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オリヴィエ・ゲーズ, 高橋啓 / 海外文学セレクション (15件のレビュー)
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NASU88
ドイツのユダヤ人作家?による「ノンフィクションノベル」。アウシュビッツで恐れられていた白衣の悪魔メンゲレ医師の南米での隠遁生活。驚愕の新事実とかではなく、メンゲレの狂気と恐れをじわじわと描く。3.0
投稿日:2020.11.18
ぷらりん
『スターン』誌じゃなくて『シュテルン』じゃないかと思うんだけど。 それはさておき、戦争責任って難しいんだなあと思う。勝ったか負けたかで立場は全然変わるし、命令を下した側が罰せられるのはともかく、命令を…受けて行動した側は、じゃあそれを拒否すれば良かったのかというと、それは勝ったか負けたかという結果が出てから言えることだし・・・もしあの戦争でドイツが勝っていたらメンゲレが行っていた実験等々は責められるどころか褒め称えられてたのかなと思うと、恐ろしい話しだよなあとつくづく思う。続きを読む
投稿日:2020.07.19
soy_cappuccino
アウシュヴィッツに大量に送られてくるユダヤ人をまるでオーケストラの指揮者のように振り分ける-この本では、収容所に到着してすぐ行われる選別を「オーケストラを奏でる」と多くのシーンで表現されている。異次元…の残虐行為、すなわち人体実験が描写されている箇所は少なく、その描写も極めて淡白なもの。むしろ「死の天使」の戦後の逃亡劇を通してを持たない怪物ヨーゼフ・メンゲレの卑劣さ・心の惨めさ非常にリアルに伝えている。そう、彼は私たちと何ら変わりもないちっぽけな人間なんだ。戦争犯罪-非常に難しい。戦時下の東欧では市民の手によりポグロムが多発したが所詮彼らは無責任。愛国心ゆえに国家に忠誠を尽くした人は、負ければ立派な犯罪人として罰せられ、勝てば有耶無耶にされる。この矛盾に苛まされ人として腐敗していく。表象し難い複雑な思いです。 戦争犯罪人にフォーカスを当てた作品は被害者視点の作品に比べ圧倒的に少ない。ひとつの事象を捉えるとき、両者の視点で描かれた作品と客観的に描かれた文献を読むと、多角的な見方ができるだけではなく、自分自身がその事象から学べることが何倍にもなったのではないかとすごく実感しました。これからこのような読書スタイルも沢山取り入れていきたい。続きを読む
投稿日:2020.06.10
nari-aki
「死の天使」と称されたヨーゼフ・メンゲレの逃亡記。 史実と文献をもとにした“ノンフィクション小説” 戦時中に行った彼の非人道的な行為と、逃亡生活中の卑小さ傲慢さが際立つ。(さらにアイヒマンが登場する…ことでその卑小さ俗物さが増す) 「命令に従っただけで自分は悪くない」 最期まで狂信者だった。 最期の章に書かれていたことには胸を打たれた。 いつの時代にも、メンゲレ(あるいはアイヒマン)のような人物を生み出してしまう可能性がある恐ろしさ。続きを読む
投稿日:2020.05.14
魚雷屋の読書録
ナチズムへの傾倒と功名心から、アウシュビッツで非道な人体実験を行い、多くのユダヤ人などを死に至らしめたヨーゼフ・メンゲレの逃亡記。彼は最後まで「狂信者」だった。
投稿日:2019.08.30
探耽(たんたん)
ナチスの人体実験に関して、最も名の知れた科学者ヨーゼフ・メンゲレ。 ユダヤ人輸送の責任者アドルフ・アイヒマンほどの大物ではありませんが、自身の研究と到着後の“選別”によって夥しい死を実行しました。 自…然死するまで逃げ切ったナチスの一人であり、動向に不明な点が多い人物です。 著者のメンゲレ研究の末、事実と想像を交えた小説の形で世に出た一冊。続きを読む
投稿日:2019.02.08
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