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半藤一利 / 文春新書 (16件のレビュー)
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鴨田
陸軍佐官級エリートにより、1976〜1978年の足掛3年全15回にわたって「偕行社」の月刊機関誌に連載された座談会に、半藤さんが解説を加えたもの。 所謂「海軍善玉論、陸軍悪玉論」が粉砕されるような内…容。陸軍幹部(多くはその後陸上自衛隊幕僚へ)が、戦後30年を経て話す内容なので、当然、組織擁護、自分擁護、海軍への責任転嫁、の内容も多い。 事後の後出しジャンケン的批判ではなく、「そのときその場所で、他にどういう決断が取り得たか」という観点で読むと、解説中に出てくるような「運命と思うほかはない」(木戸幸一内大臣)とまでは行かずとも、「このままジリ貧となるよりは、一丁暴れてみたい」、という時代の空気は大きかったのだろう。(簡単にいうと、ヤケッパチ、が実態に近そうだ。) 景気のいい記事を書いた方が売れる新聞然り。1940年11月15日に出師準備をはじめた海軍しかり。 海軍の場合、動員を掛けてから、戦争準備完了となるまで、5ヶ月を要し、一旦準備が整うと油を始め莫大なランニングコストがかかるため、そのまま戦争に突入するのか、動員解除するのか、の意思決定を急ぎたくなるものだそう。 ましてや、石油全面禁輸となっては、「戦うなら今しかない」、というマインドセットに流れ易いのは想像できる。 1940年12月12日に、海軍国防政策委員会(略称、政策委員会)が設置され、その中で、国防政策や戦争指導の方針を担当する「第一委員会」が、海軍の急進化の元凶となったことは知らなかった。戦後も一種のタブーだったようで、この実態把握に半藤さんも苦労されたよう。 続きを読む
投稿日:2024.03.16
hiro1548
「海軍反省会」があったように陸軍にも同じような記録があったわけだ。当然、人の記憶なのでどこまで本当なのかは分からない。 でも陸軍と海軍が協調していなかったことだけは分かる。もっとも事情はアメリカも同じ…で、陸海の反目は洋の東西を問わないようだ。 となると、日米の差は軍を制御する政府の力の差ってことになる。そして国家は国民に見合った政府しか持ち得ない。やっぱり戦う前から負けてたんだよ。続きを読む
投稿日:2022.01.18
zenzen01
このレビューはネタバレを含みます
中枢に近い陸軍将校たちの言い分だが、他人事のように語っているのがどうも気にかかる。結局現実を注視しようとせず、願望が前提になって戦争に突き進むことになったことがよくわかる。
投稿日:2021.12.11
Rhein
太平洋戦争開戦に至る意思決定がどのようにされたのかに迫るため、当時の日本軍関係者との座談会により事実を掘り起こしていく。日中戦争の泥沼化と米国との経済格差を含む地政学的な不利を把握しながら、陸海軍の対…立や外務省のナチスへの傾倒、文民の戦争への無理解が、無謀な対米開戦に導いたとし、単純な陸軍悪玉論を否定する。意思決定において事実を重視せず、個人の思い込みや組織間の関係が大きく影響する様は現代のあらゆる場面においても共通する病理ではないだろうか。続きを読む
投稿日:2021.09.24
板橋区民
やるせない。ヒトラーのように信念や狂気で開戦を決意したのならまだ諦めもつくが、単に無能な指導者たちが流れや空気で何となく戦争を始めてしまうのは本当にやるせない。しかしここに出てくる旧参謀たちは、いくら…戦後の回想とは言え、どうしてこうも他人事で無責任な言いようなのだろう。おまけに戦略眼が米軍に比べて子供レベル。なんだかもう一度戦争が始まってもおかしくないように思える。 そうならないために半藤氏らが正確な歴史を紐解き、後世にこういうバカ者たちがいたことを残してくれた。半藤氏の反戦、平和への貢献は極めて大きい。心よりご冥福をお祈りいたします。続きを読む
投稿日:2021.08.28
帰宅部部長
陸海軍の対立、縄張り意識が大きな問題であり、この対立が敗戦まで続いた。戦争を始めたのはもはや誰であったのかわからなくなった。国のトップが対米戦争の危険性を知りながらも戦争を止めることができずに戦争に突…き進んでしまった。続きを読む
投稿日:2021.06.06
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