【感想】総員起シ

吉村昭 / 文春文庫
(12件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • yoichiokayama

    yoichiokayama

    昭和19年、訓練中の事故によって沈没した伊号第三十三潜水艦。
    9年後、引揚げられた艦内の一室から発見された13名の遺体。
    遺体は、まるで生きているような状態でした。
    事故から命がけで脱出した生存者の証言などを基に書き上げた戦史小説です。
    「海の柩」「手首の記憶」などの他の作品も、戦争の悲惨さが描かれています。
    続きを読む

    投稿日:2023.06.25

  • kamitako

    kamitako

    戦中戦後の恐怖、理不尽、悲哀を綴った短編5編。
    「海の柩」が一番刺さったが、他にも三船殉難事件を扱った「烏の浜」、伊号第三十三潜水艦を扱った標題作など良作が鎮座。戦争という不気味な怪物が生み出した事象は、極限下での状況を踏まえた意思決定の在り様について考えさせられた。続きを読む

    投稿日:2021.05.04

  • takashi515

    takashi515

    前から気になってはいたものの、読んだことのなかった吉村昭。どこまで史実なのかわからない部分はあるものの、司馬遼太郎とか清武英利に似た感じだろうか、太平洋戦争の知らぬ歴史を興味深く読んだ。ドキュメンタリーや映画よりもよっぽど戦争の悲惨さや人間の浅ましさが心に響く小説であった。他の本も読んでみたい。続きを読む

    投稿日:2020.08.31

  • sylphid

    sylphid

    このレビューはネタバレを含みます

    終戦前後に起きた悲劇を題材とした5篇を収めた短篇集。
    残念なことにいずれも、現代では風化し、
    忘れ去られた事件になり下がっているようだが、
    それだけに衝撃的だった。
    とりわけ『海の柩』、『手首の記憶』、『総員起シ』の読後感は重かった。
    戦争とは、軍隊とは理不尽の塊であり、
    戦争に負けるとはこういう事なのだなあ。
    目頭が熱くなった。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2018.12.20

  • atm09strsks

    atm09strsks

    「海の柩」は次々と流されてくる兵隊の水死体、という状況からして恐ろしいのですが、それらに共通するある特徴の理由がわかった時、あまりの殺生ぶりに戦慄せずにはいられませんでした。「総員起シ」は潜水艦サルベージのドキュメントとして非常に興味深い話でした。せっかく戦争を生き残ったのに、9年後に引き揚げられた潜水艦のメタンガスで死んでしまった三名の元海軍技術士官が不憫でならない。続きを読む

    投稿日:2018.09.16

  • 日高管内図書館振興協議会

    日高管内図書館振興協議会

    吉村昭による短編小説集。太平洋戦争末期、現日高町厚賀沖にて、兵員輸送船「大誠丸」が米軍の攻撃を受け沈没した事件を主題とする作品『海の柩』が収録されています。実際に多数の将兵が亡くなった事件である為非常に暗い作品ですが、戦争という現実の中で暮らしていた厚賀の人々の姿が克明に描かれています。(日高門別 あ)続きを読む

    投稿日:2017.07.20

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