イエス・キリストは実在したのか?

レザー・アスラン, 白須英子 / 文春文庫
(10件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
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ブクログレビュー

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  • izzy

    izzy

    このレビューはネタバレを含みます

    聖書において、救世主(キリスト)イエスとして描かれている人物を歴史的な知見から改めて見てみる本作。
    そこで描かれているナザレのイエスは、地上における「神の国」の樹立を目指して、弟子たち軍団を集めながらガリラヤ全土を歩き回り、社会の大変革を企図していてた熱烈な革命家であり、エルサレムの神殿の司祭階級の権威に楯突く魅力ある伝道者でありローマの占領に反抗して敗北した急進的なユダヤ人ナショナリストである。
    こんな熱意の溢れる彼だからこそ、弟子たちは彼を信じ、彼の跡を継いだり彼の権威の上に行こうとしたりせずに、救世主として描いたのだろう。
    最終章らへんのパウロの暗躍などは読んでいてとっても納得できるところがあり面白かった。

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    投稿日:2022.06.20

  • yonosuke2019

    yonosuke2019

    途中でやめてたのいちおうめくった。いろいろ知らんこともあり。特にパウロと他の使途との関係はあれだ。まあキリスト教とかどうでもいいというか、学生のときにこんなもんなんでまじめに勉強しなきゃならんと思ったのだろうか、みたいな。続きを読む

    投稿日:2022.02.12

  • 小野不一

    小野不一

    「一人の人物が四つの異なった『履歴書』を持っているとしたら、あなたは、その人物を信頼することが出来るでしょうか」(『仏教とキリスト教 イエスは釈迦である』堀堅士)。できません(キッパリ)。聖書はその慈愛と暴力でもって読む者の精神を二つに切り裂く。このためクリスチャンには二重人格的な傾向が見られる。例えば十字軍と救世軍など。
    https://sessendo.blogspot.com/2021/12/blog-post_8.html
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    投稿日:2021.12.08

  • katsuya

    katsuya

    救世主(=キリスト)としてのイエスの存在と、実際に2000年前に生きていた人間としてのイエス(ナザレのイエス)についての論考。イエスというと、磔刑に処せられた悲劇の教祖、愛と慈愛に満ちた人々を導く尊師、数々の宗教画や彫刻で表現された無垢で無謬の存在のイメージ。当然だが、元となった人物はいるわけで、数々の経典や歴史書など読み合わせる中でその人物像を描いた一冊となっている。この本で明らかにされる人間イエスは、同じユダヤの民でありながらローマの支配に従属している高位聖職者に反発し、神殿に乱入したり、不当に商売を独占している商人のお店をぶち壊したり、真っ当だが過激なスローガンで体制批判する若きカリスマリーダーである。結果的に批判の対象になった聖職者からの告発で治安維持にあたっていたローマ軍に捕らえられ、当時の慣例に従って粛々と磔にされる。どうも、劇的に描いている聖書の場面とは異なるようである。その後、イエスの弟が後継者と目されるのだが、エルサレムで活動を続けたことが裏目に出て、イエスの死後約40年でエルサレムはローマ軍に壊滅させられ、この一派は消滅する。一方、イエスの弟一派と反目しながら、遠くローマで布教を行なっていた一派は、ローマに取り入れられるよう教義を修正しながら生きながらえ、その後300年ほどを経て国教となる。自身の権威を高めるためにイエスの神性を殊更強調したのが現代のイメージにつながっている。この本の説が全面的に正しいわけでもないだろうけど、こういう面もあるのだと参考になりました。続きを読む

    投稿日:2021.07.24

  • yonosuke2021

    yonosuke2021

    風呂読書。イエスのころから1世紀〜2世紀のユダヤ人とローマ帝国がどういう関係だったか、みたいなの。どれくらい正しいのかしらんけどおもしろいな。

    投稿日:2021.07.09

  • Minmo

    Minmo

    邦題が『イエスは実在したのか?』ではなく、『イエス・キリストは実在したのか?』であるのは一つの肝である。実のところ、歴史学的にも考古学的にも、イエスが実在の人物であることはほぼ定説となっている。本書は、新約聖書および同時代の史料を徹底的に読み込み、新約聖書の矛盾を洗い出すことで、歴史上の人物であるナザレのイエスの素顔に迫るものだ。宗教的には聖典をそのまま受け入れることが正しい姿勢だろう。しかし、ムスリムでもある著者アスランは、歴史家としてイエスと向き合う。宗教と歴史、2つの視点で見ると、同じものを見ているにも関わらず、異なる視界が広がる。その様はエキサイティングで、スリリングである。
    本書はまた、ユダヤ教の一派に過ぎなかったイエスの教団が、どのようにして世界宗教の足がかりを築いたのかも明らかにする。イエスの時代のパレスチナには、自らメシアを名乗る者が続出していたという。彼ら「偽メシア」と、救世主イエスの違いは何だったのか。多くの解説書では、その答えをイエスが唱えた「愛」の思想に求める。しかし、ナザレのイエスとイエス・キリストを明確に区別する著者アスランは、そこに答えを見いださない。何故?誰が?本書を読んで確かめてほしい。
    続きを読む

    投稿日:2020.03.04

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