【感想】常識的で何か問題でも? 反文学的時代のマインドセット

内田 樹 / 朝日新書
(9件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • 田中ふう

    田中ふう

    成長しない社会を生き延びる術、金ではなくどうすれば人間らしく生きられるか?その手立てを人々は直感的に日本の豊かな山河に求めた。
    頭で考える幻想は節度がなく無限、身体には節度があり、身体を優先させる人間は、戦争を始めたり、宗教やイデオロギーに目を血走らせたりしない。
    衰退の特徴は単純になり、成長するものは変化し複雑になる。
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    投稿日:2022.02.24

  • moonshot

    moonshot

    89前思春期、別名チャム世代、自分にも当てはまってびっくり。

    あとがきより
    競争社会では、誰でも可能なことを周りよりも上手にできる人が評価されるのである。
    僕は嫌だけどね。

    247長期政権が必ず腐敗する理由を説明できますか?続きを読む

    投稿日:2020.09.04

  • ruko-u

    ruko-u

    発刊から数年経ち、時事としてはちょっと古い話題ではあるものの内容に関しては全く遜色ないばかりか、今の政治や世事の状況を鑑みつつ読めば発見や自分では思いもつかない見識が満載です。
    私には目からウロコの見識がたくさんありました。

    先生の、「未来に対する仮説を立てて検分する」という世の中に対するあり方は私たちに、もっと広く物事を見よ、考えよ、本当のありかを見極め嘘や誤魔化しを見抜けよ、と訴えているかのようと感じました。
    たとえ仮説が外れたとしてもそれは問題ではなくて、そういう風に物事を関心を持ってみる姿勢がなくてはならないという啓発だと。
    流されてばかりではあかんですね。何が出来る出来ないの前にきちんと考えて判断するアタマをまず自分で作らなくては。

    今のような空気感の世の中では「正常性バイアス」を解除できるかどうかというのも大変大切なことですね。
    これから読んでもためになること満載な一冊です。
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    投稿日:2020.05.16

  • モーリー

    モーリー

    内田先生の著作は難しいがこれは新聞の連載をまとめたものだったのでいささか読みやすかった。以下付箋貼った箇所。グローバル化世界における「勝者」たち個人の自己利益追求という観点から見ることの二つは全く無矛盾的である。グローバル企業はいかなる国民国家の国益も配慮しない。人件費コストの最も安い国で雇用し、環境税制の最も緩い国で操業し、収益は租税回避地に流し込む。グローバル企業の目的は個人資産の最大化である。「グローバル」と呼ぶが、実質は「無国籍的個人主義」に他ならない。この競走の勝者たちは、自分たちは才能と努力によってその地位に達し、財産を築いたと考えている。だから、努力せず、才能に乏しいものが彼らの納めた税金の「フリーライダー」となることを忌み嫌う。それはアンフェアだと彼らは言う。/でも、なぜ人々はスポーツに惹きつけられるのか、それぞれの競技はどのような人間的資質の開花をめざしているのかという話はメディアで誰一人口にしなかった。ただひたすらメダルの数と国威発揚と経済効果(そしてバックステージの家族愛・師弟愛の「物語」)というチープでシンプルな話だけが執拗に語られていた。/whataboutism日本語で言うと「どの口が言うか」である。西側諸国がソ連国内の人権抑圧を非難すると「そっちだって過去に奴隷制度があっただろう」と切り返して、批判を無効化しようとしたのである。「真に潔白な者だけが他人の非を咎めることができる」というルールを採択すれば、誰も他者の罪を問うことができなくなる/けれども、この論法を突き詰めると、最終的には、最も抑圧され、最も収奪され、すべての人権を剥奪された「究極のプロレタリア/サバルタン」以外には人権について語る資格がないという極論に至る。この論法の本質的な欠陥は、正義や人道について語る資格を厳密にすればするほど、正義や人道が棲息できる場所がこの世から失われてゆくという逆説にある。/けれども、歴史が教えているのは「すべての長期政権は必ず腐敗する」ということである。これに例外はない。/やがて独裁的権力者の周囲には、恥ずかしげもなくお追従を言う者たちだけが残り、直諌するひとは残らず立ち去るか、排除されるかして姿を消すのである。長期政権の没落を呼び込むのは為政者自身の無能や失政ではない。彼を喜ばせる以外に取り立てて能力のない人たちがいつの間にか統治機構の中枢ポストを占有することがもたらすのである。/権力とは平たく言えば「いかなる理不尽を働いても罰されない立場にいること」である。問題を起こした政治家たちはここしばらく身近に「権力」の匂いを嗅いだ。そして、どこまでの理不尽や横暴が自分にも許されるのか、その限度を試みたくなったのである。/「それでも処罰されない」という事実が、それだけの権力が自分にはあることを確信させてくれるのだ。子どもが親の愛情を確かめるために「どこで怒り始めるか」の限界を試したり、DV夫が妻の忍耐を自分への愛情表現と解釈したりするのと同一の心理規制である。/内閣を支持する人たちの支持理由の第一は「代わる人がいない」というものです。「一強体制を覆す対抗馬が出ないような精密な仕組みを作った政治力を評価する」というふうに読み替えれば、それなりに合理的な解なのかも知れません。/人間はひとりひとり特異な個性と才能に恵まれている。それを生かして「余人を以って代え難い」タスクを引き受けることが人しての生き甲斐じゃないかということです。/全員が「他の人ができないことができる」ようにばらけている集団では、たしかにメンバーの格付けはむずかしい(というか不可能)でしょう。ですから、集団内部的な格付けを容易にするために成員を規格化することにつよく反対します。集団が弱くなるからです。でも、僕のように考える人は今の日本では圧倒的な少数意見です。ほとんどの人は「誰でもできることを他の人よりうまくできる」という相対的な優劣の競争で上位にランクされることに熱中している。んんん難しい。続きを読む

    投稿日:2019.12.29

  • komoda

    komoda

    https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=20447

    投稿日:2019.08.16

  • Στέφανος

    Στέφανος

    危機的時代の判断力とサバイバル力
    真の知的成熟とは何か
    「属国」日本とアメリカ
    地方と経済効果とお金の話
    国民国家はどこへ行くか
    情理を尽くさない政治に未来はあるか

    著者:内田樹(1950-、大田区、フランス文学)続きを読む

    投稿日:2019.03.15

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