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山川健一 / 幻冬舎文庫 (1件のレビュー)
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くすのき
楽天の創業社長、三木谷浩史の評伝。 どんな人なのかと思って読んでみた。 本書が強調しているのは、小、中学校時代の三木谷氏はまるっきり優等生ではなく、成績も全然良くなかったと。どっちかというと先生から…睨まれるタイプのやんちゃだったそうだ。 それがテニスに熱中し、プロを目指すが、上には上がいると知り、大学受験を頑張ったら一浪で一橋大に入った。 で、興銀、ハーバード社費留学、帰国して起業。 もちろん本人の卓越した能力や人徳あっての成功だとは思うが、家庭環境や家系を辿ると、彼個人の成功の背景が見えてくる。 先祖に徳川筆頭家臣の名将がいたり、関西屈指の商家の一族の血を引いていたり。DNAに何か引き継がれているのかも。 さらに、お父様が凄い。経済学の教授でブルブライト留学生。家には国際的な学者たちが集まり、ノーベル賞受賞者がご飯を食べにくるという。 …三木谷はエリートじゃない、って、ぜんぜんエリート家庭じゃん! いやらしい言い方をすると、陰に陽に三木谷氏の人生を導いていたのは偉大なお父様である。テニスを勧めたり、大学の担当教授が父の研究仲間だったり、興銀にも父の人脈があったりと、あらゆる所にお父様の息がかかっている。本人も知ってか知らずか、また周囲も押し付けがましくないようにと配慮はあったろうが、経済学者の父の導きを強く感じる人生である。 お父様は、典型的な戦前の旧制高校出身のリベラルインテリという感じ。翻って、三木谷氏は広い視野でリベラルアーツを学ぶ学校が日本から消えてしまったと嘆く。 産業、雇用、教育と、三木谷氏の国際化、規制開放への試みは続くのかもしれない。 続きを読む
投稿日:2019.12.15
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