1R1分34秒

町屋良平 / 新潮社
(9件のレビュー)

総合評価:

平均 3.3
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ブクログレビュー

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  • このレビューはネタバレを含みます

     ボクサーの生理が事細かに綴られていてとても面白かった。また練習のメニューや内容が細かく、ロジカルに描写されていて先日見た『クリード』に物足りなかったのが全部描いてあった気がした。トレーナーとのドライでありながら、それが配慮である感じの関わり方がよかった。

     読み進めながら、これはもしかしたら試合に至らずに終わるパターンかと思ってハラハラしたが、短い表現であるにも関わらず納得の行く結末で安心した。

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    投稿日:2019.02.11

  • 試合のたびに人生を凝縮して生きているかのようなボクサーのルーティーンが、外側の事情と内側の情緒が、日程に沿って描かれる。
    ドキュメンタリーからはどこまでも遠く、主人公の気質を表した夢、変わった友人、主人公の心の繊細な情景が文学たらしめてる。この本、好きだ。
    ボクサーという人種のことを好きになる。
    心が温度を持つ。

    試合前に夢の中で対戦相手とパートナーになってしまう四回戦ボーイ。
    熱狂なんてどこにもない粛々とこなすボクシング。
    はっきりとした切れ間もなく淡々と流れる日々/思考。
    そんな彼に徐々に光が射していった。
    ジメジメとした内省が晴れてゆくその様は確かに青春だった。

    数々のたらればを振り切って、数々の可能性を束ねて繋げてその先を歩くために、勝利が必要で
    そんな勝利を欲しがる動機がとてもまっすぐでよかった。
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    投稿日:2019.02.05

  • このレビューはネタバレを含みます

    プロテストに合格し、デビュー戦はKO勝ちしたもののその後は3敗1分の主人公。
    新しいトレーナーに違和感を抱きながらも徐々にそのやり方にはまって行く。

    1R1分34秒
    は次の試合の妄想。

    今回の芥川賞2作
    「1R1分34秒」
    「ニムロッド」
    は何だか似たテイスト。
    セフレ的な女性が出てくる所なんかもね。

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    投稿日:2019.02.04

  • デビュー戦を初回KOで華々しく飾ってから、三敗一分け。試合前に対戦相手を調べあげ、分析し、親友になってしまう。敗けた後は親友に裏切られた気持ちになる。倒せたポイントを、たらればを考えてしまう。日本チャンピオンが夢だったのに、もう勝ちたいか勝ちたくないかもわからない。

    そんな主人公が、トレーナーに見捨てられ、奇人の噂もあるウメキチについてもらうことになります。主人公は、ウメキチを手放しで信頼するようになり、練習に励みます。

    主人公は日々を記憶していこうとおもわなくなっていましたが、もう記憶を、自分を失いたくない。だから勝つ。

    ボクサーの日々の心情が、細やかに描かれていました。
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    投稿日:2019.02.03

  • 一気に読む。というか、この本は薄い。
    ふとしたきっかけで手にした一冊。

    芥川賞の作品読んだのは10年ぶりくらいかも。
    不思議な読後感。ボクシングの知識はロッキーとあしたのジョーくらいしかないけど、どちらとも違う世界。主人公の葛藤、心の動き。閉ざされた日常。
    あんまり共感できなかったけど、悪い感じはしなかった。
    うーむ。やっぱ、不思議な一冊。
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    投稿日:2019.02.02

  • 芥川賞受賞作品ということで手に取りました。

    若きプロボクサーがボクサーとしてのサクセスストーリーかと思ったら、
    それとはまったく違いボクシングを真正面から取り組み、
    淡々と試合に勝てる日を夢見ている姿が描かれていました。

    特に派手なパフォーマンスがあるわけでもなく、
    ボクシングというものがいかに孤独でストイックなスポーツ
    かということがこの作品でよく分かります。
    生きるということを考えるのは一旦止めて、
    どうやって生きずして勝つか。
    という思いになるまでとことん自分を追い込む
    身体作りと精神力には想像以上な過酷さを感じました。
    今まで何気なく観ていたボクシングを
    これからは違う見方でみてしまいそうです。

    芥川賞受賞作品というのはストーリー性というよりも
    文学的な表現などが主となると思うので、
    この作品ではかなり表現が細かく描かれていて
    特に心情を深く描かれていたかと思います。
    欲を言えば試合中や試合後のことも描かれていたら
    もう少し面白味があったかなと思いました。

    町屋さんの作品はこれが初めてなので、
    他の作品もこれをきっかけに読んでみたいと思います。
    続きを読む

    投稿日:2019.02.02

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