戦争に勝利した日本に、祖国の独立の援助を頼もうと(自分の意思ではないが、独立運動の仲間から乞われ)、日本を訪れる。そこでは大隈重信に会ったり、二葉亭四迷に会ったりして、どこまで史実に基づいているのか、非常に興味深い話も出てくる。
    そして「序章」と「終章」に出てくる、ソ連軍の女性兵士の体験が、最後にすべてを結びつける、という構成もすごい。

    樺太(サハリン)にはかつて、様々な少数民族が、自然に適応して生きてきた。ロシアと日本がそこを奪いあい、先住少数民族を「野蛮な未開人」と決めつけ、ヨーロッパの文明が崇高であることを前提にその文明を押しつける。明治維新のときの日本は、欧米が持ち込んだ弱肉強食の摂理の中で戦うことを早々に決め、強い国家づくりに着手し、日露戦争に勝利し、その後の戦争につき進んでいくわけだが、世界は弱肉強食であるという摂理そのものと戦うということは可能だったのだろうか?
    少数民族であれば、もっと選択肢は少ない。文明に適応し、「立派な日本人になる」ように強いられても、アイヌであり続けることは可能だろうか?
    ありのままにまっすぐに、時代の渦の中で生きる様々な立場の人たちを描いている。今まで知ったつもりになっていた歴史がものすごく深まって見えてくる。
    話題の本だから、読み終わったらメルカリですぐ売れる〜と思ってハードカバー買っちゃったけど、感動で手放せそうにありません…。

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    投稿日:2020.02.09

  • geta22

    geta22

    実在の人物を扱った歴史小説だった。
    予備知識は直木賞、樺太、アイヌぐらい。
    ググらず読んで正解。知らない世界を知る楽しみに浸る。

    投稿日:2020.02.09

  • Bikkie

    Bikkie

    題名がこないだ読んだ「熱帯」と紛らわしいし、前半のテイストは前回の直木賞で沖縄が舞台の「宝島」を思わせる。それでいて南極探検は「極夜行」にも通じる、ということなのだが、なにせ史実ベースなので、大隈先生やら啄木やら白瀬隊長やら金田一京助までいろいろ出てくるところが面白い。ただ、アイヌやロシアの人名が覚えにくいのと、ストーリー的な盛り上がりにやや欠けるところもあって、直木賞としては物足らない感じでした。続きを読む

    投稿日:2020.02.09

  • ももチョビママ

    ももチョビママ

    明治から大正・昭和にかけて、ロシアと日本の狭間で、種族としての誇りを持ち、自分たちの伝統や慣習・文化を守っていこう苦悩するアイヌの人々

    高度に発達した文明を持つ我々には未開人を適切に統治し、より高次な発達段階へ導く必要と使命がある。彼らは我らによって教化善導され、改良されるべきとする白人至上主義ともいえる優勝劣敗の考え方に翻弄される人々

    文明に潰されて滅びる、あるいは呑まれて忘れる。どちらかの時の訪れを待つしか自分たちにはできないのか。別の道は残されていないのか。我々は「滅びゆく民」なのか、南極探検隊員に名を連ね、アイヌの名を残そうともするヤヨマネクフ

    「南極に立った人間は、世界でもそうはおらん。君らアイヌが見直されるきっかけになるだろう」
    という大隈重信に対して
    ヤヨマネクフは、答える
    「見直される必要なんてなかったんですよ、俺たちは。ただそこで生きているってことに卑下する必要はないし、見直してもらおうってのも卑下と同じだと思いましてね。俺たちは、胸を張って生きていればいい。俺たちは、どんな世界でも、適応して生きていく」

    強いも弱いも、優れるも劣るもない。生まれたから、生きていくのだ。すべてを引き受け、あるいは補い合って。生まれたのだから、生きていいはずだと

    腹の底から、湧き上がってくるような力を感じた。民族としてこれだけの誇りを持っているだろうか。また、世界の多くの少数民族に対して同じ人間として敬意を持っているだろうかと自分自身に問い直した

    小学生の頃、石森延男氏の「コタンの口笛」を読んだことがある
    主人公の少年が、自分の体を傷つけて、「流れる血の色は、君たちと同じだ」と差別する友達に対して、訴えている場面は、いまだに忘れられない

    この本を読んで、そんな遠い記憶も蘇ってきた

    「私たちは滅びゆく民といわれることがあります。けれど、決して滅びません。未来がどうなるかは誰にもわかりませんが、あなたの生きている時代のどこかで、私たちの子孫は変わらず、あるいは変わりながらも、きっと生きています。
    もし、あなたと私たちの子孫が出会うことがあれば、それがこの場にいる私たちの出会いのような幸せなものでありますように」
    お互いに人間として尊厳を持って付き合っていける世の中でありたい、そんな人でありたいと思う


    続きを読む

    投稿日:2020.02.08

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