【感想】陰翳礼讃

谷崎潤一郎, 大川裕弘 / パイ インターナショナル
(45件のレビュー)

総合評価:

平均 4.4
21
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4
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ブクログレビュー

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  • じゃお

    じゃお

    こういう本が手元にあって、ページをめくりながらティータイム、みたいな生活が理想。
    いつになったら実現するでしょう・・

    投稿日:2024.02.14

  • たまごごはん

    たまごごはん

    年の瀬でいろんな負債が溜まってる時にまあまあ染みる綺麗さ。
    これ読むと毎回いろんな“みているモノ”を触りたくなるくらいにはモノへの成り立ちと景色を敬ってしまう。

    この本はいろんなところで引用されるし応用されるけど、全ストーリーラインを写真でなぞり切るっていうのはなかなか勇気がいるんじゃないだろうか。純粋に、自分と違うイメージがつくことで新しい発見が多いと思った。
    続きを読む

    投稿日:2023.12.25

  • まなかぴ

    まなかぴ

    美しい…。
    久々に自分が日本人に生まれて良かったと思わせてくれる作品だった。

    学生の頃に初めて紐解いた時は、正直なところその良さが分からなかった。
    当時本を開いて、句読点が少なく旧仮名が小さな文字でびっしりと並んでいるのを見ただけでウンザリとした記憶がある。
    当時から読書好きを自認していたが、まだまだ未熟だったということだろう。
    年を経て老眼やら、その他の目の不調やらで、その手の書籍は一層敬遠したくなるところである。

    ではなぜこれを手に取ったのか。
    実は書店の写真集コーナーなのである。
    ふと見覚えのある書名に興味を持ってパラパラとめくるうちにぐいと引き込まれた。
    「ん?なんだ?これは…」

    しかし思いとどまった。写真入りなのでちと高い。積読が多くなっていることもあって、また無駄遣いになってもいかんかなと。

    後日その書店に何気なく足を伸ばすと、何故か吸い寄せられるように写真集コーナーへ、そしてまた手に取っている自分がいた。
    「もうこれは縁だな…。」
    諦めてそのままレジへ向かった。

    そこから毎晩ずつ噛みしめるように本書を少しずつ読み進めた。(もちろん他の積読はそのままに。)
    じっくり夜に触れたい。
    そんな所は筆者の得意とするところ、その術中にまんまとハマってしまった。

    美しい…。
    文書の抑揚、厳選された言葉、静かな語り口の中に潜む熱く燻るような陰翳美への情念。
    そしてその文章と絡み合う、瞑く、儚く、朧げな多くの写真に酔わされ、時折織り込まれる豊かな色彩にハッとさせられる。
    言葉と画像が織りなす芸術とは正にこう言うものなのだろう。きっと。

    そして読後に浮かんだのは…

    くらくてはかなくてぼんやりしたもの
    そのなかにうつくしさをかんじることができるにほんじんのこころ

    幼い頃に訪れた祖父母の古い家,
    ただでさえ薄暗い小さな家日本家屋の中、部屋、台所、風呂場、和式トイレなどの隅々にあった、より暗くそれでいてぼんやりとした陰。
    そこから何か異界のものが匂うように立ち上がってくる異空間感覚。
    それは恐怖?楽しみ?陶酔感?
    (そして現在においては郷愁感?)

    現在の高解像なメディア(文書、画像、音楽などなど)は感覚が衰え始めている自分にはとても有難い。
    しかし一方で、高い解像度は何もかもハッキリし過ぎて刺激が強く、受け取っているとすぐに疲労してしまうのも年齢的なものか。

    ならば…
    「低い解像度、少ない光量の中に、自分はどんなものを見、感じることが出来るのか」
    そんな心持ちで趣味の書籍やカメラに向き合ってみるのも一興。

    などとつらつらと考えている。
    続きを読む

    投稿日:2023.10.06

  • Anne

    Anne

    日本人であるということを、考えさせられる本だった。
    題名に難しい漢字が並んでいるから、内容も同じく難しいのだろうと覚悟して読み始めたけど、意外とスラスラ読めて、なるほどなぁと思う部分もあった。
    写真も内容と雰囲気がよく合っていて、写真集として眺めていたくもなる。続きを読む

    投稿日:2023.07.08

  • かんちゃん

    かんちゃん

    明かりを消した曇りの日や雨の日、陽が落ちてきた部屋で、たびたび読み返したくなる本。
    日本人が「暗がり」と「翳り」に美を見出す理由が、様々な角度から谷崎潤一郎氏の美しい言葉で綴られている。
    そして、そこに添えられる言葉を体現させたかのような大川裕弘氏の写真の数々も、溜息をつきたくなるほどに美しく、一生持っていたい本の一冊。

    個人的に特に好きな箇所は
    『もう全く外の光が届かなくなった暗がりの中にある金襖や金屏風が、幾間を隔てた遠い遠い庭の明かりの穂先を捉えて、ぽうっと夢のように照り返しているのを見たことはないか。』
    という文と、写真。
    どんな写真なのか、まだ読んでない方はぜひ実際に読んで見てみてほしい。
    続きを読む

    投稿日:2023.06.10

  • kproject

    kproject

    著者も建築の専門家ではないので、一般人にもわかりやすく書かれており、著者の考えていること、感じることに共感。読み始めは、何も考えずただただ著者の感じていることが面白いだけだったが、途中から、自分の身の周りのモノや建物、設備について、見方が変わってくるのを感じた。日本人として日本人しか理解できないものが、身の周りにも確かに存在し、その素晴らしさを実感。この日本人ならではの感性を大切にしたい。続きを読む

    投稿日:2023.06.02

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