【感想】復活の日

小松左京 / 角川文庫
(50件のレビュー)

総合評価:

平均 4.4
22
20
4
0
0
  • 一気に読みました

    50年以上前の作品ですが、全然古さを感じなかったです。むしろ、今の世界を予言しているようにも読み取れます。

    投稿日:2018.09.21

ブクログレビュー

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  • kemukemu

    kemukemu

    それはまるで2020年の世界のようすと紙一重……。

    これは1960年代の作品で、当然に当時のテクノロジーをもとにしたSF。
    オリビア・ハッセーや草刈正雄が出演し、ホンモノの潜水艦をチャーターするなどで話題となった1980年の映画が有名だが、小松左京の原作は映画で描かれているよりも、滅亡へのカウントダウンを、強烈に、生々しくシミュレーションし、訴えていた。
    とくに、第一部「災厄の年」の終盤、命の絶える直前の文明史教授による痛烈な後悔の独白は、圧巻。
    21世紀も四半世紀を過ぎようとしている「今」に当てはめた時、移動と情報伝達の伝達スピードと比例して感染スピードも増す……

    そして、それは事実、起こった。

    やがてそれも過去のこととなると、また、危機感は薄れていくに違いない。

    小松左京は「あとがき」にあるように、人類にたいして決して悲観的ではなく、かえって希望すら見出だそうとしているように思える。

    映画を見た人も、この原作でまたひと味違った「復活の日」を味わうことができるはず……

    今だからこそ。
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    投稿日:2023.10.09

  • M−D

    M−D

    コロナ等で話題になってたので、今更ながらに読んでみる。人間には可能性があるということですかね。正も負も。

    投稿日:2023.09.01

  • 雑食

    雑食

    生きること。当たり前の世界というものは、多くの人に支えられて成立している。自国の利益を優先する愚かな行為が人類を滅ぼす。戦争を経験した作者だから書ける作品なのかなと感じた。

    投稿日:2023.06.29

  • k

    k

    小松左京のSF長編。
    突如として現れた未知のウイルスによって人類が滅亡していく様と、感染を何とか免れ最後の人類となった一万人の人々が人類復活への道を模索して行動する様が描かれる。

    ストーリーは非常に面白く、示唆的だった。
    「人類の滅亡」さらに「人類の復活」という壮大なテーマを描き切ることができる作者の力量には脱帽する。

    本作で人類の滅亡の直接的原因となったのは未知のウイルスだが、その背景にあるのは大国間の既知の対立である。彼らの対立がもたらす際限なき軍拡の結果として開発されたウイルスが漏出し、そしてこの事実も「軍事機密」の壁により世界の防疫体制に向けて発されることはなかった。
    故に、世界中の人々は必死に闘いながらも、何故人類が滅ぶかもわからないまま、惨めに死んでいく。この凄惨な描写は本書の山場のひとつだろう。

    本作における作者のメッセージは、作中でも何度も語られるように、「人類間の対立を終わらせ、種としての普遍性を獲得すること」の重要性である。
    宇宙や地球レベルから観測すれば、人間など、文明など、表皮をなぞるちっぽけな存在でしかない。そんなちっぽけなもの同士の価値観の違いなどで争っておらず、もっと大きな存在に目を向けてそれを乗り越えるべきだと説く。人間的な精神が巨大な物質に勝つことを目的としなければならないと訴えるのだ。

    本作は1964年に発表された作品であり、旧冷戦の緊張が最高潮に達していた頃に書かれたものである。故に米ソの対立や軍拡が本作の一つの大きなテーマとなっているわけだが、現代に生きる我々もこれを杞憂に満ちた妄想だと切り捨てることはできないだろう。
    確かにソ連は崩壊し、核ミサイルの応酬を招くことも、未知のバイオ兵器が暴走することもなかった。しかし旧冷戦が終結した後も大国間の軋轢と対立は残っている。ロシアはウクライナに攻め込んで今も戦争をしているし、中国はアメリカをはじめとする西側諸国への反感を隠そうともしない。いつこの対立が暴走して、人類を滅亡の道に誘うかはわからない。

    さらに我々は2020年からのCovid-19の流行を本作と重ねずにはいられない。幸い、このウイルスは人類を滅亡させる前に自ら弱毒化し、人類との共生の道を選んだために人類が絶滅することはなかった。
    さらにかつてない速度でワクチンを作り上げ、我々はここに人類の科学の崇高さを感じた。だがそれは同時に世界に「ワクチン格差」を表出させ、このことが現在の発展途上国の人々の将来の反感の種となってしまったとも言える。

    現時点でCovid-19の詳細の発生原因は判明していないが、中国武漢の軍事研究施設から漏出したといつ説もある。発生から3年以上経っても詳細の調査ができなかった今更、これが明るみに出ることはないだろう。しかしこれが事実であるにしろないにしろ、そうした説がまことしとやかに囁かれる現状が非常に危険な状況なのだ。

    「人類は試行錯誤し、間違えながらでしか前に進めない」これはある程度は真実だろう。
    しかし、その試行錯誤がいつか取り返しのつかない事態を招く可能性は常にあることを肝に銘じなければならない。人類の為したことがいつも人類でリカバリーできるとは限らないのだから。
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    投稿日:2023.03.16

  • usaco

    usaco

    新型コロナの預言かな?と思えるSFということで読了。
    ウィルスの話とか難しかったけれど、一気に読めた。

    まさか、が現実になる。
    新型コロナも、ウクライナの戦争も、起こらないとどこかで思っていた。平和ボケの自分。
    ニュースは自身の直接的な意味を、世間一般のできごとへ還元し、毒々しさを緩和する役目をする。

    持続可能な世界にするために、子どもたちのために、未来のために、この平和を維持するために、できることを少しでもやりたいと思った。
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    投稿日:2023.03.08

  • あきちさん

    あきちさん

    子供の頃にテレビで流れていたのを観て、死の街の映像の余りの恐ろしさに、号泣したトラウマ作品です。暫くは夢にまで見て、しんどかった記憶が有ります。
    遅ればせながら、コロナがきっかけになってようやく読了です。
    今読むと、インターネットも無い時代にどれだけの書物を読んで、どれだけの人に取材してこの作品を書かれたのか、その事に唯々感謝しかないですね。
    今読めて良かったです。
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    投稿日:2023.02.21

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