【感想】140字の戦争 SNSが戦場を変えた

デイヴィッド パトリカラコス, 江口 泰子 / 早川書房
(16件のレビュー)

総合評価:

平均 3.5
2
5
7
1
0
  • ナラティブ戦の実態を追求した初期の1冊

    少し前の本(原著2017年、邦訳2019年)で、語られている内容に懐かしさを感じると同時に、今日に地続きで感嘆するところが多かった。
    その中でも、マイダン革命やクリミア編入でウクライナに緊張が走っていた2014年にロシアの「トロール工場」(ネット言論捏造・荒らしのパイロットプラント)で働いていた若者の話が興味深い。その主がワグネルのプリゴジンで、彼らにX Blueを売ることのヤバさなどに思いをめぐらせている。続きを読む

    投稿日:2023.08.22

ブクログレビュー

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  • macn

    macn

    法律変わって、ネットの情報を安易に信じて拡散するとあっさり訴えられる時代になりましたね。
    イーロン・マスクのお陰でtwitterの環境が変わってからこの本読みましたが、テロリスト・カルト信者・反政府主義者なんかは、多分この環境にも適応して信者増やそうとするのかなぁとうんざりした気分になりました。
    自分だけは騙されないと考えないで用心しなきゃね。

    追記
    一般社団法人colaboの不正会計問題でホモ・デジタリウスな動きをする人が出てきてますね。
    続きを読む

    投稿日:2022.11.17

  • gakudaiprof

    gakudaiprof

    戦争でそれぞれ当自国が正当化するために、個人がSNSでそれぞれ宣伝していくかの事例である。
     イスラエルとパレスチナ自治区、ロシアとウクライナまではよかったがISについてはSNSとあまり関係ない勧誘の事件まで入っていた。
     どれかひとつ、例えば、ロシアとウクライナについてだけの話でも十分に1冊の本になるであろう。
    続きを読む

    投稿日:2022.07.29

  • minako2009

    minako2009

    ロシアのやってることはずっと変わっていないんだな、と思いました。
    逆に今、行われているウクライナの戦争を考えると生き急いでる感じがしてなんで?と思う。

    投稿日:2022.07.16

  • taba-ru

    taba-ru

    しばらく積読になっていたものを自分の休暇というタイミングで手に取り、その途中でロシアがウクライナに侵攻してしまった。なんとなく感じていたSNSの影響力、それが戦争で果たす役割についてガツンと事例で殴られながら思い知らされる感覚であった。続きを読む

    投稿日:2022.03.03

  • 亞綺羅

    亞綺羅

    借りたもの。
    現在進行形で、SNSの世論への影響の深さとそれが戦争にどのような影響を与えるのかをまとめた一冊。
    ジョン・キーガン『情報と戦争』( https://booklog.jp/item/1/4120051285 )は戦争の勝敗を左右する情報収集・情報戦の話が主体だったが、こちらはプロパガンダに関連する内容だった。
    パレスチナ、ウクライナ、IS問題を通し、SNSが人々を繋げるだけでなく、分断することを指摘する。

    著者が‘ホモ・デジタリス’と定義する、インターネットを介して世界的なネットワークを築き上げ、影響力を発揮する現代人。
    報道と異なる、リアルタイムでその危機を中継・訴える。その臨場感。
    それらは感情に訴えてくる――死の恐怖、子供の死――。それは誘発する、怒りを。
    ‘中央集権化した国家権力に対峙するのは、分散化した市民の力である(p.214)’
    それが大きな大きなうねりとなり、窮状の改善を訴え、反対運動などが起る……
    しかし、それらは必ずしも良い方向に転ばない。

    興味深かったのは、ロシアによる情報戦に関する検証。
    外交にも内政にも“情報戦”の扱い方を心得ていることを感じさせる。
    トロール(荒らし)工場と言える、ウェブメディアのフェイクニュース生成会社の存在を紹介。
    2014年7月17日のマレーシア航空17便撃墜事件のロシア側の嘘を、一般人がネットを用いて暴いた等……
    SNSの二面性、両刃の剣である事例が挙げられてゆく。
    著者はこれを新たな力、新たな脅威として捉えていることが伝わってくる。それは市民、国家権力双方に。
    どちらも言えることは、「正しい情報を、ありのまま伝えよ」という所か。
    プロパガンダがSNSによって大きく変わる可能性があるのは事実だろう。

    しかし……SNSがもたらしたこれら世論が、どれだけ世界情勢、戦争の結果を左右する影響を与えたのだろうか?ロシアは結局クリミアを併合したし、パレスチナとイスラエルの問題は解決しない。
    状況が固定されると、既成事実を覆すことはできなかった。

    そうなる前に事を改善できないという事実があった、という事だろうか。
    過去の事例の検証に関しては、非常に興味深い話だった。未来に関しては、この本からは何もわからない……
    戦争の仕方が、これで変わるとは思えない……

    そこから疑問を持つ。
    「“戦争”とは何か?」と……
    短絡的に“武力衝突”が「戦争」というイメージもあるが、こうした情報戦による既成事実の生成、主導権争いそのものが“戦争”ではないか、と。
    対立・分断の空気を醸造し、S&TOUTCOMES『民間人のための戦場行動マニュアル』( https://booklog.jp/item/1/4416519354 )でもあった、戦争が始まる前の予兆そのものだった。

    flier紹介。( https://www.flierinc.com/summary/2045 )
    続きを読む

    投稿日:2020.12.05

  • 改野由佳

    改野由佳

    新しい戦争の正体、それは140字で語られる戦地の個人の叫びに呼応してできる見過ごせない「うねり」。冷徹な政治判断や戦地での作戦が、多くの人の感情的な「いいね」やリツイートによって曝かれるだけでなく、そもそも戦争の作戦として利用されている現実を知らずに、今の世界や平和について語ることはできないと感じた。続きを読む

    投稿日:2020.08.10

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