【感想】地磁気の逆転~地球最大の謎に挑んだ科学者たち、そして何が起こるのか~

アランナ・ミッチェル, 熊谷玲美 / 光文社
(7件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • 金沢大学地球惑星科学コース

    金沢大学地球惑星科学コース

    今地球は77 万年前からブリュン正磁極期にある。本書はこのブリュン正磁極期の名前の由来であり、地磁気の逆転を最初に報告したベルナール・ブリュンをはじめとした数多くの研究者たちが地磁気をどのように発見し現在まで研究したかを描いている。それらと並行して第一章では磁石・磁気について、第2 章では電気について、第三章ではコアについて、第4 章では逆転後の影響を軸に話を展開している。そして巻末には熊本大学の渋谷秀敏先生のチバニアンの解説が収録されている。チバニアンが日本ではじめてGSSP に認定されたのは記憶に新しい。チバニアン認定の最大の決め手となった最後の地磁気逆転の境界である松山-ブリュン境界の重要性を理解するうえでも本書を読む価値はあるだろう。地磁気の逆転は10 年以上前に話題になったがチバニアンが認定された今本書読むことで人類が有史以降見たことがない現象を今一度知ることができる。
    そのなかでも特にいつ起こるのかわかっていない地磁気逆転に対して私たち人追ができることはあるのか、そのようなことを考えるきっかけになるであろう。
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    投稿日:2020.07.20

  • kkc06173

    kkc06173

    地磁気が今とは逆のS極が北を指していたことがあることを、発見の歴史とともに、電磁気学の発展も含めて述べ、地磁気がもしなくなったら、というたらればの影響(ちょっと怖い)をにも触れてます。
    最新の磁場の状況とか、専門家のインタビュー時の時に触れているので、もう少しビジュアル載せてくれたら、もっと分かりやすいのにな、と思った。
    最後の解説に「チバニアン」について書かれていたので、☆4つくらいあげたいけど、全般的に読みにくかった。
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    投稿日:2020.03.20

  • Dr.(読多ー)あんころ猫

    Dr.(読多ー)あんころ猫

    地球は巨大な磁石であり北極がN、南極がSを示すことは周知だが、実はこのNSの地磁気が地球の歴史で何度も逆転していて、しかも近い将来におそれが起きるかもしれない、という話。

    まるでミステリー作品を読むような面白さで夢中で読み進んでしまいます。

    最終章ではもし地磁気が逆転するとどんな事が起こるのか、という話になるがこれはかなり怖い内容で、ミステリーというよりはホラーです。

    個人的には科学における電磁気力の歴史や発見、仕組みなどがとても面白く読んでいてとても興奮する内容でした。

    地磁気の逆転については読後感はスッキリしない内容ですが、電磁気力についてはすっごい勉強になる内容です。

    個人的にはとても面白い本でした。
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    投稿日:2019.09.30

  • hiro

    hiro

    最後のチバニアンはいらない、蛇足。話が小さくなった。地球ダイナモから、地域の話題で終わりとなるとありゃりゃとなった。ここは読まないほうがいいです。あるいは最初に読んだ方がいいかな。地磁気逆転!どのくらい予測されているのか気になって読み続けたけど500年という話が出てきて安心しました。その程度の精度だということでしょう。500年先なんて何世代あとなんだ?続きを読む

    投稿日:2019.08.07

  • izusaku

    izusaku

     78万年まえの地磁気の逆転について詳細に語られている。現在はブリュン正磁極期と呼ばれるとのこと。ブリュンとは磁極の逆転を発見した科学者。また、日本の科学者で松山基範が逆磁極期の研究で名を残している。
     磁極の測定について、「溶岩で焼かれた粘土層」はそれまでの磁化方位が解消され、粘土層が焼かれた後に溶岩と同じ磁化方位を獲得する。これが地磁気の逆転の裏付けになるという。とてつもなく地道な作業だ。その証拠が残っている地層が「チバニアン」だ。
     著者は大変丁寧に取材して詳細を記述しているが、図を一切使っていない。著者の意図があるのだろう。
     
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    投稿日:2019.06.02

  • noisyduck

    noisyduck

    本書はその題名の通り、最近「チバニアン」として話題となった「地磁気の逆転」を、そもそも磁気とは何かから、その逆転現象の発見に至る歴史、そしてそれによる影響の予測にまで踏み込んだ解説書だ。著者はジャーナリストで多くの専門家に接触した上で本書を書き上げており、論述は多岐にわたる。ごく専門的な部分があり、一般読者には分かり難いところもあるが、例えば「不対電子」が磁気を生む」など、これまで思ったこともない知識が得られ、知的好奇心を大いに刺激される。地球誕生後これまでに数100回の「逆転」があり、それは平均30万年に1回起こり、最新の「逆転」は約78万年前にあったと推定されている。従って、それは現人類の発生以前のことであり、誰も経験したことがなく、勿論人類による記録は何も無い。これから起こることは、全て推論に過ぎず、本書の第30章の最終部分には、この点の結論じみた記述がある。「地球磁場は弱まりつつある。北磁極は動き回っている。南大西洋磁気異常帯は移動していて、急速に影響度を高めており、変化をもたらす大きな要因となりつつある。こういったことはどれも、私たちが暮らすこの回転する磁石の表面下で、謎めいたふるまいが起こっていることを示している。」即ち、現状では次に起こるであろう「逆転」については、ほとんど何も分かっていないということだ。いつ起こるのか、どういう兆候があるのか、起こった時の人間を含む生物への影響はどうかーー絶滅するのか、などなど。
    この本で驚くべきことは、写真、図表、グラフ、イラストなどの図版が一切載っていないことだ。科学関係の本で、こんなことはほとんどあり得ない。ある事象を説明するに、文章のみの記述で理解せよということだ。実際のところ、図版が同時に記載っていればもっとはっきりとした知識が得られたであろうと思われる。それともう一つ、文章の句点(、)の打ち方がおかしな所が多々あり、読み難い部分があることを指摘しておきたい。
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    投稿日:2019.05.30

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