【感想】最新プラットフォーム戦略 マッチメイカー

デヴィッド・S・エヴァンス, リチャード・シュマレンジー, 平野 敦士 カール / 朝日新聞出版
(8件のレビュー)

総合評価:

平均 3.4
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4
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ブクログレビュー

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  • sota

    sota

    1.フリクションはなにか、どのくらい大きいか、解決することで誰が得をするか?

    2.プラットフォームのデザインはフリクションを減らすか、全サイドの参加者の関心のバランスは良いか?他の新規加入者よりも良いか?

    3.起爆問題はどのくらい難しいか?起業家はクリティカルマスを達成する手堅い計画を持っているか?

    4.プラットフォームが起爆点にたどりつき、成長してお金を生み出すような価格か?

    5.マッチメイカーはより広いエコシステムの他の人とどのように協調するか?関連するリスクに直面するか?リスクがあればうまく対処できるか?

    6.起業家はマーケットの反応に応じてすばやくデザインや起爆戦略を修正する準備ができているか?


    マルチサイドプラットフォームビジネスでマッチメイカーとして成功できるかどうかの本質的な問い。この問いが本作のテーマ。

    プラットフォームの考え方はまったく新しいものではなく、ただ、それがデジタルでマルチサイドでリアルタイムでどこでも可能になっただけ。
    だって、駅のプラットフォームには、電車が来るから人が集まる。電車で人の行き来があるから迎えや見送りの人が集まる。それだけの話。

    これまでは「場所」が支配的に重要だったけど、今はその場所が「端末上」になっただけ。つまり、どこでも良くなったことが本質的な変化。それだけが、分かれば後はビジネスマターを考えるだけ。
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    投稿日:2021.11.28

  • M. Nakamoto

    M. Nakamoto

    ああ、経済学者にありがちな、ハインドサイト、既視感、新鮮味のなさ、客観性(主観性のなさ)。経済ニュースをそこそこ追っている人なら学ぶことはあまりないです。

    投稿日:2019.12.17

  • 2319chan

    2319chan

    プラットフォーム戦略のお勉強。

    ①どんな場を作るのか?フリクションはあるか?
    ②ニワトリと卵問題はどの戦略で解決するか?
    ③交流を起こさせる施策は?
    ④プラットフォームの質の管理方法は?
    ⑤ビジネスモデルと価格設定は?
    ⑥進化する施策は?
    ⑦組織体制・人材は?

    ・プラットフォーム参加者の悪い行動を統治する

     ホール・フーズ社のような伝統的ビジネスモデルの食料品店は、シングルサイド型だ。製品を買い入れ、それを顧客に再販する。ホール・フーズ社がグラノーラを買い、顧客はそれをホール・フーズから買う。顧客とグラノーラ製造者が直接に取引はしない。オープンテーブルのようなレストラン予約ビジネスは2サイド型であり、食事客とレストランを一堂に会して、相互に直接取引させる。その間の取引に、オープンテーブル自体は関与しないのである。
     マッチメーカーがマルチサイドプラットフォームと呼ばれる理由は、それはしばしば異なる種類の顧客群が一堂に会するリアルなあるいはバーチャルな場を用意するからである。ナイトクラブは、男と女がたがいに好みの相手と出会うためのリアルな場である。オンライン出会い系サービスなら、同じ目的でバーチャルな場を用意する。男女はクラウド上のサーバーにインターネット経由で接続し、ソフトウェアが出会いを仲介する。

     一方、マルチサイドビジネスは通常、すぐに「ニワトリと卵」問題に直面する。1998年のオープンテーブルのような、レストランと食事客のマッチメーカーは、その前方にクリアな一本道ではんく、霧深い茂みを見ただろう。まずは登録レストランの確保からはじめよう。レストランオーナーはそのアイデアを気に入ったが、ウェブサイトにはどれくらいのユーザーがいるのか、とたずねる。その返事が「ゼロ」あるいは「少し」であれば、レストランは見向きもしない。マッチメーカーは消費者をウェブサイトに誘導する。消費者はチョバーニヨーグルト同様、そのアイデアを気に入るが、サイトにはレストランがほんの数店舗か、あるいはまったく登録されていないことに気づく。たった1回の悪印象が、再びサイトを訪れる気をなくさせ、友達にも悪評をふりまく。これが「協調問題」と呼ばれるものだ。どのグループも、別のグループがサービスを利用することに同意するまで、動かないのだ。

    ・先駆者志望のマッチメーカーの起業家への6つの質問
    ①フリクションはなにか、どのくらい大きいか、解決することで誰が得をするか?
    ②プラットフォームのデザインはフリクションを減らすか、全サイドの参加者の関心のバランスは良いか?他の新規参入者よりも良いか?
    ③起爆問題はどのくらい難しいか?起業家はクリティカルマスを達成する手堅い計画を持っているか?
    ④プラットフォームが起爆点にたどりつき、成長してお金を生み出すような価格か?
    ⑤マッチメーカーはより広いエコシステムの他の人とどのように強調するか?関連するリスクに直面するか?リスクがあればうまく対処できるか?
    ⑥起業家はマーケットの反応に応じてすばやくデザインや起爆戦略を修正する準備ができているか?
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    投稿日:2019.11.10

  • japapizza

    japapizza

    プラットフォーム戦略のお勉強。

    ?どんな場を作るのか?フリクションはあるか?
    ?ニワトリと卵問題はどの戦略で解決するか?
    ?交流を起こさせる施策は?
    ?プラットフォームの質の管理方法は?
    ?ビジネスモデルと価格設定は?
    ?進化する施策は?
    ?組織体制・人材は?

    ・プラットフォーム参加者の悪い行動を統治する

     ホール・フーズ社のような伝統的ビジネスモデルの食料品店は、シングルサイド型だ。製品を買い入れ、それを顧客に再販する。ホール・フーズ社がグラノーラを買い、顧客はそれをホール・フーズから買う。顧客とグラノーラ製造者が直接に取引はしない。オープンテーブルのようなレストラン予約ビジネスは2サイド型であり、食事客とレストランを一堂に会して、相互に直接取引させる。その間の取引に、オープンテーブル自体は関与しないのである。
     マッチメーカーがマルチサイドプラットフォームと呼ばれる理由は、それはしばしば異なる種類の顧客群が一堂に会するリアルなあるいはバーチャルな場を用意するからである。ナイトクラブは、男と女がたがいに好みの相手と出会うためのリアルな場である。オンライン出会い系サービスなら、同じ目的でバーチャルな場を用意する。男女はクラウド上のサーバーにインターネット経由で接続し、ソフトウェアが出会いを仲介する。

     一方、マルチサイドビジネスは通常、すぐに「ニワトリと卵」問題に直面する。1998年のオープンテーブルのような、レストランと食事客のマッチメーカーは、その前方にクリアな一本道ではんく、霧深い茂みを見ただろう。まずは登録レストランの確保からはじめよう。レストランオーナーはそのアイデアを気に入ったが、ウェブサイトにはどれくらいのユーザーがいるのか、とたずねる。その返事が「ゼロ」あるいは「少し」であれば、レストランは見向きもしない。マッチメーカーは消費者をウェブサイトに誘導する。消費者はチョバーニヨーグルト同様、そのアイデアを気に入るが、サイトにはレストランがほんの数店舗か、あるいはまったく登録されていないことに気づく。たった1回の悪印象が、再びサイトを訪れる気をなくさせ、友達にも悪評をふりまく。これが「協調問題」と呼ばれるものだ。どのグループも、別のグループがサービスを利用することに同意するまで、動かないのだ。

    ・先駆者志望のマッチメーカーの起業家への6つの質問
    ?フリクションはなにか、どのくらい大きいか、解決することで誰が得をするか?
    ?プラットフォームのデザインはフリクションを減らすか、全サイドの参加者の関心のバランスは良いか?他の新規参入者よりも良いか?
    ?起爆問題はどのくらい難しいか?起業家はクリティカルマスを達成する手堅い計画を持っているか?
    ?プラットフォームが起爆点にたどりつき、成長してお金を生み出すような価格か?
    ?マッチメーカーはより広いエコシステムの他の人とどのように強調するか?関連するリスクに直面するか?リスクがあればうまく対処できるか?
    ?起業家はマーケットの反応に応じてすばやくデザインや起爆戦略を修正する準備ができているか?
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    投稿日:2019.11.10

  • hiddie

    hiddie

    このレビューはネタバレを含みます

    マルチサイド・プラットフォームに関する書籍はそんなになかったので有用だった。特に助成サイドとマネーサイドの区分、ニワトリと卵問題の解決は興味深い。

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    投稿日:2018.12.26

  • rakuta

    rakuta

    マルチサイドを持つプラットフォームが、間接ネットワーク効果によって大きな成功を収める事例が目につくが、成功者の影に、不発のまま終わったプラットフォームが幾つも存在している。その成功と失敗の違いは何によるものなのかを本書は考察し示唆してくれる。それは、取引のフリクションを低減させて価値を生むことであったり、参加者の交流促進やバランスであったり、ルールや基準であったりするが、実際に成功するプラットフォームになるための具体的な要素の獲得は、試行錯誤の連続であり、資金が尽きるまでに起爆できるかどうかが問題であるといったことが記されている。
    いずれにせよ、主流のミクロ経済学が教えることとは異なるプラットフォームの経済学は、今後も経済学者の研究が行われていることであろうが、その研究のパイオニアによる成果を取りまとめた本書は、この分野の一つのマイルストーンと言える。
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    投稿日:2018.11.04

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