【感想】西洋菓子店プティ・フール

千早茜 / 文春文庫
(182件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
28
79
41
6
0
  • ちいさな街の昔ながらの洋菓子屋

    昔ながらの洋菓子屋のようで,味はピカイチ。常に同じクオリティの菓子を作り続ける職人気質の祖父のもとで働くパティシエ修業中の孫娘。彼女の周りに関わる人たちそれぞれの視点で描かれた物語。お菓子に対する愛情,こだわりに比して,不器用な私生活。成長して行く姿が細やかな心情の動きとともに描かれています。
    まぁ好きな作家さんではあるのですが,その中でも良い作品だと思いました。
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    投稿日:2019.02.26

ブクログレビュー

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  • 7

    7


    菓子の魅力ってのは背徳感だからな。こんな綺麗なものを食べていいのかって思わせなきゃなあ。

    物語に出てくるお菓子を食べながら読みたくなる。
    ちょっとドキドキする大人なキャラメルや酸味の強いベリーみたいな王道ではない恋模様にドキドキしました。

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    投稿日:2024.04.15

  • kyocoo

    kyocoo

    このレビューはネタバレを含みます

    ”自分で得てきた知識や経験はちゃんと使え。それがいつかお前の味になる。”

    ”この人と具体的にどうしたいのか考えたこともないのだから、何も進まなくて当然だ。”

    ”腕を磨こう。好きな人のとっておきの甘い笑顔を見るために。たとえ、明日になれば消える一瞬の歓びだとしても”

    ”じいちゃんは作業中にメモを取ることもレシピを見ることも許さない。自分の頭で考え、なぜその素材を使うのか、あらゆることに意識的であること。全ての作業には理由がある”

    ”怒るってのは突っぱねてるだけだ”

    ”他人なんだから、自分の思い通りに行くわけないだろ。いつだって同じ方向を見てると思うな。一度、好きって言われたら気持ちは永遠だなんて思うな。お前、ばかな男みたいだぞ。”

    *
    誰かが誰かを想う、その矢印は双方向にはならず、
    それでもその”想い”を大事にする人たち。

    千早さんの本は香りが漂ってくる。
    そしてその香りの種類がいつも違う。
    今回は、甘くバターの混ざったとろけるような香り。

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    投稿日:2024.04.07

  • menma_mgmg

    menma_mgmg

    タイトルや表紙絵を見て何となくほっこりとした甘い物語を想像していたが、それは良い意味で裏切られる。

    フランスで修行したパティシエールの亜樹。今は下町にある祖父の営む西洋菓子店「プティ・フール」で働いている。菓子作りへの情熱と向上心を持ち、生真面目にそつなく仕事をこなす亜樹だが、人間関係や自分の気持ちに対しての不器用さを感じる。

    「あいつはまだまだ未熟者ですから、できることを全部やろうとしてしまう。引き算ってものをしらねえ。臆病なんですよ」「でもにげねえんです」と、祖父が客に語るシーンがある。亜樹という人がよく分かる。

    プティ・フールを訪れる人々の、様々な欲望や葛藤のようなものが章ごとに登場人物の一人称で描かれ、亜樹の心情に絡み合っている。

    「菓子の魅力ってのは背徳感だからな。こんな綺麗なものを食べていいのかって思わせなきゃなぁ。」これも祖父の言葉だ。
    この物語は、濃厚なクリームにビターなチョコレート、甘酸っぱい赤い実、芳醇な洋酒のたっぷりと入ったスイーツのようだと思った。人の感情の奥底にある、どろどろとしたものが、美しい菓子を際立たせるかのように、色や艶、香りまでもが漂ってくる。

    亜樹は、感情を表に出すのが苦手だけれど、少しずつ変わっていく。きっと亜樹の作る菓子もどんどん変わっていく、未来がほんのり明るく灯された気がした。

    お菓子を用意して読まれることをオススメします(=^ ڡ ^=)
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    投稿日:2024.04.07

  • たか

    たか

    主人公あきちゃんの師匠おじいちゃんが作ったシュークリームが食べたくなる〜!登場人物一人一人事情があってみんな頑張っていてなんだか感情移入してしまった。
    そしておじいちゃんおばあちゃんが素敵な夫婦。
    かなかケーキ屋さんのケーキは高くて買えないけど食べたいなぁと思いながら読み進めました。
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    投稿日:2024.04.06

  • orange

    orange

    「舞台にあがる人、裏方で舞台を作りあげる人、そして、観客。それぞれにプロがいる。」上手く出来そうなところを探す。隠し味は甘さと秘密。

    投稿日:2024.04.04

  • ナポリたん

    ナポリたん


    やはり千早茜さんの表現が好きだ

    お菓子に例え
    お菓子とともに
    甘く苦い一人ひとりの感情が浮き彫りになる
    それでも
    お菓子に救われる


    本当に一人
    孤独になった時に求め気付けるその感情
    ああ、そうだよね

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    投稿日:2024.03.20

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