【感想】横浜1963<文庫版>

伊東潤 / コルク
(8件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • 馬南神空

    馬南神空

    米軍の基地があり、半ば占領下だった頃の横浜を舞台にしたポリス・ストーリー。一種のバディものとも言えるが、その片割れである日系三世のショーンが物語に登場するのは、頁も半ばを過ぎてからで、かなり変則的。で、ショーンのパートになると今度はソニーの影が薄くなる。よくある言い方をすると、主人公は横浜という街そのものと言うことだろう。ミステリとしてはロジックが付けたりのようで、ラストのツイストもありきたり。ポリス・ストーリーとしては、捜査の描写など淡泊すぎる。それでも当時の横浜の目に見えるような描写は魅力的で、やはり作者さんが書きたかったのはそのなのだなと思う。続きを読む

    投稿日:2022.07.20

  • kazubook21613

    kazubook21613

    作者とほぼ同じ年代で、横浜に住み30年の私としては、非常に馴染み深く読みました。1963年の横浜を直接知るわけではないが、黒澤監督の「天国と地獄」の情景を思い浮かべながら楽しみました。

    犯人探しのミステリーとしては標準作だと思う。が、社会派ミステリーとしては、重たいテーマも孕み中々読み応えもあった。芯のある二人の捜査官の生き方がカッコいい。続きを読む

    投稿日:2022.03.04

  • kaorukaeru

    kaorukaeru

    タイトルとおり1963年の横浜が舞台の連続殺人事件
    容疑者は米軍ということで圧力もあり捜査も思うようにいかない
    主人公の捜査官はハーフということでその思いも語られる
    流れはまぁ普通かなと感じました

    投稿日:2021.08.08

  • ysdnekomomo1984

    ysdnekomomo1984

    面白かった。東京オリンピック前年、戦後日本の加速する復興の波を受ける当時の横浜。まぶしくてそして闇も深い当時の横浜にタイムスリップした気持ちになれた。
    1963年、事件は戦後の日米関係、人種差別、宗教、などの問題が絡みつつエキゾチックな横浜を中心に展開される。アンタッチャブルな部分の多い事件=壁に向かい、白人との混血児である日本の警察官ソニー沢田と日系米軍人ショーン坂口という、それぞれの国でマイノリティ、アウトサイダーである二人が、お互いに共感を抱きながら地道に捜査をすすめていく様はカッコいいの一言。続きを読む

    投稿日:2021.05.23

  • シキモリ

    シキモリ

    母方の実家が横浜にあったので、子供の頃にマリンタワーへ連れて行ってもらった記憶が蘇る。題名通り、作品の舞台は1963年の日本。敗戦国の名の下に米軍統治下となった横浜で起きた連続女性殺人事件に挑むのは混血の刑事・ソニー沢田と日系三世の米軍SP・ショーン坂口のバディ。ミステリーとしての目新しさは全くないが、ギミック一切なしの直球なハードボイルドが胸をすく。どちらの国にも根を張れない二人の目を通した当時の日米関係や港町の情景描写が秀逸。あとがきにて著者は将来の日米関係に想いを馳せるが、見通しは決して明るくない。続きを読む

    投稿日:2020.11.27

  • マリノスケ

    マリノスケ

    1963年の横浜を舞台にしたミステリー小説。著者本人が当時の横浜を再現することに力を入れたと述べているが、主人公が駆け抜けた地域に住む人間にはたまらない。当時の、匂いや音までも感じられるし、横浜の人々が米国人にどのように接していたかも追体験できる。似たようなバックグランドをもつ二人の混血人の活躍もスリリングで面白い。続きを読む

    投稿日:2019.12.01

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