【感想】「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界が明治に存在したので20万字くらいかけて紹介する本

山下泰平 / 柏書房
(29件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
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ブクログレビュー

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  • hengsu

    hengsu

    文学、というか、物語が湧き上がっていた時代の熱意を、下手な小説らから感じ取れる。言ってみれば、膨大な駄作の果てに、坊ちゃんやら吾輩は猫であるやら、純文学でない小説の傑作が生き残る訳で、今の時代ならネット小説、ネット漫画も同じように感じる。
    この一節に表れてると思う「ジャンルの最初期は、レベルの高い作品より、凡作や出来の悪い作品の方が愛されることがままある」
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    投稿日:2023.10.06

  • akkosan

    akkosan

    とても面白い
    こういう本が大好きだけど、なかなか見つけられない 
    この本が読めて良かった
    こういう本を読んでると毎日が楽しい


    読んでる途中で感想を書いて、読み終わるころには感想も変わるかと思ったけど読み終えるまで楽しかった
    こういう本が世の中にあると思うと毎日楽しい
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    投稿日:2022.08.11

  • kouhei1985

    kouhei1985

    日本文学史からは取り残された「明治娯楽物語」というジャンルを紹介した本。
    明治以降の近代文学というと、どうかすると苦悩して自殺するイメージがあって、当時の人はこんなのばかり読まんでいたのかと不思議に思っていたけど、やっぱり面白い話も読みたいわな、とひと安心。
    とはいえ、作り手たちは金がなく、本を売るために面白さを追求するあまり、整合性は二の次三の次、どれもこれも破天荒なものばかり。
    いやもう情報量多すぎ(笑)。


    概要は以下のとおり。

    西洋の写実的技法から、芸術は本当らしく実用的に、という明治の芸術観が生まれ、純文学はシリアスな方向に向かった。だからとかく苦悩、深刻、理想という要素が出てくる。

    「明治娯楽物語」(著者命名)は、明治二十年代後半から四十年代に隆盛を誇った、江戸と昭和のエンタメ文学を結ぶミッシングリンク的なジャンル。大きく「講談速記本」「最初期娯楽小説」「犯罪実録」に分けられる。

    講談速記本は武士や侍が主人公のものがほとんど、最初期娯楽小説は近代人の主人公を模索、犯罪実録は推理小説の前段階。リアル主義から「科学的」であることが求められたが、オカルトブームや実写映画での可視化がきっかけに超能力も受け入れられ、子供を対象にしていくことに。


    「大衆文学登場以前の粗野で乱雑な明治娯楽物語は、現在の感覚では小説とは言い難いものも多い。幼稚でどうしようもないものに見えてしまう。まさしく工業製品に対する手作りの粘土細工なのだが、そんな小説未満の物語にはなんとも表現しようのない不思議な魅力がある。」(p.44)

    市兵「ハハハハハ面白いなァ、仕返しとは面白いな、私は門を開けてやる、そこでこいつのように殴り殺してやるンだ、ネェ、母親さん。面白いだろう」
    (玉田玉秀斎・講談『[怪勇]桂市兵衛』)

    市兵「己は腹が減ったから飯をくわしてくれ」としらぬ人の家に飛び込んでせがみます。否だというと、市兵「否ならいいわ、お前の家にひをつけて焼殺してやるから左様思えッ」
    (同上)
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    投稿日:2022.06.28

  • aban

    aban

    タイトルは間違いではないけれど実際の紹介は10%位で、あとの90%は他の明治娯楽物語の紹介になる。
    で、個人的にはその90%の物語たちが全く興味を惹かれなくて辛かった。最初から明治娯楽物語の紹介というタイトルだったら手に取ってなかったかもしれないけれど期待外れ感もなかったかもしれない。
    それでも序盤はまだ面白かったけど…ひたすら強さのインフレ状態になってくるとあらすじを追うのも苦痛だった。ただ昔から、強さのインフレ状態という要素があって娯楽の少ない人々に喜ばれていたのだな、ということは分かった。
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    投稿日:2021.03.21

  • 0ctan

    0ctan

    いろいろ知らなかった読み物が紹介されていて楽しめる。一方、講談本は紹介するのに、落語、芝居、新聞小説は紹介しないの?とか、言いたいことはある。紹介の仕方は、面白さ優先で、言い切り型であるため、単純化しすぎ、言い過ぎ感がある。続きを読む

    投稿日:2021.03.20

  • ぴょん

    ぴょん

    岡田斗司夫ゼミで知り手に取りました。
    研究者がいない分野をとにかく楽しく紹介してくれた作者の努力に感謝です。マツコの知らない世界で紹介されるのを観てみたいなぁ。
    クリエイターの絶え間ない挑戦と失敗の積み重ね、社会や読者のレベルアップやニーズの変化と合わさり発展してきた結果の現代のマンガやラノベ、アニメを享受出来ることのありがたさを噛み締められます。
    これって日本独自のものなの?例えばヨーロッパではこういう方向にエンタメは発展してないよね?誰か比較研究してくれないかなぁ。
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    投稿日:2021.01.15

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