Matt

岩城けい / 集英社文芸単行本
(11件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
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ブクログレビュー

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  • koringo

    koringo

    前作『Masato』から成長した真人の10年生(16~17歳)の一年間が描かれている。  
    MasatoからMattへの成長が文体にも現れて、対象読者年齢もその分あがっている。

    オーストラリアに溶け込んでいたMattだったが、転校生で同姓のMattから憎しみをぶつけられることで過去に日本が犯した罪を知り、日本人であることと向き合わざるを得なくなる。
    転校生Mattに怒り、父親が日本人意識を持ち続ける態度にも怒り、何より自分自身に怒っている。
    I hate myself! が悲しいくらい繰り返される。
    16歳の男子の悩む姿、怒りの爆発的なエネルギーに圧倒された。

    前作では、母親に批判的な読み方をしてしまったが、続編で姉から見た母親の苦しみを知った。両方読まないと解らなかった。
    本作では父親の弱さが書かれている。
    「親に逆らうってことは、日本に逆らうってことだ」こんな言葉は、日本で暮らしていたら決して出てこないだろう。
    日本にいたら、日本人であることをこれほど意識することもないだろう。
    異文化経験は母国を理解し、自己を知ることなのだろう。
    Mattの成長をこのあとも追ってみたい。
    子どもの成長は親との葛藤の物語でもある。
    Mattがこのあと親とどう関わっていくのか知りたい。
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    投稿日:2021.07.07

  • こっとん

    こっとん

    「Masato」の続編。  
    小学生の時にオーストラリアに移ってきて、今は16歳。父との対立、日本人であるだけで拒絶反応を示す、戦争の負の記憶を持つ人たち。みんなのことが嫌いだし、何よりも自分自身が大嫌い。自分とは何なのか?アイデンティティを模索する少年の話。

    キャンベル先生の「みんな言ってる、と、きみは言ったな?みんな、と。きみは自分の頭で考えるということをしないのか?きみのような人間には、人の痛みや悲しみを感じ取ることはできず、それを自分のこととして考えることもできない。」という言葉が刺さりました。
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    投稿日:2020.08.27

  • katoetu

    katoetu

    前作が良かったので続編

    仲の悪い夫婦の関係を子供が冷めた目で見ているところとか、うざい親はほっとけばいいけど、面倒いのはほっとけないとかリアル。親子でも他人の始まり。「親に向かって」とかいつまでも言っても仕方ない事。人間としてどうなの?と言いたい。

    新しく登場したw.マットがマサトがら日本人だという事で言いがかりの嫌がらせをしてくる。我慢を重ねるがついに行き着くところまで行って謹慎。
    顔も生まれも変えられない事。それを受け入れて進んでいくのは生みの苦しみ。若者の葛藤だね。異国で住むのにはそれだけタフな精神力が必要だと思う。

    ジェイクのおじいさんの「いい耳をしてるね。でも君の周りはひどい音だらけじゃないのかい?君の耳には醜い音が醜い音としてありのままに伝わる。しかしその中から良い音も正確に聞き分けられる。何よりの救いだ。」周りの言葉に惑わされず、「人間らしさ」に照らし合わせた物を選び取り入れろという事か。辛い経験をどの様に濾過するか、それも人間性。当たり散らすのみは虚しい。

    話言葉は土地の番人。独特の言い回しとか省略語などいまだに英語に聞こえない。そこで弾かれ異邦人であると再認識させられる。
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    投稿日:2019.07.09

  • jyunko6822

    jyunko6822

    このレビューはネタバレを含みます

    5年生でオーストラリアに家族で渡ったあの「masato」の続編。
    人種の違いや生活習慣の違い、それ以上に第二次大戦後の民族間のすれ違いなど、同じ名前の『Matt』との軋轢を中心にストーリーは進むけれど真人はまだ高校生。子供ではないけれど大人でもない世代の友人関係や家族との関わり方もひとつひとつ重みのある大切にしたい文章があふれている。
    ストーリー的にはまだまだ続きがありそうなのでまた、続編を期待してしまう。

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    投稿日:2019.04.03

  • finger0217

    finger0217

    1作目の『Masato』が面白かったので期待してたのですが、少し「読みにくい」と思う文章が多かったと感じました。

    オーストラリアに残ることを決めたマットでしたが、父親の生き方に反発したり、日本人を憎む転校生に突っかかられたりと、相変わらず過ごしやすいとは言えない生活を送っています。
    カノジョができたり、バイトをしたり、理解のある「ベストフレンド」と触れ合う中で、自分の生き方を考え、また人生の中で「どのような役を演じるか」と葛藤するマットの姿は印象に残ります。

    一方で、マットが葛藤し、悩む場面は表現が分かりにくい部分もあり、前作よりも感情移入しづらく感じました。
    彼のように悩みながら青春時代を送ると、深みのある人間になりそうだなぁとは思いつつ、苦労が多くて大変そうで、真似はしたいとは思えません(笑)
    まさに、小説で読むにふさわしい作品かもしれませんが、総じて「救い」が明確ではなかったので、読後感は少し暗いかもしれません。
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    投稿日:2019.04.02

  • shiro

    shiro

    このレビューはネタバレを含みます

    父親の転勤に伴い オーストラリアで暮らす少年 安藤真人 呼び名はMatt
    思春期を異国で過ごし、現地に馴染んでいるものの 転校生の同じ呼び名のMatt.w
    に目の敵にされ 過去の戦争の歴史に向き合っていく。
    思春期の腹立たしい自分との葛藤、
    そして 異国で落ちぶれていく 脱サラした父との関係

    高校生の青春物語とは一味違った 異国で暮らす主人公に
    読み進めるほど 気持ちが寄り添っていく。
    歴史をあまりにも浅くしか知らない私には、主人公と同じく苦しく感じる場面があった。

    読み終えてから この本が続編だということを知り 納得。
    お母さんのこと、お姉ちゃんのこと、お父さん、友だち、そして友達家族
    ちょっと わかっていなかったので、機会があったら読むことにしたい。

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    投稿日:2019.01.19

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