【感想】トロイメライ

村山早紀, げみ / 立東舎
(19件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
5
6
4
2
0

ブクログレビュー

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  • みるくちょこれもみーどん

    みるくちょこれもみーどん

    小さな物語にそれぞれ味があって、少し切なくもあり、温かくもあり、楽しませていただきました。

    挿絵も綺麗で、物語をイメージしながら読み進められました。

    ありがとうございました。

    投稿日:2024.02.12

  • つくね

    つくね

    この本は、ブク友の間で流行ってた本だって今頃になって手に取った作品。村山早紀さんの短編3つに、げみさんのイラストのコラボ作品。大人の絵本って感じでサクッと読んでみました。

    シューマンのピアノ曲「トロイメライ」は聞き覚えのある曲で学校の下校時に流れていた記憶です。
    この曲が始まると「下校時刻になりました。生徒はすみやかに下校してください」ってアナウンスが未だに脳内再生されるフェードアウトを促す曲でした。

    人の想像力は現実と溶け込んでどれくらいの割合なら非現実の世界を違和感なく受け入れることができるのか。幻想だと気づいていても、心地よく注がれるワインのように受け容れていつの間にか夢見ごこちになってしまう。

    猫が人間のように思考するのはもはやデフォルト、ひな人形が突然動きだしても違和感を飛び越えて微笑ましく思ってしまう。
    こんな設定を平気で受入れてしまう感覚は何処からくるのだろう。

    最初の話は、実現しそうな近未来の話。温暖化が進み向日葵が春に咲く花になっているとか、ロボットも人と心を通じあえるぐらいに進化したのに、戦争に駆り出されるとか未来に希望を見出すことのできなくなった少女は何処に向かうのか・・・

    愛猫とすごした15年、猫の一生は、人間の五分の一生ぐらいだから人が猫の境地に辿りつくのに五倍も時間かかってしまうのかって思ってしまった。
    ひな人形に宿った魂は永遠の時をすごすことになってしまって対照的に映りましたが・・・。

    ただぼんやり見つめながら、この現実を明るい未来に変えていける力になればいいなって思いました。
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    投稿日:2023.12.22

  • 湖永

    湖永

    村山早紀さんとげみさんのコラボ。

    柔らかな風合いの心に染みる絵に癒されながら優しい文章を楽しめた。

    「トロイメライ」春のはじまりを教える花になったひまわりに驚きながら少女の目線を追う。
    ひまわりを見ながら昔の日本くらいの涼しさになるようにって魔法を使いたい少女。
    ロボットと共存する世界でも戦争があることにどうにかしたいと思う気持ちは変わらない。
    未来は明るいことを見たい。

    「桜の木の下で」猫とゆりちゃんは同じ歳。
    猫はすっかりおばあさんだけどゆりちゃんのことを思っているのがよくわかる。

    「秋の祭り」捨てられていた古いお雛様とお内裏様、三人官女と一人暮らしのおばあさんとの出会い。
    熱を出して寝ていたおばあさんの看病をするお雛様たち。
    お礼に着物を縫ってあげたおばあさん。
    踊るお雛様たちに手拍子するおばあさんにほっこり。
    幸せな気分になる。



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    投稿日:2023.08.31

  • チーニャ、ピーナッツが好き

    チーニャ、ピーナッツが好き

    村上早紀 × げみさんコラボ作品
    「トロイメライ」を読みました。
    表題作「トロイメライ」の他二編の、短編集。
    どれも、とても良かった。

    「トロイメライ」とはドイツ語で「夢」という意味。
    シューマンの有名なピアノ曲。
    ゆったりとした夢心地気分の幻想的なメロディ。
    オルゴールなどにも使われていることも多く、ちょっと聴いてみたら懐かしいように感じた…。

    「テルミン」という電子楽器、皆さんはご存知でしたか?
    私は知らなくて調べてみました。
    1920年に発明された世界最古の電子楽器。
    なんと、触れずに演奏できることが特徴。
    アンテナに手を近づけたり、逆に遠ざけたりして演奏できる楽器でその姿はまるで魔法使いのよう!
    YouTubeで聴いてみたら、心の癒やしになるような伸びやかで柔らかいその音色はトロイメライを演奏するのにはピッタリで聴いたことは初めてだと思うけれど、懐かしいような不思議な気持ちになった。
    表紙のイラストがテルミンを演奏しているところの絵だったんだ…と、あとから気がついた!

    「トロイメライ」というこのお話は、向日葵が春の花として認知されていて、夏が異常に熱くなる日本の近未来。
    ロボットが家庭に浸透して日常を支えている。
    家族となったロボットたちが戦争にまで駆り出されてしまう。
    「なんでこんなことになっちゃったの?
    一体誰が戦争なんてしたいの?」
    と、死んだ詩郎お兄ちゃん代わりのロボットに、小学生の愛美ちゃんが言うところが辛かったな…!
    異常気象にしても、戦争にしてもこんな未来を容易く想像できてしまうところに今、私達はいるんだなと思うと、やるせない。
    今は八月で、戦争についても、あまりの暑さについても考えさせられている。

    未来の子どもたちが悲しまないような世界になっていますように…と願わずには…いられない!!





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    投稿日:2023.08.18

  • かな

    かな

    こちらも村山早紀さんとげみさんのコラボ作品です。村山早紀さんの描くストーリーに、げみさんの挿画、もうホントすごくいいんです♪

    「トロイメライ」:向日葵が春に咲く近未来、ロボットが人間とともに日々の生活を送るようになっていた…。ある日突然勃発した戦争に、人間とロボットが駆り出されることになったとき、残させた家族は…。
    「桜の木の下で」:15歳のゆりちゃんと同じ年の猫との心温まるお話。
    「秋の祭り」:捨てられたお雛様とお内裏様に魂が宿った…お雛様とお内裏様は何を思い、どんな行動をとるか…。

    一番心に残ったのは、表題の「トロイメライ」ですね…。近い未来、こんな世の中がくるのではないか…その時私ならどうするか、また今ロシアによるウクライナ侵攻の収束が見えないこともあって、『人間に与えられた「知恵と言葉」を使ってみんなが幸せになる世界』…考えさせられました。猫ちゃんとお雛様・お内裏様のお話は、読み終えてあったかい気持ちになりました(#^^#)
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    投稿日:2023.05.15

  • 秀吉z

    秀吉z

    このレビューはネタバレを含みます

    短編小説集で読みやすかったです。




    「トロイメライ」がお気に入りです。
    ロボットと戦争についての話を最後どうなったのかかかないのがいいなと思いました。


    素敵な作品をありがとうございました

    レビューの続きを読む

    投稿日:2021.10.04

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