【感想】ゴルギアス

プラトン, 加来彰俊 / 岩波文庫
(43件のレビュー)

総合評価:

平均 4.3
18
14
4
1
0

ブクログレビュー

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  • tksych

    tksych

    2023/10/23朝日カルチャーセンター横浜の講義終了

    通して「弁論術」そして「ソフィスト」とは何か(『ソフィストとは誰か?』納富.2015.ちくま学芸文庫を併読)の考察が深められたように思う。

    対話相手の3者(ゴルギアスとそれに師事する二人)で、三様の結末と前者を受けての対話が連続する様、様々なテーマが折り重なりながらも「弁論術」の真偽を見極めんとし、政治、哲学、生き方を問いかける様が印象に残った。

    結論的部分では、政治に密接にかかわる弁論術が、哲学的に意義のあるもの(良い弁論術!?)として立ち現れてくる可能性(『ポリテイア』等へ引き継がれるテーマ)が語られいた。
    その場合、弁論術が想定する聞き手=大衆・民衆(デモス)との関係は、弁論術そのものの性質を左右する本質的なものではないだろうか?
    また一方で、ソクラテス的対話(「不知」の地点に立つソクラテスの問いかけ)の対象である市民一人一人も、同時に大衆・民衆(デモス)でもありうるのではないか、その対話を「ありそうな(エイコス)」言説を用いずに遂行は可能なのだろうか、という考えも浮かんできた。
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    投稿日:2023.10.24

  • rick

    rick

    この本が2000年以上前に書かれた書籍であるにも関わらず、その内容が示しているところは今の時代でも全く変わらず、むしろSNSの登場のせいでより増幅させてしまっているのではないかと思うほどである。
    プラトンが現実の政治に対してある種の諦念や距離を置く姿勢を見せながらも、実際にどう生きるべきかということを3人の相手(ゴルギアス、ポロス、カリクレス)との対話を通して鮮明になっていく様が大変印象的だった。また思った以上に読みやすいのでオススメの一冊続きを読む

    投稿日:2023.08.27

  • Keito

    Keito

    声のうるさくなったこの現在が煩わしくて、時にことばにすることが億劫でもう説明することが心底どうでもよいと思うことがある。
    そんな中にあって、もう遠く離れた場所の時間も違う人間だというのに、おなじような感覚に出会うと、一周回って、あぁ、人間の歩みはこうも遅く進んでいくものなんだと思えてくる。ほんとうに生まれたての子どものように、少しずつ試し、失敗して反省しながら滅びまでの道を歩いていくことしかできない。それはどこか悲しく、どうにもならならい痛みを抱えて生きていくことだけど、この命の明滅を繰り返してひとつの線になっていくのだと思うと、それはそれで自分の魂の不滅というものが実感できる。自分の居場所が空けば、この席をまたきっと同じような人間が埋めてくれる。そうして魂は明滅を繰り返して続いていく。
    一体そのとき魂が何をみて、何を感じ、何を考えるか、そのとき自分はもう死んでこの世からいなくなってるからわからない。だからこそ、今の人生がたまらなく愛おしく、そして同時に今の人生の端にある死を狂おしく願う。命が尽きるその時まで自分の魂を善いものにしたい。命が続く限り考えていたい。
    ソクラテスにとっての生死とはそれくらい重要で、同じくらい無頓着などうでもいいことばだったと毒杯をあおいだ彼の迷いのなさが今ならはっきりわかる。またこの自分も同じところにたどり着ける。魂はまた生まれ変わる。
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    投稿日:2022.12.11

  • まさのり

    まさのり

    この本は、ソクラテスと3人の人物との対話形式で書かれており、「口が上手い人が本当に賢い人なのか!」という問題や、政治の本題を取り上げているものです。
    私には、読みにくい本でしたが、2000年以上前に書かれた本を読んでいる思うと、不思議な気がしました。
    ぜひぜひ読んでみてください。
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    投稿日:2022.08.31

  • グアルデリコ

    グアルデリコ

    ソフィスト(ゴルギアス&ポロス)とアテネの政治家(カルリクレス)とソクラテスの対話を通じ、「善」を目的とした生き方であってこその人生であり、「善」を押し進めることによってこその政治であるとのプラトンの理想を伝えた対話編。続きを読む

    投稿日:2020.09.08

  • 青い加藤

    青い加藤

    ソクラテスと弁論を重ねるソフィスト達の意見が、現代であっても十分通用するものなので、そっちに驚いてしまった。
    ソクラテスの意見もソフィストの意見も「なるほど。確かに。」と納得できる。
    部分的に言い回しがくどい/分かりにくいところがあったが、論理的に何かを探ることはこんなに難しいのかと再確認できた。

    個人的に、ソクラテスのような方法で議論を進められたらめっちゃムカつくなぁと思う。
    続きを読む

    投稿日:2020.08.16

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