【感想】スノーマン

一雫ライオン / 集英社文庫
(9件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
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ブクログレビュー

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  • まいまい

    まいまい

    著者の作品は【二人の嘘】から二作目。
    前作とはまた対象的な世界でした。肌が異様に白く若くて美しい犯人。色彩描写、風景描写、出てくる登場人物たちの際立ったキャラクター。世界観に惹き込まれました。真正面からの暴力、犯罪、悪。
    どうして殺されなければいけなかったのか?
    どうして殺したのか?

    サイコパス系好きな私には好みでした。
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    投稿日:2024.02.14

  • かりんとう

    かりんとう

    このレビューはネタバレを含みます

    たまたま写っていた写真の中の青年は美しい。
    儚げで、何か抱えてるように写る。
    いつしか彼はスノーマンと呼ばれるように。

    SNSの中では、悪を退治してくれる存在だとか、ファンクラブができたり、情報番組では、彼の生い立ちに何か原因があるのではないか、遠藤と桐生は、彼は悪を察知する能力にたけているのではないかと想像する。
    みながみな、勝手に彼の物語、殺す理由を語る。
    何かあるのだろう、何かないとおかしいと。

    桐生がスノーマンの父親から、彼の殺人について、そのときの顔について聞く。
    自分の想像とかけ離れていて「嘘だ!」と叫ぶ。
    そんなはずはないと思ってしまう。

    純粋な「好きだから」何も言えなくなる瞬間。
    さらに「欲望がたまってから、やった方が面白い」と、言う。
    物語を求める、知りたい、納得したいをぶち壊す…。

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    投稿日:2024.02.03

  • 1213430番目の読書家

    1213430番目の読書家

    最後まで読むが、よくわからないところもあり、「二人の嘘」で感激した作者のものとして読んだが期待外れだったので、厳しい評価。

    投稿日:2023.08.19

  • tantan

    tantan

    ん〜?サスペンス…ではあるかもだけど、ホラー?なのか?
    …なのかも??的な?w

    美しさに惑わされてしまう、ってとこがホラーなのかな〜?

    登場人物それぞれのキャラは良かったけど、なんか消化不良な後味だわね…(^◇^;)続きを読む

    投稿日:2021.10.03

  • kaorukaeru

    kaorukaeru

    連続殺人犯にかかわる人たちで物語が展開される
    徐々に犯人が見えてくるがなかなかとらえられない
    その展開はもどかしかったですがそれも終盤への
    盛り上がりのためかなと
    それにしても犯人以外の人たちもまた、え?って
    なるような感じでした
    続きを読む

    投稿日:2021.09.20

  • Jun

    Jun

    2021年5月24日読了。

    暑い夏。
    昭和の高度成長期に建てられた古い公営団地、通称《おばけ団地》で殺人事件が起きる。
    巡回中の警官が、おばけ団地の同じ場所にずっと停車している宅配車を不審に思い調べてみると、団地のとある部屋の玄関の前に血痕を発見する。
    署に連絡は入れたが、応援を待たずに一人で部屋に踏み込んだ警官からの連絡では
    『部屋の中に遺体が二つある。少なくとも、ふたつ』
    その連絡を最後に、警官との連絡も途絶える…。

    大勢の署員と刑事の《桐生保也》が現地に出向き、部屋に押し入り目にしたものは、
    犯人と思われる人間は疎か、生きているものもいない。おそろしい異臭の中、何十匹もの蝿が飛び回る部屋に
    足が膝から奇妙に折れ曲がり、首が前後ろ反転した状態で寝そべる制服警官。
    首にボールペンが刺さったまま天井を見上げる配達員。
    おそらく遺体であろう、腐敗が進み液体となった数々。
    台所には白骨化した遺体と、顔面が蛆虫に覆われた女と思われる遺体。
    風呂場の風呂桶には異臭を放つ液体の中に、何人もの人間の頭が見えた。
    そんな地獄絵図のような現場の遺体の一つ、真っ赤な赤いワンピースを着た女の遺体に桐生は背筋が凍った。
    顔はもはや人間の体をなしておらず、残った肉片からは蛆が湧き、見るも無惨な状態なのに直感的に桐生は感じた。
    『紀美子だ。あれは愛人の紀美子だ。』
    少し前に吸引した覚醒剤が、彼の血液を巡り鼓動がスピードを上げた。

    一方、21歳の若さでシングルマザーである《庚実日子》は息子の《光一》を連れ、久々の休日を公園で過ごしていた。
    前の旦那が残していった借金のせいで貧しい生活を強いられ、朝・夜と仕事をしなければ生きていけない状況なのだが今日は思い切って休みを取った。
    4歳になった光一に、せめて1日だけでも人並みの愉しみを与えたかった。

    1人でトイレに行けると言う光一を見送り、トイレの見えるベンチに座り、考え事を始めた実日子。
    負債の事や、貧しい生活の事で重いため息しか出ない。
    ふと、トイレを見ると若い男が出てくるのが見えた。
    真っ白なシャツに、ベージュのチノパン。真っ白なスニーカー。
    端正な顔立ちに、なによりも《神々しくも恐ろしいほどに肌の白い青年》
    実日子は目を奪われた。
    『格好いいなあ。あんな人とデートできたら、楽しいだろうな』
    そんな事を想いながら、去って行く青年を見つめていた。
    ふと、背筋が凍る。
    私は何分考え事をしていたのだろう。光一は?
    慌てて駆け出しトイレに駆け込む。
    スーツを着た男が血を流して死んでいる。
    その脇に横たわる、実日子の最愛の息子・光一。
    光一の頭は骨がへこみ、もはや呼吸をしていなかった。

    おばけ団地と公園のトイレから検出された指紋が一致した事から、同一犯の犯行だと判明。
    庚実日子が見かけたトイレから出てきた《白い男》が容疑者として浮上。
    入手した《白い男》の写真を一般公開するやいなや、肌が白く・美しく・ミステリアスだとネットで話題になり『スノーマン』と呼ばれ始める。
    大量猟奇殺人犯・『スノーマン』とは何者なのか。


    初読みの作家さん。
    読まれてる方があまり多くない?みたいで期待していなかったがすごく面白かった。

    『スノーマン』が殺人鬼であるのに美しく持て囃される一方、
    それを追う刑事達の、正義とは真逆のドロドロした汚さ。
    劣悪な環境で生きる中、唯一の宝であった息子との生活を無惨な形で壊されてしまった被害者の母親を誹謗中傷するネット民共。
    殺人鬼だと分かった上で、その男を庇う水商売の女。
    警察と結託するヤクザ。

    内容はグロく、重く、辛い話だったが、様々なキャラが入り混じり、どんでん返しもありつつ楽しく読めた。
    続きを読む

    投稿日:2021.05.27

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