【感想】ノブナガ先生 3

大和田秀樹 / 漫画ゴラク
(1件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • 『黒犬』の優樹

    『黒犬』の優樹

    この(3)も、存分に楽しませてもらった
    藤沢とおる先生の『GTO』や、森本梢子先生の『ごくせん』も、強烈な教師が弱きを助け、悪しきを挫くストーリー展開で、読んでいて胸がスッと空きますが、この『ノブナガ先生』もスカッと出来る
    今、中高生に、「漫画の先生キャラで、本当に自分の担任になったら嬉しいのは?」のようなアンケートを取ったら、どうなるだろうか
    まぁ、ぶっちゃけたトコ、ベスト5には入りそうもない
    もちろん、この作品がつまらないと言っている訳じゃなく、中高生で、この『ノブナガ先生』がいるとは、ちょっと思えない
    でも、読ませたら、織田信長が教師の授業なら受けてみたい、と言ってくれる中高生は多そうだ
    確かに、信長先生は自己中心的で、傍若無人、口は上手いし、手がすぐ出る、桁違いに強い
    けど、武将として、男として、なおかつ、教師として間違った事はしない
    だから、おっかないながらも、どこか、魅力を感じ、尊敬が抱ける
    これは、大和田先生の描き方と言うか、織田信長の『格』、ざっくりとした言い方をするなら、カリスマ性の引き出し方が上手いからに他ならない
    織田信長へのリスペクトが強く、同時に、取材も自分の目と足で行っていなければ、ここまで良い作品にはならない
    もし、中途半端な気持ちで描いていたら、今頃は打ち切られているに違いない。連載とマヂの首、どちらも

    どちらなんだろうか、実際のトコ、と疑問に感じる事が一つある、読んでいて
    それは、大和田先生に、未だに敬愛している担任がいるから、その感謝も込めて描いているのか
    それとも、学生時代に尊敬できる教師に会えなかったから、せめて、今の子には、助けを求められる先生に出会ってほしいって願いを込めて描いているのか、ってことだ
    どうでもいいっちゃどうでもいい事なんだが、分かったら、どっちにしても、大和田先生への好感度が増すってだけだ

    この(3)でも、下僕キャラである藤倉(もう、先生や「さん」を付ける気にもならないな)は、信長先生の性質に振り回され、泣かされ、怒り、平謝りしている
    しかし、何だかんだで、側にい続けている彼は根性があるし、信長先生もそれなりに認めちゃいるのかもしれん
    だが、そんな信長先生だって無敵って訳じゃない。不敵なだけである
    この(3)では、ライバルより天敵って表現の方がピッタリすぎな存在が登場している
    だからと言って、信長先生が大暴れを自重するって訳じゃないんだが、万が一の時、彼を力で止められる人材がいるってだけでも安心できそう
    次巻では、信長先生が、どんな教師信念をかまし、悪党を懲らしめ、生徒を救うのか、楽しみでしょうがない

    ほんと、個人的な我儘だが、「え、友井雄亮だよな、コイツ」と確信するようなキャラが、信長先生に踵落としされないかな、と期待している
    前巻では、元・TOKIOの山口達也を彷彿させるようなキャラが登場した事に文句を言っていたのに、元・純烈の友井雄亮は成敗されてほしい、なんて、どういう了見だ、と言われそうではある
    確かに、前巻には、ちょっとムカッと来た
    山口達也のファンだし、戻れるチャンスがあるなら、死に物狂いで掴んでほしい、と思っている
    実際、友井雄亮だって、未だに嫌いじゃないし、復帰してくれりゃ嬉しい
    しかし、その前に受けるべき罰はあるのも確かだ
    有体に言っちゃうと、山口より友井の方が好きだからこそ、せめて、この作品の中で、似たようなキャラが痛い目に遭う事で、溜飲を少しは下げたいのだ
    まぁ、無理なら無理でいいんだけど、大和田先生なら、絶対、やる、と期待している、勝手に

    どの回も、信長先生の教師っぷりにグッと来てしまうが、やはり、私的にお勧めなのは、第23話「ノブナガ瞬く」
    上手く言えないが、SNSが普及している現代の教師らしい、子供たちへの接し方が出来ている信長先生が持つ優しさに、胸が温かくなる
    直接に会って、真摯に話し合うだけじゃない、傷付いた子供の助け方は
    こうやって、顔が見えないからこそ、自分を相手にちょっとずつ出していける子供だっているんだろう
    何でも力技で解決するイメージがある信長先生だが、こんな風に、相手によって、自分の姿勢を変えられる柔軟さも、信長先生の強さか
    この台詞を引用に選んだのは、織田信長の怖さと強さが、どちらも感じられる言葉だな、と思ったので
    うつけと蔑まれようとも、魔王と畏怖されようとも、織田信長は自分の目的に邁進し続け、自分に愚かにも歯向かう敵、もしくは、信念の違いから立ち向かってきた友と戦い、力で打ち破ってきた
    確かに、織田信長の人生は血塗れかもしれないが、彼はきっと、一度も戦うべき相手を間違えなかったんじゃないだろうか
    そんな信長先生の言葉に、力の正しい使い方と向けるべき相手を選ぶ、それを学べた松下は、これから、自分だけの道を自分の力、時には友の手も借りて、切り拓いていけるだろう
    「上におって目ざわりだった斯波氏、織田両本家・・・主君だけではない。実弟、叔母、義理の弟・・・わしの人生に立ち塞がった者は、すべて、”排除”した。それゆえ、わしは天下人になれたのじゃ。お前の人生に立ち塞がっているものは、何じゃ?少なくとも、あのコンビニの店主ではあるまい。男なら、人生で、何度か命がけで戦いを挑まねばならぬ。だがの、斬りかかる相手だけは、間違えるなよ」(byノブナガ先生)
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    投稿日:2019.04.29

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