ケーキの切れない非行少年たち(新潮新書)

宮口幸治 / 新潮新書
(990件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
196
428
250
37
9
  • 衝撃的な内容

    タイトルに興味をそそられて購入したが、衝撃的な内容だった。自分には簡単に出来ることが、出来ない人に対して「どうしてこんな簡単なことが...」と感じることは多いと思うが、この本の内容はそういうレベルではなく、多くの人にとっては信じがたいものではないだろうか。

    本書に登場する非行少年の行為は、普通なら「わざとふざけているのではないか」と思えるようなレベルなのだが、実際にケーキを切ることが出来ないのが事実で、自分でもどうしようもない苛立ちが湧き上がるというのは、読んでいてなんとも言えない気持ちになった。
    自分でも指摘されてわかっているのに、出来なくてもどかしい気持ちは何度も経験したことがあるが、非行少年たちはたえずそうした感情に苛まれているのかと考えると、当人たちにとってはまさに精神的な拷問としか受け取れないのも当然だろう。しかし、人間社会には歴然としたルールが存在し、本質的に守れない人間だからといってルールを無視した行為が許されるわけではない。
    非行少年の問題は、非常に奥の深い問題だと提起している。しかも外からではわからないわけだから、早期の対処なども難しいことがわかる。こういうのは、周りの人間の理解と早期の専門的な訓練によるしかないような気がする。

    本書を読んで、非行少年に対する認識が少し変わったが、自分の日常生活に影響が出てくるようなことになった時、何が出来るかはわからない。
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    投稿日:2020.03.15

ブクログレビュー

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  • kissarmy0814

    kissarmy0814

    2023.03.12
    この本が売れたことから、みながなんとなく知っていることを「言語化」することの大切さを学んだ。彼らの「教育手法」はよくわからない。

    投稿日:2023.03.13

  • just-me-in

    just-me-in

    一定の割合で確実に存在する、知能ハンデを抱えている人。線引は難しいし、ハンデがない人からするとその人たちの世界を想像も難しい。
    根性で治るものでもない。

    丁寧に特性を紹介しつつ、最後は前向きな方法を提言。犯罪者ではなく、納税者に変える。というのは身も蓋もない現実主義過ぎる感じもしたけど、支援の意義について合理的に述べる最適解なんだろうなぁ。

    読みやすかったです。
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    投稿日:2023.03.11

  • レジェプディ

    レジェプディ

    【要約】
    ・少年犯罪者の多くは、脳の高次機能に問題がある言ってしまえば「障碍者」

    ・元は適切な支援を受けることができなかった被害者

    ・学校/支援施設では教科別の勉強に先立って、ベースとなる脳の機能の訓練を取り入れるべき

    【気になったこと】
    ・高次機能に障害があるとして、器質的な問題が背景にある (とわかる) 割合はどれくらい?
    (私個人では多くは器質的な問題に帰着できると思っている)

    ・器質的な問題に対しての医学的アプローチ法

    ・問題の表出され方が異なるだけで、うつとか強迫性障害とかも似たような問題に帰着できそう

    ・本文中の例を見ていると、「認められたい」「頼られたい」「褒められたい」はかなり人間の根源的な欲求なのかな…という感じ
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    投稿日:2023.03.10

  • sekinobu

    sekinobu

    娘の夏休みの課題本に。。。と思って買っておいたやつを読んでなかったので。一時期話題でもありましたし。
    非行少年と発達障害や知的障害との関連性を指摘していて、確かにそうかもしれないなと思いました。被害者の立場に立ってみれば「そんなのしったこっちゃない!」というのは重々承知で書かれているのでしょうし、逆にそういう科学的なアプローチをしっかりすることで、非行ひいては犯罪を減らしたい。。。という意図かと。
    一番印象に残ったのは、小学生くらいまでに身体、学習、社会性を身につける必要があるが、社会性については系統だった手法はないし、現在の学校教育要綱では存在していない点。確かにそうかもしれないということと、IQを指標とする危険性があるんだなあ。。と。ついこの前よんだ「天才」でもIQについて触れられていて、やっぱりIQが高いことがすべてではないな。。。と考えさせられました。
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    投稿日:2023.03.09

  • ふじき

    ふじき

    このレビューはネタバレを含みます

    とても面白かった。

    ■実行機能の弱さ
    ■感情を表す言葉を「イライラ」しか知らない
    ■非行少年に共通する5店セット+1
    認知機能の弱さ、感情統制の弱さ、融通の利かなさ、不適切な自己評価、対人スキルの乏しさ、プラス1身体的不器用さ
    ■認知機能
    見えないものを想像する力の中に、「時間の概念」があるが、それが弱い人は「昨日、今日、明日」くらいしか感覚がない。未来に向かっての努力ができない。努力ができないとどうなるか①自己肯定感が低いまま②他人の努力が理解できない
    1.2歩先しか見えてない。
    ■知的障害 IQ70未満(人口の2%程度)、一方で1950 年代は85未満だった。85にすると全体の15%程度になり多すぎる→70に。日常生活は100程度ないと辛い。

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    投稿日:2023.03.07

  • あぶりかぶり

    あぶりかぶり

    自分の周りにも知的障害の人があふれているのかと実感できた。とてもいい本だからぜひ読んでみてください!

    投稿日:2023.03.04

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