カルカッタの殺人

アビール ムカジー, 田村 義進 / ハヤカワ・ミステリ
(12件のレビュー)

総合評価:

平均 3.4
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6
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ブクログレビュー

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  • nekotaro

    nekotaro

     著者は1974年ロンドン生まれのインド系移民二世で、デビュー作の本作は2017年にイギリスで刊行され同年の英国推理作家協会(CWA)賞エンデバーヒストリカル・ダガー(歴史ミステリー)賞を受賞した。

     小説の舞台であるインドは、1858年から1947年迄イギリスの植民地だった。
     1919年インド・カルカッタでイギリス人の官僚が治安が悪く白人の寄り付かないブラックタウンの道端で惨殺された。イギリスから派遣されているウィンダム警部と現地人で新人部長刑事バネルジーが捜査に当たる。

     翌日、列車強盗が発生し列車保安員が殺された。1時間に亘って強盗団は列車を止めたものの何も盗らずに逃走した。

     容疑者は、逃亡中のテロリスト、センの可能性が高い。帝国情報部と警察で彼を逮捕する。
     植民地下のインドに、支配する側の少数のイギリス人と大多数のインド人の対立、イギリス人警部ウィンダムと現地人バネルジー刑事の協力、貧困と富裕、白と黒、様々な対称の中で次々に起きる事件に時代背景とカルカッタの景色を感じながら楽しめる一冊です。ストーリーのテンポも良く、枝葉末節な展開も無い、まさしく一気読みの物語です。

     またユーモアもとてもいい。犯人が捕まらない事で同宿の者 が''おちおち眠っても居られない…''と言うとウィンダムは''被害者は歩いている時に殺されたんだ''と心の中で呟く。
     救急車で運ばれたウィンダムが降り際に医師が片手を出して来た''心付けがいるのか、お金を差し出した…''医師は馬鹿かといった顔でウィンダムを見た。
     
     ウィンダムとバネルジーの続編は現地では2018年に刊行され、日本語訳(ハヤカワポケットミステリー)では''マハラジャの葬列''として2021年3月に刊行され3作目も間もなく翻訳盤が刊行される。
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    投稿日:2021.08.02

  • より

    より

    図書館で。
    当時の世界情勢とか、主人公の生い立ちとかが頭に入るのに少し時間がかかりました。なんか老成した結構年配の主人公というイメージだったんですが思ったよりも若いのかも?とか。

    人の国に乗り込んでいって支配して、さらに地元民に好かれようなんて随分と都合の良い話だな~って思いますが、まぁ多かれ少なかれ植民地時代はそういう意識だったんだろうな。近代化したのは誰のおかげだ、みたいな。頼まれたわけでもないのにねぇ。

    個人的には彼に頼まなくても、女の子ぐらい他で調達できなかったのかな~とか思いましたが… その辺りも時代背景の一部なんだろうか。主人公があまり好きなタイプでは無かったので続きは良いかな…
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    投稿日:2021.07.01

  • takenarizm

    takenarizm

    シリアスなんだけどどこかコミカルな雰囲気が良かった。作者はイギリス育ちのインド系移民。イギリス、インドどちらに対してもフラットに俯瞰した歴史的事実を背景にストーリーが展開するので、お勉強にもなります。
    次の作品は積読状態ですが楽しみにとっています。
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    投稿日:2021.04.27

  • lonelyrunner

    lonelyrunner

    このレビューはネタバレを含みます

    1900年代前半イギリス統治下のインドでのミステリー。
    ミステリーもまずまず面白かったが、その時代のインドの様子が興味深かった。
    ミステリーとしても次作に期待。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2020.12.02

  • ぷらりん

    ぷらりん

    インドが舞台のミステリーなんて、読むのは初めてじゃなかろうか。描写が素晴らしくて、ぐいぐい引き込まれて読んだのだけれど、宗主国と植民地、差別もいっぱいで、今からしたら「なんとまあ」なんだけど、この時代にはこれが当たり前だったんだよなあ・・・と。もしこの物語をイギリスではなく日本にしたら、舞台は上海あたりになるのかしら、そしたらもっと陰鬱な話しになりそう・・・なんて思いながら読んでた。続きを読む

    投稿日:2020.11.23

  • fukayanegi

    fukayanegi

    このレビューはネタバレを含みます

    時は1919年、インド、カルカッタ。
    イギリス統治下にある町のうらびれた小路でイギリス人高級官僚の惨殺死体が発見される。

    事件の展開から特権階級の利権がらみのスキャンダル隠しの匂いがぷんぷんするよくありそうな話。

    東と西の洋の交わる場所で独特な情緒、社会事情、人間模様を背景に繰り広げられる展開が特徴的。

    結末は風刺的な意味もあるのだろうかね。

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    投稿日:2020.06.28

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