蜜蜂と遠雷(下)

恩田陸 / 幻冬舎文庫
(570件のレビュー)

総合評価:

平均 4.4
279
179
56
11
2
  • 直木賞と本屋大賞W受賞も納得の面白さ

    結構なボリュームの作品で、しかもコンクール本番の描写が多いのに、全く飽きさせることなく、夢中にさせてしまうのは、さすが直木賞&本屋大賞W受賞作。
    キャラの設定も見事だし、脇役も個性があるし、クラシックはほとんど分からないのに、ちゃんと音楽が聞こえてくる。
    映画になるみたいだけど、実際に音を出さなきゃいけないのは難しいんじゃないのかなぁ。
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    投稿日:2019.08.27

  • ずっと読んでいたい

    電子書籍ですが物語の構造上、どの辺りまで読み進めているのかは良く分かります。終わりに近付くにつれ、終わって欲しくない、ずっと読み続けていたい。そういう思いが強まっていった稀有な作品。

    投稿日:2021.01.15

  • 自然は心の中に、音楽は自然の中に

     確かこれは、シンセサイザー奏者の喜多郎の言葉だったと思います。
     この小説の中にも、こんな記述がありました。「元々音楽はそこらじゅうにあって、それを聞き取って譜面にする。音楽家は、預言者である。」
     話の展開は、コンペティションに臨む様々な人の想いを描いた群像劇ですが、おそらくこれが、この物語の根底に流れる物なのでしょう。
     話が話だけに、クラシックの楽曲は勿論、フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン等それ以外も数多く出てきます。私はとくにクラシックファンというわけではありませんが、それでもLPだけみれば、最も多いジャンルがクラシックです。しかし、全く知らない楽曲も数多くありました。この本はガイドブックとしても使えるかもしれませんね。
     とは言え、やはり気になるのは「春と修羅」でしょう。どんな楽曲なのでしょうか。この曲の途中にアドリブ部分を設けたという設定がいいですよね。
     音楽家の感性というものは、我々凡人とは全く異なります。以前テレビで辻井伸行氏の即興演奏を聞いたことがあります。勿論、彼の既成楽曲の演奏も言うまでもありませんが、彼の弾く自然の描写、小川のせせらぎ、鳥のさえずりを表現した音楽には驚愕いたしました。演奏よりも創作に力を入れた方が良いのではと思ったほどです。彼のような音楽家達が奏でる即興部分の演奏は、いったいどのようなものなのでしょうか。その一方で、それを余すことなく描写する恩田陸の力量たるやスゴイと思わざるを得ません。
     巻末の解説で編集者の方が寄稿しておらせますが、綿密な取材と絞り出すような努力によって書かれた小説とのこと。そうなんでしょうね。
     とくに楽器演奏をしたことのある人ならば、いやスポーツ等でも同じかもしれませんが、この小説で書かれているとおり、一生懸命練習していると、今まで全く弾けなかったフレーズがある日突然、スムーズに出来るようになったりするものです。また、オレって天才かも?なんて思ったり、ぜ~んぜんダメだ!と落ち込んだりするのも、小説に書かれているとおりです。
     登場人物達はいずれも個性的な面々で、若者の熱情あふれる群像劇ですが、そこに家庭を持つコンテスタントを一人入れるという設定もいいですよね。物語に厚みが出ていました。彼が予選で落ちてしまって、ちょっと寂しいなと思っていたら、最後に嬉しい出来事がありましたね。ホント良かったと思います。
     この物語は、音楽に魅せられた人々を描きつつ、作者のあふれ出る音楽に対する愛情が沢山詰まった傑作だと思います。
     で、これが映画になり、もうすぐ公開とのこと。映像化は不可能だと言われていたのも、読み終えた今では、まったくその通りだと思います。どんな作品になっているか今から楽しみであります。
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    投稿日:2019.09.09

ブクログレビュー

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  • URIKO

    URIKO

    このレビューはネタバレを含みます

    下巻も瞬く間に読んでしまった。
    再読だから、もっとじっくり読もうと思いつつも、「ページをめくる手がとまらない」とはこのことだと思った。
    隙間時間で読むことが多いのだけれど、そのほんの隙間時間に読んでも、物語の中にどっぷりと入り込めて、さらにその物語の中の音楽に浸っていける、本当に心地の良い読書だった。

    三次予選のマサルの演奏、リストのピアノ・ソナタロ短調に対する壮大な物語がすごすぎて、一瞬今私何読んでるの?となって、少しここだけボリュームがあり過ぎた感はあるけれど、一方で、ひとつの曲が(ここではリストのピアノ・ソナタロ短調)、ここまで壮大な物語を弾き手から引き出すという事実を初めて知った、見てしまった、という感じ。後世に残る有名クラシックとなる所以はこういうところなのかと。本選ではさらに、それぞれの演奏の聞き手がファンタジーのように異空間に行く描写が多く、このことを強く感じた。

    亜夜とマサルの昔の出会いと、今回の再会や、亜夜と塵の練習中のセッション、亜夜と明石のつかの間の交流なんかは、あまりにも出来すぎ、キレイすぎ、と思うけれど、それでいい、小説だもの(みつを)と思う。
    ん?ということはやはりこの物語の主人公は亜夜なんだな、亜夜が軸となって物語が広がってるんだな。マサルは「やっぱりアーちゃんはすごい」と思うし、明石にとってはアイドルであり、ファンだったわけだし、塵は「一緒に音楽を外に連れ出せるのはこのお姉さん」と思っている。

    上巻のレビューで明石推しということを書いたけれど、ステージマネージャーの田久保さんも素敵。ちょこちょこっとしか登場してこないのに、「あ、田久保さん出てきた!」とホッとできるし、田久保さんの人となりがこんなにも伝わってくるってすごい。
    審査員の三枝子やナサニエルなどの個性も本当によく設定されている。脇役とは思えない。あ、作者にとっては、脇役じゃないのかも・・・

    そして、あらためて音楽を言葉で表現することの大変さ、それをしてしまった作者の力量に驚愕する。音楽を形容する言葉の羅列に圧倒され、「これって、どんなピアノなのよーーーーー!!」と大変じれったい気持ちになる。これがたまらない。(変態)

    全体を通して、視点がコロコロと変わるところが、なんとなくドキュメンタリーのようで面白いし、これだけの長編でも、間延びしないというか、パキパキと切り替えて読んでいける秘訣なのかなと思った。

    得点がはっきりとわかるスポーツと違って芸術の才能って何なんだろう。コンクールで順位をつけていくことの意義を示しながらも、常にこういう疑念がたくさんの人の中にあるのだろうと思った。明石やジェニファー・チャンと、本選まで進んだマサル、塵や亜夜を隔てるものは何なんだろうか。それについての答えはないけれど、結局私たちは好きなように音楽を聴けば良いのだと思う。例えば、上位入賞者のピアノより、先に敗退したコンテスタントのピアノが心に残ることがあれば、そのコンテスタントにも才能があるんだと、弾けない側からしたら、そう思う。

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    投稿日:2023.05.14

  • Astar

    Astar

    音楽って、音って、言葉にできるんだ!
    曲って物語なんだ!
    それが、まず最初の感想。
    形に現れないものを言葉で表現するって、素晴らしいなと思う。
    まるでその曲が、そのコンテスタントが弾いている曲が、聞こえてくるかのような言葉の嵐。
    次々に曲が頭の中を追いかけてくる感じ。
    言葉の表現って無限だなって思う。
    素晴らしい。
    読み終わった時には、美しい曲のシャワーにすっかり癒されて、まるで自然の中にいるような清々しい気分になった。
    マサル、亜矢、塵、3人の今後もとても楽しみだ。
    彼らの演奏が聴けるのなら、聴いてみたい!
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    投稿日:2023.05.13

  • ひで

    ひで

    このレビューはネタバレを含みます

    最高に面白かった。直木賞と本屋大賞は納得した…

    本選の最後の表現の仕方、本当にこれが作家だなぁ…天才だなぁ…と思った。亜夜の演奏の開始と同時に審査員のアフタートークが始まる。そして最後に結果の表だけを見せる。天才だと思う。
    本読んでて、読者任せにされてこんなに満足したのは初めてだと思う。亜夜の演奏中の心の動き、知りたいとも思うけど、読んでてもうすでに知っているかのようにも思う。不思議な感覚。

    続編も読みます。

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    投稿日:2023.05.12

  • Soooo

    Soooo

    このレビューはネタバレを含みます

    下巻を読み終わってしまうのがもったいないような気がして、上巻から寝かしていたこの下巻。

    上巻に引き続き、色々なタイプの天才を存分に味わえる作品。マサルも塵も亜矢も圧倒的な才能と素朴な人柄が本当に好ましく全員のことを応援したくなる。もちろん明石も。

    そんな天才達が自分の音楽を追求し人間的にも成長していく姿が輝いていた。
    演奏シーンの表現力は圧巻で、立体的に音が聞こえたり音楽のイメージが目に浮かびVRを見ているような感覚に。全体的に透明感がある物語で読了感がものすごく良い!

    嫌味なところがなく気持ちよい物語なのでまた読みたい!今度は作品中にでてきたクラシックを聴きながら読み進めたい。

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    投稿日:2023.05.10

  • ずんだちゃん

    ずんだちゃん

    本の楽しさを思い出させてくれた作品。
    音楽という言葉になかなかできない素晴らしさを、綺麗に、様々な表現で伝えてくれる作品。

    投稿日:2023.05.08

  • へも

    へも

    最高だった。
    登場人物それぞれにドラマがあり、コンクールを通して成長を遂げていく姿に感動した。
    過酷だが抗えない魅力を持った音楽というものに、携わるみんなが素敵だった。
    今年のナンバーワン候補。

    投稿日:2023.05.08

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