【感想】巨大システム 失敗の本質―「組織の壊滅的失敗」を防ぐたった一つの方法

クリス・クリアフィールド, アンドラーシュ・ティルシック, 櫻井祐子 / 東洋経済新報社
(11件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
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ブクログレビュー

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  • charmie11

    charmie11

    このレビューはネタバレを含みます

    巨大というより,複雑かつ密なシステムであるほど問題発生時の解決が困難になるという話.すごくためになるから全人類が読むべき一冊.

    失敗の科学とかと同じタイプの内容.壊滅的な失敗が発生する原因と対処方法,根本的な解決策などを実例を交えながら解説.

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    投稿日:2022.04.16

  • きしやん

    きしやん

    このレビューはネタバレを含みます

    失敗の科学の廉価版って感じw
    どこの組織も認知的不協和が根幹にあって失敗していく。
    そして本書のサブタイトルでもある『「組織の壊滅的失敗」を防ぐたった一つの方法』とあるが、防ぐための方法は何個もあった・・・

    本書単独としても楽しめるが、失敗の科学を読んでなら、わざわざ読む必要もないかな

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    投稿日:2022.03.28

  • でかぽとちびぽと時々ぽむぽ

    でかぽとちびぽと時々ぽむぽ

    様々な事例から失敗の内容・原因・解決策をいろいろな観点から紹介されていて、かなり具体的に説明されているので自分が実際何かを実行するイメージがかなりつきやすかった。
    参考にできそうなことが多かったので、もっと精読して1つずつ仕事や生活に取り入れたい。
    ただ「たった一つの方法」ではなかったかな。
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    投稿日:2020.09.27

  • pandra14

    pandra14

    組織の壊滅的失敗を防ぐたった一つの方法は
    ・壊滅的失敗の前に必ず現れる何かしらのサインに気が付き、アクションをとる(とれる)こと
    である。

    そりゃそうだ。と思うかもしれないが、現実は難しい。
    何かしたら前兆を発見して、
    ・この報告したらプロジェクトが遅延してしまうかもしれない。
    ・いつもとちょっと違うだけで全体はうまく動いているから報告するほどのものでもないな。
    ・これを報告すると上司から叱責されるかもしれない。
    はたまた報告したいけれど忙しくてそんな時間がないよとか。
    ・そもそもどこに報告したらよいのか。などなど。

    現在、システムが複雑化・高度化され全体が見極めにくくなっており、かつそのようなシステムは壊滅的失敗に陥る潜在的な欠陥を有する(そして誰も複雑さゆえに把握できない)。
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    投稿日:2020.08.05

  • P_tan

    P_tan

    このレビューはネタバレを含みます

    巨大システムの失敗の原因を密結合した多要素からなる複雑系にあるとして、様々な事例と対策を紹介している。
    対策としてあげられている手法:
    ・構造化されたツールによる意思決定:主観的確率区間推定法(SPIES)による見積もり、ペアワイズ・ウィキ調査での項目の優先順位付け、死亡前死因分析によるリスクの洗い出し
    ・小さな失敗から学び大きな失敗を防ぐ:ヒヤリハット
    ・チームの多様性を確保して認知バイアスを回避する
    ・システムの透明性を高め、スラックを大きくすることで、システムを見えるようにし結合を疎にする

    タイトルにはたった一つの方法とあるが、一つじゃなかった。

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    投稿日:2019.06.21

  • honnyomimann

    honnyomimann

    このレビューはネタバレを含みます

    「ブラックスワン」にどう立ち向かったら良いか.

    日々の暮らしには様々なシステムがあり,メルトダウンを起こす.
    システムは複雑性・結合性で抽象化でき・複雑かつ密結合のシステムは危険.
    これらはどこかでメルトダウン(=大抵,負のブラックスワン)を起こす.

    メルトダウン対策
    ・死亡前死因分析
    ・SPIESツール http://fbm.bgu.ac.il/lab/spies/spies.html
    ・ジンメル「異人論」的視点
    ・ボトムアップの小さな声
    ・結合性と複雑性を緩める(プロセスの透明化,プロセス単一化.スラック(冗長性)の付与)


    「起こらなかったこと」「起こったこと」はニュースになる

    全体像は見えなくとも,感じる違和感があったら,それはメルトダウンのサインかもしれない.それを信じて何かにフルベットするのはありかもしれない.
    (今更でいえばカボチャの馬車とか)

    ==========================
    Normal Accidents

    小さな失敗の積み重ね⇨相乗効果⇨メルトダウン(システムの崩壊・失敗)
    「後になってわかる過失」
    システムの構成要素ではなく要素間のつながりが失敗を引き起こす

    あらゆるレベルのメルトダウンには共通性があり教訓にできる
    システムは線形系、複雑系の二種類で分類可能。
    車の組み立てラインが前者、原子力発電所は後者

    密結合と疎結合 ⇨不確実性をどれだけ許容するか.
    原発はもちろん密結合
    密結合かつ複雑:デンジャーゾーン
    デンジャーゾーンでは倒れ始めたドミノを止めることはできない。:ノーマルアクシデント、起こるべくして起こった事故
    ※被害の大きさの話はしていない

    世界はどんどんデンジャーゾーンに向かっている

    七面鳥も複雑系
    SNS、複雑系

    金融システムは原発以上に複雑系
    ⇨市場の動きの1日1日にそれっぽい理由をつけるよがいかに浅ましいことなのか

    (あるシステムの複雑さに、ベットできないかな。)

    エンロン,メディアの捏造記事
    ⇨彼らは嘘をつく必要がなかった。ただ複雑さで煙に巻くだけでよかったのです。

    財務諸表と世相を読んで企業の脆さに読み取る
    東芝の不正会計が身近なサンプルか

    現代ジャーナリズム⇨ 複雑系の塊 観察不可能性
    時間をかけてつまらない真実の裏どりをするより、想像力に任せたセンセーショナルな飾り付けをした方がコスパいい⇨捏造記事の誕生

    安全機構が脆弱性になる アカデミー賞

    システムの単純化
    透明性
    スラックを増やす
    対処の取捨選択

    死亡前死因分析
    SPIESメソッド

    アノマライジング
    収集 修正 根本原因の発見 共有 検討
    組織文化が大事、報告は魔女狩りではなく学習機会

    セルメンヴァイス
    妊婦を死に至らしめていた産褥熱に対して声を上げたが微生物学がなかった当時は理解されず苦しい生涯を送った。

    ボトムアップの声を尊重すること。航空機の事故は機長ではなく副操縦士が運転している時の方が事故率が低かった(機長が運転しているとき、副操縦士は異議を唱えづらい)→安全をチーム全体の問題とし、報告を義務としたら一気に改善(CRM )

    指示型さリーダーより開かれたリーダー

    ジンメルの異人論的視点で物事を見る.

    VM 排ガス不正 過去にも悪質な不正・スキャンダル。
    なのに企業は今もある。当時の株価はどうだった?
    ⇨会社に致命傷を与えかねないスキャンダルがあっても案外生き残るのでは。だれかがその都度脆さを吸収してるんだろうけど(一般消費者、末端子会社、末端労働者など )


    「何が何でも着きたい病」→計画続行バイアス
    複雑で密結合なシステムでは立ち止まる勇気が必要

    ニュースは「起こらなかったこと」ではなく「起こったこと」を報道する


    関連書籍
    Normal Accidents
    暴力の人類史
    文明崩壊 滅亡と存続の運命を分けるもの
    地球全体を幸福にする経済学
    世界経済 危険な明日
    予測できた危機をなぜ防げなかったのか
    偶然の科学
    最初の2秒が「なんとなく」正しい
    超予測力
    世界はシステムで動く

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    投稿日:2019.06.06

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