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ペーター ヴォールレーベン, 長谷川 圭 / ハヤカワ文庫NF (51件のレビュー)
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総合評価:
間 文理
1
心地よい、たとえ夢物語であっても、心地よい。
夢物語なのか、現実の物語なのか、不勉強にして、判断できませんでした。参考文献をあげてくれているので、本当はそれを当たるべきなのでしょうが、残念ながらそれは私の能力を超えています。 それでも、(植物の…社会生活という)素晴らしい世界を垣間見せてくれました。私の視点を180度転換させ、展開してくれる、心地よい体験でした。続きを読む
投稿日:2019.05.12
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さんちゃん
自分の森林についての知識の浅さに驚くくらい初めて知ることが沢山あった 木々が会話をしたり同種の木と助け合ったりしているなんて思いもしなかった。 また現在多くの国で行われている植林や街中の緑化運動は一見…とても良いことに見えるけど実際は本物の原生林とは環境が違いすぎて、それらの木々は原生林の木々と比べて成長にかなりの差が出ることも驚いた。 人間は歴史の中で最も簡単に木々を伐採し農地や街を拡げてきたけど、それを元に戻すのは単に木を植えればいいだけでなくて、とてつもない時間がかかるものなんだなと実感……。 日常でよく使う木製のものといえば私の中では紙とか割り箸とかなんだけど、なるべく再生紙などのリサイクル品を使ったり、無駄遣いを無くそうと思えた。 日本はドイツとかなり紀行が異なるから森に足を踏み入れるハードルが高いけど、この本でよく出てきた木たちを実際に見に行ってみたくなった。続きを読む
投稿日:2024.04.05
小松福門
木同士が香りで会話をするなんて知らなかった。虫や菌の侵略により身の危険を感じると葉の成分を変化させて身を守り、さらに香りや根のネットワークを使って周りの仲間に危険を知らせることまで出来るなんて想像もし…なかった。木は本当に生きているし、人間が思っている以上に仲間と繋がっている。そんな仲間からはぐれた街路樹をストリートチルドレンと名付ける著者のセンスには脱帽である。木に関する様々な知識を、著者の木への愛を持って科学的に教えてくれる良書。続きを読む
投稿日:2024.03.06
ぼじょまる
このレビューはネタバレを含みます
・あらすじ ドイツの森林管理官が書いたタイトル通りのノンフィクション。 ・感想 まさか樹木たちがこんなに多様性に満ちあふれそれぞれ個性にあふれた生活をしていたとは知らなかった。 これから街路樹や山の木に対して、ほんのちょっとでも彼らの生活を洞察するという視点で見ることができるようになる…かもしれない。 登山が趣味なので、樹木のことをもっとたくさん知ることができればより楽しくなるだろうなと思った。 自然とはどういう状態なのか、やるべきこと、やらなければならないことなど色々考えさせられた。
投稿日:2024.02.23
chigasaki39
森林エコロジーの知見とともに、森林を少し擬人化し分かりやすく伝えてくれる。原生林は考えられているより奥深い、植物も道徳的に扱うべきだと訴える。
投稿日:2024.02.05
傍らに珈琲を。
まず表紙が素敵。 内容にぴったりだ。 普段見掛けることの多い木々達の話なので想像しやすく、美しい緑色の葉や、力強い幹の茶色、シダーウッドのような香りを思い浮かべながら、気持ちよく読んだ。 想像の中では…ミツバチも飛び、キノコや苔が生え、枝を揺らす風も吹いていた。 ノンフィクションではあるけれど、著者が見せてくれる世界に癒された。 なんて理に叶った生き方なんだろう。 ブナもナラも、その他の樹木も、みな長所短所を併せ持ち、工夫しながら、自然界の公平な間引きを受けて生きている。 人類も、少しは彼ら樹木の生き方を見倣ったら良いのに。。。 本書が世界的ベストセラーとなっているのが分かる。 全人類が本書を読むべきとさえ思う。 読み初めて直ぐに、"社会の真の価値は、そのなかのもっとも弱いメンバーをいかに守るかによって決まる"との職人たちの言葉に心打たれた。 生態系のルールは残酷で厳しいこともあるけれど、彼ら樹木同士の関係性は基本公平であり、成長もゆっくりだ。 地球上の生命の新参者である人類は、傍若無人で急ぎすぎているように思えた。 けれど木々たちは、ただゆったりのんびりなわけではない。 公平に助け合い、工夫をし、他の生き物を上手く使い、バランスよく、"過ぎないように"している。 そのルールを守れなかった木々、縄張り争いに破れた木々、それらは傷を負い朽ちてゆく。 それらはまるで、啓発本を読んでいるかのような印象だった。 著者の森への愛情が、木々を擬人化させ、読者である私にも伝わってきたのかもしれない。 森は生きている。 「『森は自分の居場所を自分で理想に近づける』。私たち林業専門家がよく口にする言葉だ。」 木々たちは根や菌糸を通じて情報を伝達し、水分や栄養までも補い合いながら生きている。 それも数百年の単位で。 木々は経験から学習もするのだという。 「これは子どもたちのためを思った教育なのだ。たとえとして"教育"と言っているのではない。林業を営むものは、昔からこの"教育"という言葉を使っている。」 時間をかけて繁殖し、数百年かけて育ち、ゆっくり朽ちてゆく。 私は大きな森に足を踏み入れたことが無い分、その時の刻みに、とてつもなく壮大なものを感じた。 そしてとても愛おしい。 「時間がかかるからといって、生き物として価値が低いということにはならないはずだ。植物と動物にたくさんの共通点があることが証明されれば、私たち人間の植物に対する態度がより思いやりのあるものになるのではないかと、私は期待している。」 読み終えたときに思ったのは、改めて、この地球上の生命体は種別ごとに独立して生きているわけではないということ。 人類だけが心地よく暮らせることばかりを優先していると、回り回って皺寄せが返ってくる。 そんなこと分かっていると思われるかもしれない。 でも手に取りやすい厚みの文庫に、こんなに驚きと共感が詰まっている。 少なくとも私には、知らないことばかりだった。 本書は森林浴をしているかのような心地よさも味合わせてくれた。 著者には森への愛と敬意が溢れていたし、長谷川圭さんの訳も読みやすい。 一冊を通して気持ちよく、森の声を聴くことが出来たように思う。 続きを読む
投稿日:2023.11.04
バナナちゃん
山歩きをする度に、樹木がまるで意思があるかの様に見えて『夜になると動いているのではないか』と想像を膨らませている私にとって、スーッと入ってくる納得の内容で、ワクワクしながら読んでいます。ただ文の表現が…分かりにくくて疲れてしまうので、他の本と同時進行で少しづつ読み進めているところです。続きを読む
投稿日:2023.09.08
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