【感想】役に立つ古典

安田登 / NHK出版
(15件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • 司書KODOMOブックリスト(注:「司書になるため勉強中」のアカウントです)

    司書KODOMOブックリスト(注:「司書になるため勉強中」のアカウントです)

    『古事記』『論語』『おくのほそ道』『中庸』──代表的4古典に書かれている「本当のこと」とは? 私たちは何を知っていて何を知らないのか。古典の「要点」さえ理解できれば自分だけの生きる「道」が見えてくる。自分なりの価値観を見出していくために。古今東西の名著に精通する能楽師による、常識をくつがえす古典講義!続きを読む

    投稿日:2023.11.29

  • honmusubi

    honmusubi

    古事記、論語、奥の細道などの背景や、独自の読み解きで、自分の人生に活かせるよう古典の世界を紹介している。
    ページ数もコンパクトに収められており、古典入門に、ちょうど良い。

    古典の漢字を紐解き、当時使われていなかった漢字から、本来の意味を探求しているのが興味深かった。

    古事記を書き起こす際に、太安万侶が意図的に間違えたであろう漢字を使ったのは、国を治めるために海外(中国)の価値観を取り入れたという。古事記は遠いファンタジーのように考えていたが、政治的意図だと考えると、少し身近なものに感じるようになった。


    印象に残ったのは以下の部分。

    松尾芭蕉 風雅の誠→対象と自分が一体化すること。

    死という概念がそもそも日本になかった。
    一時的に魂が離れた萎びた状態をいい、永続的ではなく一時的な死を意味していた。盆の概念でもそれが垣間見られる。

    論語の四十にして迷わずではなく、区切らず(自分を限定するな)の意味ではないか。
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    投稿日:2023.11.03

  • dai-4

    dai-4

    古典はちょっと…というスタンスに変わりはない。でも少しでも近づきたく、本書のようなものは、あれば手に取ってしまう訳で。
    まず、”日本語を漢字で書くパラダイムシフト”。すなわち漢文の思考回路から日本的な思考へ、という発想の転換がそこでなされた訳やね。そして論語では、”時間と心”の概念が誕生する。これもパラダイムシフト。その内容として気になったのは、”友は過剰に気付き、その指摘は本体を打たず蛇(外側)を打つ。本当のことを言うのが本当の友、ではない”のくだり。これはちょっと意外に思えた内容だけど、言われてみればその通り。気持ちが楽になります。続きを読む

    投稿日:2023.06.06

  • 祝

    このレビューはネタバレを含みます

    中高で古典を勉強していたときは習いたての文法を使いながら問題の正答を出すことに必死だったし、生き方についてそんなに悩んだりしてなかったから物語の主題について深く考えることが出来なかったけど、
    今になってライトな入門書的な本書を読むと趣味の読書として、古典を読みたくなった。
    人生に大切なことがたくさん書いてあるんだろうなぁ 大学受験時でさえ正確に文を読めた試しはあまりないので原文ままをいきなりは難しいので最初は現代語訳かな、、

    ・切磋琢磨についてp43

     『切磋琢磨とは、あるものに手を加えて付加価値をつくることなのです。しかし、たとえばダイヤモンドを磨く研磨機で真珠を磨いたら、真珠は台無しになってしまいます。それぞれの原石には、それぞれを磨くためのツールがあるのです。つまり、切磋琢磨とは「その人のあり方に合ったやりかたで自分を磨く」ということです。』

    ・「時中」という言葉についてp.90

     『すべきとき、言うべきとき、そしてそうでないとき、それを感じる力が「時中」の力です。』


    ・「中庸」という言葉についてp.98

     『努力してほんとうの善を選び出し、そのうえでそれをしっかりと守る…具体的なやり方として、「博学」(知の空白を一つひとつ埋めていく)、「審問」(詳細な問いを立てる)、「慎思」(じっくり思考する)、「明弁」(答えを分けていく)、「篤行」(病を得た馬を動かすように丁寧に行う)。この五つをしっかりとやっていくことによって、人は誠に到達できる。』

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    投稿日:2022.09.04

  • 音羽

    音羽

    新しい形の古典入門。特に日本人は死を迎えたからと言って、おわりではなく、死者と共に生活する文化があるのに気づいた。色々と古典を読んでみたい!

    投稿日:2022.06.17

  • 1705264番目の読書家

    1705264番目の読書家

    古事記、論語、奥の細道、中庸
    4つの古典のメッセージをわかりやすくまとめている

    古事記
    描かれる死生観がとても興味深い。昔は因果の関係が世になく、死は魂が一時的に離れたものと捉えていたため、死に対する恐怖がなかったそう。
    因果や時間については、映画『メッセージ』をみてから関心を持っているのでもっと深掘りしたい。

    論語
    齋藤孝さんの『声に出して読みたい論語』に載っていたものも紹介されていたが、解釈の違いがおもしろかった。こっちの解釈の方が腑に落ちたので安田さんの『論語』を読んでみようと思う。

    奥の細道
    芭蕉は『俳諧的生活』を重んじたそう。俳諧=和気あいあいとする笑いであり、俳諧的生活=和とユーモアある生き方。笑いにはきっと奥深さがあるのだろうなあと、その後『落語は心の処方箋』を読むきっかけになった。

    中庸
    全ての人には自分の成す『性』というものがある。その周りには『過剰』という誇りが積もっているので本来の自分の性をみつける必要がある。そうして、自力(その時々でぴったりな選択ができる、それを感じる力)と誠(成るべきものを成るべきように成せる力)によって道(性に従うこと)を実践したい。


    やはり、古典は人生で大事なことを簡潔に伝えてくれる。ここで紹介されている本はじっくり時間をかけて何度も読みたい。

    古典は色眼鏡。古典を知ると世界の見方が変わる
    たしかに、その通りだ。古典に限らず本というのはそういうものである。
    続きを読む

    投稿日:2022.05.18

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