蜜蜂と遠雷(下)

恩田陸 / 幻冬舎文庫
(425件のレビュー)

総合評価:

平均 4.4
204
129
44
9
1
  • 直木賞と本屋大賞W受賞も納得の面白さ

    結構なボリュームの作品で、しかもコンクール本番の描写が多いのに、全く飽きさせることなく、夢中にさせてしまうのは、さすが直木賞&本屋大賞W受賞作。
    キャラの設定も見事だし、脇役も個性があるし、クラシックはほとんど分からないのに、ちゃんと音楽が聞こえてくる。
    映画になるみたいだけど、実際に音を出さなきゃいけないのは難しいんじゃないのかなぁ。
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    投稿日:2019.08.27

  • 自然は心の中に、音楽は自然の中に

     確かこれは、シンセサイザー奏者の喜多郎の言葉だったと思います。
     この小説の中にも、こんな記述がありました。「元々音楽はそこらじゅうにあって、それを聞き取って譜面にする。音楽家は、預言者である。」
     話の展開は、コンペティションに臨む様々な人の想いを描いた群像劇ですが、おそらくこれが、この物語の根底に流れる物なのでしょう。
     話が話だけに、クラシックの楽曲は勿論、フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン等それ以外も数多く出てきます。私はとくにクラシックファンというわけではありませんが、それでもLPだけみれば、最も多いジャンルがクラシックです。しかし、全く知らない楽曲も数多くありました。この本はガイドブックとしても使えるかもしれませんね。
     とは言え、やはり気になるのは「春と修羅」でしょう。どんな楽曲なのでしょうか。この曲の途中にアドリブ部分を設けたという設定がいいですよね。
     音楽家の感性というものは、我々凡人とは全く異なります。以前テレビで辻井伸行氏の即興演奏を聞いたことがあります。勿論、彼の既成楽曲の演奏も言うまでもありませんが、彼の弾く自然の描写、小川のせせらぎ、鳥のさえずりを表現した音楽には驚愕いたしました。演奏よりも創作に力を入れた方が良いのではと思ったほどです。彼のような音楽家達が奏でる即興部分の演奏は、いったいどのようなものなのでしょうか。その一方で、それを余すことなく描写する恩田陸の力量たるやスゴイと思わざるを得ません。
     巻末の解説で編集者の方が寄稿しておらせますが、綿密な取材と絞り出すような努力によって書かれた小説とのこと。そうなんでしょうね。
     とくに楽器演奏をしたことのある人ならば、いやスポーツ等でも同じかもしれませんが、この小説で書かれているとおり、一生懸命練習していると、今まで全く弾けなかったフレーズがある日突然、スムーズに出来るようになったりするものです。また、オレって天才かも?なんて思ったり、ぜ~んぜんダメだ!と落ち込んだりするのも、小説に書かれているとおりです。
     登場人物達はいずれも個性的な面々で、若者の熱情あふれる群像劇ですが、そこに家庭を持つコンテスタントを一人入れるという設定もいいですよね。物語に厚みが出ていました。彼が予選で落ちてしまって、ちょっと寂しいなと思っていたら、最後に嬉しい出来事がありましたね。ホント良かったと思います。
     この物語は、音楽に魅せられた人々を描きつつ、作者のあふれ出る音楽に対する愛情が沢山詰まった傑作だと思います。
     で、これが映画になり、もうすぐ公開とのこと。映像化は不可能だと言われていたのも、読み終えた今では、まったくその通りだと思います。どんな作品になっているか今から楽しみであります。
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    投稿日:2019.09.09

  • ずっと読んでいたい

    電子書籍ですが物語の構造上、どの辺りまで読み進めているのかは良く分かります。終わりに近付くにつれ、終わって欲しくない、ずっと読み続けていたい。そういう思いが強まっていった稀有な作品。

    投稿日:2021.01.15

ブクログレビュー

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  • さま

    さま

    下巻は特に栄伝亜夜という天才が風間塵のピアノに影響を受けて、省みて恥ずかしくなったり畏れたり人間らしい様子が見られてよかった。明らかに天才の亜夜もこういう気持ちになるんだなと共感できるのが楽しかった。亜夜やマサルには人間味があるのに対し結局最後までよく分からなかった風間塵。音楽の神様に愛された子。少年漫画に出てくる柔和な笑顔を浮かべた少年(強キャラ)なイメージで読んでた。風間塵って藤井風やん。また、栄伝亜夜と風間塵というネーミングセンスが良い。
    正直、演奏描写が長すぎて後半はダレた。しかしちょこっと入る先述した亜夜の心情変化や奏目線から見た天才3人(亜夜、マサル、塵)の会話などが楽しかった。
    あとがきも面白かった。だよねー、これは時間がかかる小説だよ…取材にも時間かかるし知識がないとここまで書けない。
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    投稿日:2022.01.09

  • heavy3

    heavy3

    本戦での亜夜の演奏シーンの情景も読みたかったところですが、あえて書かなかったのでしょう。恩田先生も塵を予選で落とすと言ったりしたとのことで、順位をどうするか迷われたことと感じました。連載時は巻末に載っている審査結果も無かったとのことで、これらは読者に任せるということなのでしょう。(順位は三枝子とナサニエルの会話から想像はできますが)続きを読む

    投稿日:2022.01.02

  • sayu

    sayu

    おもしろかった。キャラクターでいうと明石くんのファンになった。
    私は小学生の頃ピアノを習っていたけれど、ただ音符をなぞるだけだった。中学の音楽の授業で習う作曲家や曲の背景については考えたことがなかった。中学生になってそれを授業で聞いても全く興味がわかなかった。でもこの本を読むと、気になる。音楽家はそれを学んで表現して伝えることをする。深いなと思った。「音楽する」
    音楽家を見る目、聴く耳がこの本を読んで変わりました。コンサートを聴きに行きたいです。
    音楽を通していろいろと書かれているけれど、自分の人生にも通じることがたくさんあった。仕事にも。んー、もう一回読みたいけど、いつになるかな。
    あと巻末の 解説 は編集者のリアルがおもしろかった。1冊の本が出来上がるまで作家さんは苦労があるんだよなと感じた。やっぱり本を大切にしていきたいと思った。
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    投稿日:2021.12.27

  • 池

    あらすじ
    史上初となる直木賞&本屋大賞のW受賞を果たした恩田陸の傑作ベストセラーを実写映画化した音楽青春ドラマ。 国際ピアノコンクールを舞台に、それぞれに事情を抱えながら大会に挑む4人の若手ピアニストの葛藤と成長を描く。
    感想
    最高傑作 頁から音楽が聴こえてきた。
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    投稿日:2021.12.09

  • 1352924番目の読書家

    1352924番目の読書家

    上に引き続き尻すぼみになることなく一気に読み切れる勢いと起伏と面白さがあった。読了直後にショパンピアノ国際コンクールがあることを大学近くのYAMAHA楽器店の張り紙で知った。ピアノコンクールについての本を読んだ後だっため少し気にかかっていた。その後同コンクールでの日本人2人の受賞が音楽界隈を超えて日本全国で話題になっており、うち1人は若い頃から注目されてCDなど出している方だったためリアル蜜蜂と遠雷じゃん!と興奮した。

    この本を読んでいなければ国際コンクールの張り紙を気にかけることもなかっただろうし、日本人の受賞も見出しを見るだけでその後記憶に残ることもなかっただろう。興味の分野が広がり日常が色付くという読書の醍醐味を久しぶりにダイレクトにベストタイミングで体験できてワクワクした。最近読書のペースが落ちていたが、またたくさん本を読みたいなと思うきっかけになった。
    続きを読む

    投稿日:2021.12.07

  • あや

    あや

    先に小説を読んだら、正解でした。
    ピアノの音を、あんな風に描写できるんだっていう表現の可能性を感じたし、音の想像が膨らみまくって大変でした。
    映画も併せて観られることも、お勧めしておきます。

    投稿日:2021.11.27

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