【感想】キッシンジャー 1923-1968 理想主義者 2

ニーアル・ファーガソン, 村井 章子 / 日経BP
(1件のレビュー)

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    キッシンジャーの傑作評伝の下巻。舞台となるのは、ハーバード大学の教鞭を取りながら、大富豪ロックフェラーの大統領選の参謀として徐々に政治の世界に足を踏み入れる1958年から。そして下巻の中心となるベトナム戦争の和平工作に足を踏み入れながらも、ジョンソン政権下で結果としてはうまくいかずその営みが徒労に終わるも、ジョンソンに次ぐ大統領に就任したニクソンの元で、 NSA/国家安全保障局の大統領補佐官に就任するところまでが描かれる。

    キッシンジャーが問題視したのは、ジョンソン政権下での外交問題が、様々な部局の縦割りで統一的な戦略や意思決定プロセスを経ぬままに迷走していた点である。彼がニクソンの元で政権入りして取り組んだのは、膨大な外交に関するデータの分析手法、大統領への判断の仰ぎ方等の統一的なプロセスに関するシステムを構築することであった。その背景として、実際にどのような迷走がジョンソン政権下で行われていたのかが、この下巻では克明に描かれ、アメリカのベトナム戦争でのゲリラとの戦いが文字通り、底なし沼にはまり込んでしまっているという点を、痛切に理解することができる。

    キッシンジャーという稀代の人物を通じて、20世紀の歴史を振り返ることができる一冊。
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    投稿日:2019.06.01

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