1R1分34秒

町屋良平 / 新潮社
(52件のレビュー)

総合評価:

平均 3.4
3
16
20
4
1
  • ドライなニムロッドに比べると、少々ウェットかな

     今回の芥川賞は、この作品と「ニムロッド」とのダブル受賞でした。あちらは玄人好みの筆致のドライな物語ですが、個人的には、青春もの?のこちらのほうが好きです。
     タイトルから判るように、ボクシングが題材です。ボクシングと言えば、映画では言わずと知れたロッキーシリーズがありますし、漫画で言えば、不朽の名作「あしたのジョー」がありますよね。
     でも、この小説を読んだときに頭に浮かんだのは、赤井英和の自伝を元に映画化され、赤井自身が主演した1989年公開の「どついたるねん」でした。
     あの映画では、リングに上がる前、対戦相手に対して、様々な嫌がらせを行うがシーンが描かれていました。その時は、そんなこともあるだろうなと見ていました。ところが、この小説では、過去の試合のビデオを見たり、ソーシャルネットワークを覗いているうちに、対戦相手に奇妙な親近感を抱いてくる心情が描かれています。現在のように、あまりに情報が多いとそうなるだろうなぁと、これも妙に納得できました。また、トレーナーに対する態度も、今の若者ならば、さもありなんと思わなくもありません。
     ラストは、ワケがわからないうちにエンディングを迎える「ニムロッド」とは対照的で、どこか爽やかな読後感でありました。
     あと、本編のストーリーとは関係ありませんが、脳のCT検査が5千円との記述がありました。どんな検査なのかは判らないのですが、ボクサーは、なんらかの保険でそのような制度があるのでしょうかねぇ。我々一般人が脳ドックにかかると桁が違うくらい必要なんですけどね。
    続きを読む

    投稿日:2019.03.01

  • 続きが見たい

    芥川賞受賞の作品を読んだのは又吉直樹さんの『火花』以来なのですが、
    そのイメージがあるからなのか、作風がよく似ている感じがします。
    登場人物が主人公とトレーナー、そこに女性が一人。
    『火花』と少し違うのは『火花』は成功までとその後の展開まであるのに対し、
    この作品はその手前までというところです。
    この後、主人公がどのような人生を送って行ったのか続編が見てみたいです。
    続きを読む

    投稿日:2019.03.07

  • 感情が伝わってきた。

    第160回芥川賞受賞作。
    素直に面白かった。
    一見、今風のうだつの上がらない主人公の感情が伝わってきて、感情移入できた。
    特に、トレーナーのウメキチとのやり取りにぐっと来た。
    ボクシングやそれに伴う減量についての細かい描写も興味深かった。
    終わり方は、これで良かったような、あっけなさすぎるような。
    続きを読む

    投稿日:2019.04.14

ブクログレビュー

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  • 第160回芥川賞受賞。デビュー戦を勝利で収めた後、負けが続いているボクシング青年。負けを引きずり、トレーナーにも見捨てられる。新しいトレーナーと練習を始め、変わってゆく、前に進んでゆく。
    ボクシングについてはわからないけれど、青年の心、心が折れてるところ読み込みました。若い人の文章って感じ、ボクシングを通じた青春ってところ、「人生は長い」なんてね。信頼のゲームとか、「裏切りなんてのはない〜生理的ペースが合わなかっただけ」とか若者にしては大人だなあなんて。続きを読む

    投稿日:2019.04.15

  • 芥川賞感は、あまりない感じなほど庶民的な感じで、本当に好きなことって、自覚ないけど、没頭しているのに気づかず、自分の意志じゃなく本能に操られてる風に向き合ってるけど、結局それも自分の底にある意思によるものだなと感じた。共感するところあって、少し嬉しかったです。続きを読む

    投稿日:2019.04.11

  • よくわからなかったけど、そんなに面白くなかったけど、この感じ、嫌いじゃないね!ライセンスは取ったものの、負けが込んでるボクサーの話。ひらがな多用だったり、文章自体は易しいのだが、紡ぎだされた文字をじっくり考えてみると??脳内に小宇宙が...。理解を深めづらい。私がボクシング自体『はじめの一歩』の漫画くらいしか知らないし、芥川賞も2作しか読んだことのないシロウトだからか。しかし外国の音楽がなんかいいね!みたいな雰囲気というか、リズム感と流れは感じ取られる。そしてトレーナーのウメキチがなんか好きだった。続きを読む

    投稿日:2019.04.08

  • 4回戦ボクサーの独白形式の純文学。
    芥川賞受賞作品ということで、読んでみた。

    ボクシングのことがよく知らないとあまり面白くないかもしれない。ただ、試合前の緊張感や壮絶な減量など、自分が経験しているかのように感じられるほど臨場感があった。

    結構面白かった。
    1冊の単行本だけど、短編ですね。
    続きを読む

    投稿日:2019.04.01

  • このレビューはネタバレを含みます

    「1R1分34秒」は、負けが込んでいるボクサーが主人公。
    次の対戦に向かうまでのボクサーの日常を、映画を撮っているらしい友達や、新たについたトレーナー・ウメキチとのやりとりを通して描いた作品。
    決してカッコいいわけではなく、はっきりいうと中途半端な姿勢があり、ダメなところもある主人公。
    でも、減量していく過程で、どんな精神になるのか。周囲の人に対して抱くドロドロとしている心情なども、嫌味のない感じで描かれていて、読み終えると爽やかな印象が残る作品でした。

    人の心と身体をどう描くかは、私自身のテーマなので、とても参考になりました。
    少し間を置いて、描写を研究してみたいと思います。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2019.04.01

  • スポーツ、特に格闘技好きなら細部も楽しめる。そうじゃないなら、何が何だかわからないかもしれない。減量末期の主人公の思考の乱れがリアルに感じられた。

    世間のレビューはあまり評価は高くないようだけど、信頼するレビュアーが面白いと言っていたので読んだら当たりだった。やはり、知らない多数の意見より、信頼する少数の意見を大切にしたいと思わせてくれた一冊。続きを読む

    投稿日:2019.03.31

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