【感想】認知症フレンドリー社会

徳田雄人 / 岩波新書
(6件のレビュー)

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ブクログレビュー

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  • can

    can

    認知症とは、長寿社会となった日本では避けては通れない問題で、ならないようにするのではなく、きちんと向き合わなければならないと思いました。また、認知症の人でも住みやすい社会環境を整えていくことが必要であり、このままではいけないなと感じました。続きを読む

    投稿日:2021.01.12

  • ntreach

    ntreach

    福祉や支援とは違う視点で、認知症の人たちが暮らしやすい社会を作るにはどうしたら良いか。

    地域の活動と業種やテーマごとの活動を縦糸と横糸のように重ね合わすことで、可能性は格段に広がる。
    そして、当事者の参加。

    社会的弱者のためにではなく、未来の当事者として、今、何ができるのか考えていくことなのだと思った。
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    投稿日:2019.07.13

  • taka_2

    taka_2

    高齢になるほど認知症になりやすくなる、日本の高齢化はますます進んでいる、つまり、認知症の人ももっと増えるということ。
    今の世の中の仕組みは、認知症でない人に合わせて作られていることが多く、認知症の人にとっては不便なことが多い。そうした仕組みを認知症の人にとっても不便のないようにするのが「認知症フレンドリー社会」
    考え方は共感出来るけどらそのために何が出来るかは、ちょっと思いつかないな。。
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    投稿日:2019.04.20

  • sunny

    sunny

    認知症をより自分自身に引き付けて考えるきっかけをくれる本。

    私達専門職がいかに「認知症対処型社会」に生きているか。
    私の髪を梳かしてくれた利用者が「嬉しい」と言った今朝のこと、胸にとめておきたい。

    ◆かかわる人の数を増やし、広げる
    ◆ゆるやかなネットワーク

    私が学生の頃から意識していた言葉。
    実現するために何ができるか落とし込んでいこう。
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    投稿日:2019.03.04

  • たまどん

    たまどん

    私が友人の家に集まって、木材を寄せ集めたスノコのようなものを友人数人で作ろうとしていたときの話。電動ドリルでねじくぎを打ち込む作業で、みんな電動ドリルを使った経験がなかったから、ドリルの回転力に振り回されずに垂直に安定させることすら上手にできず、手元をふらつかせて素人丸出しの作業が続いていた。
    そこに、その友人の祖父が姿を見せた。おじいさんは元大工だったものの、現役はずっと前に退いている。白髪で皺の多い顔からも相当のご高齢であることがうかがえ、話しかけても耳が遠いのか、こちらの言うこともよくわかってないような生返事、しかも、心もち手が震えているようにも見えた。
    そのおじいさんが私たちのヘタッピの作業を見てたのか、電動ドリルを自分で手に取った。私たちが「おじいさん、危ないからやめたほうが…」と言う間もなく、おじいさんは視線を定め、手の震えをピタリと止め、誰よりも安定した手つきで正確にドリルを使いこなし、あっと言う間に工程を終えてしまった。

    たぶんそのおじいさんは軽度の認知症だったと思う。しかし大工仕事にかけては依然として高い技術力を保っていて、その点だけに限ればりっぱに社会でも有用となるものである。この本を読んだ後、そのエピソードにこそ、著者の徳田さんが示すところの、社会全体が認知症に対してどのようにアプローチすべきかの解決策が隠れているとの思いを強くした。

    つまり認知症問題の解決とは、認知症の方(やそうでない方を含めて)の生活上の支障が取り払われ、その人の自由な意思によって社会参加を可能にすることだ。
    この考えは障がい者や妊婦などへの「バリアフリー」に近いが、それらのバリアフリーが援助を必要だと明確に見える人に対するものであり、他方で、認知症の方は一見しただけでは援助を要する方なのかが分かりにくいところが異なっている。

    援助を要するのかが見えにくい以上、その人を見て援助が必要だと判断できれば援助をするという手法は不十分。したがって、要援助かどうかの判定というような手順を超越したアプローチが必要ということになる。この本で徳田さんはそれを社会全体の「アップデート」という用語を用いて説明している。
    もちろんバリアフリーのように、社会インフラや商店、金融機関などの生活上の設備の改善が大きな要素を占めているのはもちろんだが、それでは医療や介護の現場のほか企業や公共機関が改善していけばいい、といった“他人任せ”になってしまう恐れがある。
    徳田さんはそれを一歩進めて、認知症を『“あちら”の話ではなく“こちら”の話』と書き、この長寿社会で誰もが認知症になりうるものとして、すべての人が当事者意識を持つ必要性を示している。
    そうなれば、認知症の方が生活しやすい社会のイメージを自分にとっても関係が深いものとして考えを巡らせられるし、認知症の方を一律的に収容や隔離をするのではなく、自分が高齢になっても可能な限りやってみたいこととして、できうる範囲での社会への主体的参画(ある人は就業すらも)が思い描けるはず。

    徳田さんの理想を冒頭の私のエピソードに当てはめて考えれば、その元大工のおじいさんにとっては日常は介助などを受けながらも、自分にやりたい意思があれば自分の体力の範囲内で大工仕事を行え、後進への助言にもあたれるような認知症の方でも自己実現できる社会が、目指す姿であるはずである。
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    投稿日:2019.01.06

  • koochann

    koochann

     認知症対応社会ではなく、フレンドリー社会、その2つの違いは。認知症の方ご自身も参加する形での認知症を持つ人の社会参加を検討する!スコットランドがかなり進んでおり、日本においても町田市などいくつかの自治体でそのような取り組みが進んでいるとは嬉しい情報である。最後に著者自身が書いているように、「将来認知症になりうる自分自身の問題として自分を写す鏡」とはその通りである。福祉的なフレームでとらえるのではなく、社会全体の設計というフレームでとらえていく、それが今必要なことだという主張には全く同感だった。続きを読む

    投稿日:2018.12.05

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