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平野啓一郎 / コルク (1件のレビュー)
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kansas
「考える葦」 「透明な迷宮」「マチネの終わりに」「ある男」執筆時に、作家は何を考えてきたのか。 文学、思想、美術、音楽、エンタテインメントから社会問題まで広範なテーマに亘る六十七篇の論考を集成…した批評・エッセイ集。 第1章:私達自身のような「夭折の天才」(ドナルド・キーン「石川啄木」)から始まる本書は、とにかく読む疲れるものであった。広範なテーマだけであれば良いものの、中身が難解。文章の視点や書き振りは文学的であったり哲学的であったり、思想的であったりする。 単に知識があればすらすら読めるってなもんでもない。読むのが大変。さらりと読めた所すら、果たしてこの解釈であっているのだろうかと不安になる。教養を試されている気がして、胃がチクチクチクチク...。とにかく体力がいる。小説の方がずっと読みやすいなと思った。 「私たちは、今日、巨大な世界との対峙を余儀なくされている。なるほど、個々には葦の一本に過ぎまいが、 しかし、決して孤立した葦ではない。古今東西に亘って、たくましく繁茂し続けている一群の葦であり、 宇宙を包み込むのは、その有機的に結び合った思考である。 決して孤立した葦ではない。確かにそうだ。続きを読む
投稿日:2019.02.24
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