【感想】なぜ大谷翔平はメジャーを沸かせるのか

ロバート・ホワイティング, 阿部耕三 / NHK出版
(2件のレビュー)

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  • cronista

    cronista

    ※2年前の本なので今の大谷の活躍の解説本ではありません。

     打者か投手かに絞らないとメジャーではやっていけないとの大方の予想を覆し、大谷翔平はメジャーでも二刀流を貫き、今シーズンはホームラン数ではトップ争いをしている。
     確かにどちらかに絞れば、彼の実力ならメジャー屈指のホームランバッターにもなれるし、メジャー屈指の剛腕投手にもなれる。しかしアメリカのファンはそれを期待していない。
     
     大リーグの歴史の中で数々のホームランバッターが活躍してきた。数々の投手がその剛腕をみせつけてきた。でも、その両方を成し遂げた選手はいまだいない。

     時々ベーブルースと比較されるが、彼が二刀流だったのは数年で、後には打者に専念しているのは周知のとおり。
     アメリカのファンは今までの大リーグの歴史にはない前人未到の地を行く怪物の活躍を楽しんでいるのだ。

     仮に今シーズンに投手として6~7勝(ちょっと微妙かな…)、打者としてHR30本(これは軽く超えていく気がする)の成績を残したら、大リーグの歴史に刻まれるほどの偉業だ。その辺りのことは、日本のファンよりアメリカのファンの方がその凄さがわかっているかもしれない。
     あとはケガさえしなければ、と活躍を祈らずにはいられない。
     
     さらに大谷がメジャーで受け入れられる理由は、あの人懐っこい笑顔だ。
     メージャー初ホームランのとき、彼はチームメイトから恒例のサイレントトリートメントの洗礼を受けた。しかし無邪気にはしゃいで祝福を求める大谷の姿に、チームメイトは思わず吹き出し、サイレンントリートメントは失敗、すぐにもみくちゃにされた。その様子を見たファンも心をわし掴みにされた。らしい。よく笑うという点でも大谷は今までの日本人メジャーリーガーとは違うのだ。(川崎宗則も愛されキャラだったけど成績では大きく劣る)

     野茂英雄もトルネード旋風を巻き起こしたが、口数が少なく仏頂面だった。何年もチームメイトとしてすごした選手が、彼とは数回しか会話したことがない、と言っていたのにはびっくり。
    彼は背中で語るタイプだった。

     イチローも驚異的な成績でメジャーの歴史にその名を刻んだ名選手だが、チームメイトからは自分の成績ばかり気にしていると陰口を言われる時期もあった。メジャー流の練習法(追い込むほどの練習はしない)を拒否し、ストイックに自己流練習メニューをこなすイチローは異様に映った。だからこそあの成績を残せたのだけれど、野球の文化としては異質だったに違いない。

     この本、大谷に関して書いてあるのは1章だけなので、書名としては勘違いしてしまうところもあるが、日本人メジャーリーガーの先人たちの活躍があってこその、今の大谷フィーバーがある。という構成をとっている。

     伊良部なんてメジャー挑戦失敗というイメージしかなかったけど、今じゃ当たり前になったポスティングシステムができたのは伊良部のおかげらしい。伊良部がいなければ大谷のメジャー挑戦はもっもあとになっていたのかもしれない。そんな歴史もわかる良い本。

     それを知ってしまうと尚のこと、伊良部のあんな最期が悲しくなる。
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    投稿日:2021.08.13

  • ドラソル

    ドラソル

    大谷翔平だけではなく、NPBの歴代外国人選手と、逆にMLBに進出した日本人選手について綴った一冊。

    外国人側から見たNPB、日本人選手感が面白かった。

    投稿日:2020.04.05

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