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大崎梢 / 文春文庫 (14件のレビュー)
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gaaco
文芸出版の老舗である総合出版社。 そこで出版される週刊誌の編集部が舞台となるミステリー…かと思って読み進めたらちょっと困ったことになる。 あくまでも、これはお仕事小説。 いや、正直、かなり緻密に書かれ…たミステリーだと思い込んで読んでいたのだが、それが最後で見事に裏切られる。 だって、連続殺人事件まで出てきて、真相は示唆されるものの、解決までは描かれないのだから。 文芸出版で出発し、週刊誌を抱えているというと、週刊Sか週刊Bだがどっちかな。 あとがきで大矢さんが週刊文春だと明かしていた。 みんな大好きなくせに、表立っては眉をひそめて語る、あの週刊誌だ。 作者の大崎さんご自身が編集部を取材したとなると、悪いことは書いていないだろう、とは予想がたつ。 『プリティが多すぎる』同様に、最近編集部に配属された「ニューカマー」が主人公。 本作では、入社二年目の信田日向子だ。 右も左もわからない取材に翻弄され、イエロージャーナリズムに携わる自分の仕事にもためらいを感じている。 こういう人物を通して描かれると、週刊誌の編集もずいぶんとイノセントな感じになる。 百戦錬磨のデスクや、脛に傷を持つ身のベテラン記者を通して描かれる世界なら、さぞや大変なことになりそうだ。 アイドルの元カレを名乗る人物からのタレコミ。 実直そのものの経理担当者の横領事件に関わる謎の女性。 女子高生失踪事件と、それぞれ接点のない女性たちが相次いで不審死を遂げたことの間に、なぜか同じ人物が目撃される事件。 こんな事件を日向子は、先輩や上司の指示を受けながら追いかける。 日向子自身も、週刊誌にできることがあるという確信が持てるようになっていく。 事件が解決するカタルシスではなくて、日向子の成長や、週刊誌を作る人の矜持のようなものに触れられるところに、この本のよさがある。続きを読む
投稿日:2024.02.04
PEANUTS
お仕事小説かと思って手に取ったが ミステリー要素も強め。 週刊誌記者ってあまり良いイメージがないが この物語は応援したくなる。 なかなか表には良さが出てこないけれど 裏では苦労や仲間との絆が詰まって…いるんだな~ と改めて思い直せた。続きを読む
投稿日:2023.12.15
まるこ
文春文庫出版ということもあり、あの文春砲の舞台裏なのか?と連想させる作品でした。 掲載記事は、社員たちの地道な取材活動の賜物ということが分かりました。 社員たちの信頼関係ゆえの取材活動ということも…深い意味がありました。 短編で1話完結ですが、1つの事件が緩やかに結びつき、最後はミステリー要素もあり夢中になって読めました。 スクープ記事、週刊誌に偏見がある方も是非読んで欲しい。 続きを読む
投稿日:2022.02.23
ptt219
2021/08/16 あの文春砲を日々ぶっ放しまくってる文春系列の文春文庫から出版されている週刊誌の記事が出来上がっていく過程を小説にした話。 本の紹介では作者の大崎さんが綿密な取材に基づいて書い…たとあり、おそらくこの話の中に描かれているそれぞれの話にも多少のフィクションなどはあると思うけど、モデルとなる人物がいたり、モデルとなる出来事があったりするのだろうなと思うくらいにリアリティがあった。 自分自身の感覚だと正直、「ある事無い事噂程度の話でも大した取材もしないで芸能人や政治家などのよろしくない話を脚色をつけまくって雑誌を作ってる」「訴えられたって雑誌が売れれば資金は回収できるしオッケーよ!」みたいな感じで、人間の心を持ってるのかも怪しい集団がこういう雑誌とか作ってるんだろうなぁって思ってました。 そうした部分は大きく誤解だったんだと思わされる本でした。主人公はどちらかというと、そんな誤解を抱いている人の立場に立っている設定だし、取材活動がどのように行われて、どのように記事が出来上がっていくのかをこの小説を読むことで見えてくるものがあります。続きを読む
投稿日:2021.08.16
りせ
サクサク読みやすかった。 手軽に読める本が欲しかったので印象通り。 出版社シリーズものとは知らず本作から読んだが、問題なし! (「プリティが多すぎる」も読んでみたい。) 自分自身の環境の変化が重なり… 読み終えるまでに時間を要しまったが、 読み始めると重たさもなくサクサク読めることが有り難かった。続きを読む
投稿日:2021.04.23
lin
軽ーいライトノベル的ミステリーを読みたいと思って、装丁見て借りてみた。 そしたら、想定と違うお仕事小説。と思いきや、後半はしっかり期待通りの報道ミステリー。 しかも予期はしてたけどしっかり伏線回収。… 主人公がとってもまっすぐな人だから、ついつい応援したくなってしまう小説。続きを読む
投稿日:2020.12.19
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